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適応障害で通院している間のお金の不安を軽減!【自立支援医療制度を知ろう】

本日もお疲れ様です。

こぺです。

僕は今、適応障害の療養のため休職して定期的に通院をしていますが、一つ大きな問題があります。

そう、「お金」です。

以前、休職中の過ごし方について書いた記事でも、休職のデメリットとして「経済的な不安」を挙げました。

これまで心療内科・精神科にかかった経験のあるあなたは思い当たるところがあるかと思います。

また、これから継続的な通院が必要になるあなたは不安に思っているでしょう。

定期的な診察、そして服薬している場合はお薬の代金。

精神疾患とは長期的なお付き合いを覚悟しなければならないので、正直言ってバカにならない金額です。

僕は「自分の固定費も見直したりしたいけど、今はそんな元気ないしどうにか出費を抑える方法ないかなあ」と調べていたところ、自立支援医療制度を知りました。

今回の記事では、そんな医療費の負担を軽減してくれる「自立支援医療制度」をご紹介します。

これまで面倒で申請をしていなかったあなたも、制度自体を知らなかったあなたも、この記事をお読みいただくことで自立支援医療制度の概要、そしてメリットが分かります。

制度を知り、早めの申請によって、少しでも金銭面の不安を取り除いていただければ幸いです。

それでは、一緒に進めてまいりましょう。

自立支援医療制度とは

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まずは、制度の概要について簡潔にご説明いたします。
厚生労働省のHPでは、自立支援医療制度は下記のように書かれています。

自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
(引用:厚生労働省 自立支援医療制度の概要)

またその対象者は、精神通院医療・更生医療・育成医療の3つに分類されますが、この記事では適応障害を扱っていますので「精神通院医療」に焦点を絞って進めてまいります。

精神通院医療は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条に規定する統合失調症、精神作用物質による急性中毒、その他の精神疾患(てんかんを含む。)を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する病状にある者に対し、その通院医療に係る自立支援医療費の支給を行うものです。
(引用:厚生労働省 自立支援医療(精神通院医療)の概要)

つまり、精神疾患による通院が必要な方は継続的な医療費の負担がかかるため、自己負担額を減額したりひと月にかかる医療費の上限を定めたりして、あなたの負担を軽減しますよってことですね。

どうしても公的な機関の文章を引用するとお堅くなってしまいますね。実際に適用を受けると、どんなメリットがあるのかお伝えしていきます。

適応障害の人が自立支援医療制度を申請するメリット

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最大のメリットは何といっても医療費の減額です。というより制度の効果が出るところはそれしかないです。

ただ、これまで医療保険の適用で3割負担だったものが、原則1割負担になります。(お住いの市区町村によっては自己負担0割というのもあるようです)

また1割負担であっても、それが過大なものにならないよう、世帯所得(納税額)に応じて一か月あたりの上限額が定められています。

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また、医療費が高額な治療を長期間にわたり続けなければならない「重度かつ継続」の対象となる方は、1 か月当たりの負担限度額が低くなります。

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重度かつ継続については、厚生労働省によると下記のようなものが対象となります。

・医療保険の「多数該当」の方(直近の1年間で高額な治療を継続して
行い、国民健康保険などの公的医療保険の「高額療養費」の支給を4回
以上受けた方)
・①~⑤の精神疾患の方(カッコ内は ICD-10(疾病及び関連保健問題
の国際統計分類)による分類)
①症状性を含む器質性精神障害(F0)
(例)高次脳機能障害、認知症 など
②精神作用物質使用による精神及び行動の障害(F1)
(例)アルコール依存症、薬物依存症 など
③統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害(F2)
④気分障害(F3)
(例)うつ病、躁うつ病 など
⑤てんかん(G40)
・3年以上精神医療を経験している医師から、情動及び行動の障害又は
不安及び不穏状態を示すことから入院によらない計画的かつ集中的な
精神医療(状態の維持、悪化予防のための医療を含む)が続けて必要で
あると判断された方
(参照:厚生労働省 自立支援医療(精神通院医療)について)

※詳しくはお住いの市区町村の担当窓口にお問い合わせください。

継続的な通院や服薬となると、この負担金額の減額が本当に大きいです。

特に休職中は、多くの方が傷病手当金の中から日々の生活費や医療費をやりくりしており、経済的な余裕はありません。仮に休職せずに働き続けている方でも、医療費かかる金額は抑えたいに違いありません。

治療のために通院しているにも関わらず、その費用があなたに新たな焦りや不安を植え付けているとしたら本末転倒です。

このような制度を知り、活用するだけで大きな不安要素を一つ取り除くことができるんです。

ただし、残念ながらこのような制度があることを他人が教えてくれることはほとんどありません。

自ら情報を得て積極的に活用することが重要です。

適応障害で通院中の僕の医療費は自立支援医療制度の適用でどう変わった?

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では、実際に自立支援医療制度を申請する前後で僕の医療費はどのように変化したのか、リアルな金額をご紹介したいと思います。

僕は自立支援制度を2020年の12月21日に申請をしました。(ちなみに受給者証の原本はまだ届いておりません。届き次第ご報告いたします)

その前後での医療費の比較を見ていきましょう。

まずは、クリニックでの診察料金(下記写真参照)です。自立支援制度適用前は、3割負担の1,440円を一度の診察で支払っていましたが、申請後はその3分の1の480円に減額されました。

一度の診察につき960円の減額です。非常に大きいですね。

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※上の写真の負担割合は3割となっておりますが、実際には1割負担が適用されています。

次に処方されたお薬の料金(下記写真参照)です。この時は2週間分のお薬を処方していただきました。

ただ僕の通っている薬局では、受給者証の原本が手元に届くまでは一時3割負担となり、後で領収書と受給者証を提示することで差額を返金していただく形となるようです。

※申請用紙の控えのみで適用となるところと、後から返金のところがあるので、そちらも事前に確認しておきましょう。

そのため、一時的に3,690円の支払いをしましたが、返金を受ければ自己負担額は1,230円ということになります。その差額2,460円です。大きい、大きすぎます。

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つまり、上記の金額で二週間に一度の診察と処方を仮定した場合、一か月で6,840円も医療費が減額できることになります。

今後も通院を続けることや、いきなり断薬はせずに徐々に減薬することを考えると、少なく見積もっても数か月は継続するので、申請しておいて本当に良かったです。

ぜひ、このリアルな金額が参考になれば幸いです。
※クリニック名、薬局名、氏名は伏せております。

適応障害での自立支援医療制度 ~申請から適用までの流れ~

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ここまでお読みいただければ、自立支援医療制度の適用によって享受できるメリットはご理解いただけたでしょう。

では、ここからは実際に申請から利用するまでの流れについて解説していきたいと思います。

役所の手続きというとなんだか複雑でめんどくさいと思いがちですが、思ったほどの労力はかかりませんでした。ここを読んでいただいて、申請のハードルを下げられればと思います。

大まかな流れとしては下記のとおりです。

◆自立支援医療診断書をかかりつけ医に書いてもらう
◆お住いの市区町村の担当窓口にて申請書を記入し、必要書類を提出する
◆受給者証が届き次第クリニック、薬局で適用(申請書控えでも適用される場合あり)

それぞれ順番に見ていきましょう。

◆自立支援医療診断書をかかりつけ医に書いてもらう

まず、自立支援医療制度の申請には主治医の診断書が必要になります。

申請を考えている方は、診察の際に自立支援医療制度の申請を考えている旨を主治医の先生にお伝えしましょう。

そして診断書を発行してもらえるか診断書の金額はいくらかいつ発行できるのかを聞いておくと申請のスケジュールが組みやすくなります。

※僕はあらかじめ伝えておいたので即日発行していただけましたが、本来は即日発行が難しいようでした。クリニックごとに違いもあると思いますので、確認しておきましょう。

診断書を発行していただけたら準備OKです。役所の担当窓口に申請しに行きましょう!

◆お住いの市区町村の担当窓口にて申請書を記入し、必要書類を提出する

主治医の先生に診断書を発行していただけたら、お住いの市区町村の担当窓口にて、申請書の記入・書類の提出を行います。

例えば東京都の担当窓口は、「特別区地域は保健所・保健センター等、市町村地域は市役所・町村役場障害者福祉主管課等」になります。
(参考:東京都福祉保健局 自立支援医療(精神通院医療)について)

「お住い地域+自立支援医療制度」などで検索していただくと窓口が分かると思います。不安があれば事前にお電話で問い合わせるとスムーズでしょう。

また、必要書類は以下の通りです。

①自立支援医療制度診断書(クリニックで発行したもの)

②自立支援医療費支給認定申請書(役所の担当窓口で記入)
役所の担当窓口にて用紙をいただき、その場で職員の指示に従って記入します。申請書で適用を受けるクリニック・薬局の名称と住所を記入する欄があるので、事前に控えておくかすぐに検索できるようにしておきましょう。

③健康保険証(写しでいい場合もあるが原本が確実)

④マイナンバーの分かるもの
申請書にマイナンバーを記入することがありますので、番号の分かるものを持参しましょう。

⑤「世帯」の所得状況が確認できる書類
上述したように世帯の所得状況によって負担金額の上限が異なります。そのため、所得状況が確認できる書類が必要になります。自立支援の申請窓口とは異なりますが、役所で発行できます。

基本的には上記5点が揃っていれば問題なく申請ができますが、必要書類が自治体によって異なることもありますので、事前に確認することをおすすめいたします。

少し手間ではありますが、抜けや漏れによって一回で申請が終わらないのに比べれば遥かに楽なので、担当窓口に電話で確認しましょう。

必要な書類や申請の流れについて、詳しく教えていただけます。

さて、申請が終わったのであとはクリニックや薬局で自己負担の減額を受けるだけです!

◆受給者証が届き次第クリニック、薬局で適用(申請書控えでも適用される場合あり)

役所での申請が済むと、記入した申請書の控えが貰えます。受給者証が発行されるまでは、この控えをクリニックや薬局に提示することで、自立支援医療の適用を受けられる場合もあります。

ただし僕の通う薬局のように、受給者証の原本が届くまでは3割負担となり、後で受給者証を提示すれば返金ということもありますのでご注意ください。

受給者証が届いた後は、申請書の控えではなく受給者証の原本を毎回提示しましょう。提示をしないとその回の減額が受けられないことがあるので、忘れないように気を付けましょう。

自立支援医療制度のよくある疑問や注意点 ~FAQ~

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ここまでお読みいただいたあなたには、自立支援医療制度のメリットと申請から適用までの流れをおおよそご理解いただけたと思います。

ここからは、細かな自立支援医療の疑問や不安を解消すべく、よくある質問や注意していただきたいポイントをお伝えします。

ぜひ、あなたの不安が払拭されれば嬉しいです。

◆適応障害でも本当に適用される?

問題なく適用されます。自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の治療のために通院されている方が対象となります。(年齢や通院期間、診療科は問われません)

ご不安な場合は、主治医の先生に自立支援医療制度の申請をしたい旨をお伝えし、診断書を発行していただけるかご確認ください。

◆どこの病院でも適用できるの?

適用が受けられるのは都道府県が定めた「指定医療機関」のみです。メンタルクリニックの多くは該当しますが、念のため事前に確認しておきましょう。また、申請の際に病院と薬局名を記入します。適用されるのは記入した病院・薬局のみとなります。

※例えば心療内科と内科を併設している病院で、内科の診察を受けた場合は、精神通院医療の適用外となり通常の3割負担となります。

◆カウンセリング治療は適用の対象?

自立支援医療の適用となる医療の範囲は、病院又は診療所に入院しないで行われる医療(外来、外来での投薬、デイ・ケア、訪問看護等)です。

カウンセリングや入院費用、診断書の発行費用などは適用の範囲外となりますのでご注意ください。

◆有効期限はあるの?

1年ごとの更新が必要で、有効期限終了の3か月前から更新の手続きが可能です。診断書は2年に1回必要になるので、初回更新時には必要ありません。

更新を忘れてしまうと、再度初回と同様の流れで申請が必要となりますので、継続して適用を受けたい場合は余裕を持って更新手続きを行いましょう。

◆受給者証はいつ届くの?

申請より1~3か月かかります。それでも届かない場合は担当窓口に確認しましょう。

◆返金手続きに必要なものは?

申請書の控えでは適用されない病院や薬局では、受給者証が届いた後で返金手続きが必要となります。

その際、受給者証の原本・自己負担上限管理票・領収書の3点が必要となります。別途必要なものがあるかどうかは、病院・薬局に直接お問い合わせください。

◆本人が申請しに行くのが難しい場合は?

代理人による申請も可能です。ただし、本人が書いた委任状や代理人の身分を証明するものなど、必要書類が通常より増えますので、担当窓口にご確認の上、申請手続きを行ってください。

◆転院したので適用を受けるクリニック・薬局を変更したい

申請した担当窓口にて変更の手続きを行ってください。転院前に変更手続きを行えば、初回診察時から適用を受けることができます。

診察を受けてから変更手続きをした場合、自立支援医療の適用は受けられず、通常の3割負担となりますので、ご注意ください。

よくありそうな質問をざっとまとめてみました。もし、他にも気になる点があれば、コメント欄で遠慮なくご質問ください。

最後に:自立支援医療制度を活用して適応障害の通院によるお金の不安を軽減しよう

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さて、ここまでですが、
・自立支援医療制度の概要・申請するメリット
・実際の金額の変化
・申請から適用までの流れ
・FAQ

という形で書いてまいりました。

長くなってしまったので、簡単に振り返っておきましょう。

まず自立支援医療(精神通院医療)とは、「精神疾患による通院が必要な方は継続的な医療費の負担がかかるため、自己負担額を減額したりひと月にかかる医療費の上限を定めたりして、あなたの負担を軽減しますよ」というものでしたね。
そして、健康保険の適用で3割負担だった医療費が、自立支援医療の適用で原則1割に減額されるという大きなメリットがありましたね。また、世帯の所得や重度かつ継続に該当するかによって上限額も定められるので、負担が過大なものにならないようになっております。
また実際に申請した僕の医療費は、計算上では月6,840円も減額されており、大きな効果を感じています。
申請には、医師の診断書と役所での書類記入・提出が必要です。受給者証の原本が届くまでには少し時間がかかりますが、申請書の控えの提示で適用がすぐに受けられるところもあります。また、即時適用されなくても後に返金を受けられるのでご安心ください。

複雑だし手続きに手間もかかると感じる方もいると思いますが、医療費の負担を軽減できるのは非常に大きいです。

適応障害の療養にはそれなりの期間もかかりますし、必要に応じて服薬することも大切な治療の一環です。

そうなると、どうしても費用はかさみます。

お金の不安は「働かなきゃ」「早く治さないと」といった焦りを生みます。少しでも経済面の負担を軽くして、療養に専念できる環境を作ることは適応障害の治療において必要不可欠とも言えるでしょう。

この記事をお読みいただいたあなたが、自立支援医療制度を知り、申請するきっかけとなったり、経済的な不安が少しでも和らいだりすれば非常に嬉しく思います。

では、今回はここまでとさせていただきます。

お読みいただき本当にありがとうございました!

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