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Talking Heads - Heaven -

あれは大学一年生のときだったから、85年かな。心斎橋パルコの最上階で「ストップ・メイキング・センス」を観た。2回観たんよね、確か。
一曲目の「サイコキラー」で全身を打ちのめされた。なんてカッコいいオープニングなんだと。こんなに美しく前衛的かつビートに溢れたサウンドをリズムボックスと生ギターだけで作っちゃうのかと。

そもそもはじめて弾いた楽器は生ギターだったけど、高校生のあいだはずっとベース弾いてて。でもこの「サイコキラー」を聴いて、自分はこの後も生ギターを引き続けるなと、そんなことをぼんやり思ってた。

高校時代にジャコパストリアスに出会って以降、ジャズ一辺倒だった自分がビバップ、モード、フリージャズと聴き進めていくうちに「なんか自分って本当にジャズが好きなのだろうか」という疑問を抱き始めたことがあり。

そんな時にプリンスとかデイヴィッドボウイとかポリスを聴いて、なんかここら辺の音楽、凄い格好いいんだけど、と思い始めてもいて。そんなタイミングでこの映画に圧倒的に影響を受けてとどめを刺された感じ。「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミが監督だったと知るのはもう少し後の話。

2曲目がこの「ヘブン」なんですよね。ティナ・ウェイマスが登場して二人で奏でる。シンプルだけどいい歌。学生時代に変な劇団とバンドをくっつけたような集団にいたことがあり(何言ってるかわかんないな)、その公演でも最後にこの曲を歌った。

オリジナルはアルバム『Fear of Music』に収録されている。ある意味トーキングヘッズの中では異色な曲かも。でもこの曲の、何もない空っぽの天国の感じが、凄く美しいと思ってて。

何も起きない天国のバー。

80年代ぽいと言えばそうなんだけど、それ以上に普遍的な響きを感じる。

その映画のワンシーン

Everyone is trying
To get into the bar
The name of the bar
The bar is called Heaven
The band in Heaven
They play my favorite song
Play it once again
Play it all night long

Heaven
Heaven is a place
A place where nothing
Nothing ever happens
Heaven
Heaven is a place
A place where nothing
Nothing ever happens

There is a party
Everyone is there
Everyone will leave
At exactly the same time
It's hard to imagine
That nothing at all
Could be so exciting
Could be so much fun

When this kiss is over
It will start again
It will not be any different
It will be exactly the same
It's hard to imagine
That nothing at all
Could be so exciting
Could be this much fun

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