失ったあとに訪れる過程
愛する人を失った時と、
愛する人の命を失った時に訪れるプロセスは
どこか似ている気がした。
愛する人に永遠に会えないか、
同じ空の下に生きているかの違いは
大きいかもしれないけれど。
どちらも関係が断絶し、自分の心を喪失する
ところは一緒だと思った。
「死ぬ瞬間」の著者、エリザベス・キューブラー・ロスが唱えたモデルの「喪失の5段階」は失恋から立ち直るプロセスとしてもよく語られている(順序の入れ替わりはある)。
それは、否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容
だと言われている。
失恋においては、
別れの理由を探したり、別れを否定する
関係を取り戻すために努力するが、
虚しく終わり深く悲しむ
自分や相手や第三者などに怒る
別れを受け入れ、深く悲しみ引きこもる
時間薬とともに立ち直る
そして、
グリーフケアと言われるプロセスは、精神科医コリン・マーレー・パークスの『Bereavement: Studies of Grief in Adult Life(死別:成人期における悲しみの研究)』という論文発表後に、確立したといわれるもの。
失ったことに呆然とし感覚が麻痺する、ショック期
失った現実を受け入れはじめ、
深い悲しみの感情に揺さぶられる、喪失期
失った現実を受け入れたために、
罪悪感や怒り、混乱、絶望を感じる、閉じこもり期
それらの経過をたどり、心が回復する再生期
いずれも、こころが回復するまでに
たどるプロセスがある。
どの段階も心の奥底で、
強い痛みを伴うものだろう。
終わりの見えなさに苛まれることもある。
それでも必ず終わりはやってくる。
大切なのは、悲しみは消したり、隠したりする
べきものではなく、
抱き続けたまま生きて良いものだということ。