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ヒューマンカインドの読書メモ その2

5-6
◎人類は文明出現まで仲が良かった?
・外界と断絶されている民族に、人が殺し合う映画をみせたら、これは現実にあることなのか?と問われた。
・コロンブスが、見知らぬ自分たちにも、惜しみなく食べ物などを分かち合う民族に出会った時、いい召使いになるぞ!と考え、奴隷貿易を開始(人間を家畜化)。
これは自分たちの民族がピラミッドの頂点に立っていると思っているからできた所業なのか?(ナチズムもアーリア人が進化論的に全ての人種の中で優れていると思い、その他の劣った種を残すまい、血が交ざる可能性を排除したいとユダヤ人を殲滅しようとした)

◎狩猟採集民
・他者に支配されないことを重視。
強いリーダーはいても、人々を支配するには及ばなかったらしい。

・大型動物をしとめても、そこまでないよ?と謙虚な態度。プライドが高いゆえ、人を殺す人があらわれる。だからこそ、謙虚さは大事にされていた。結果、この頃は穏やな人が多く子孫を残していけた。

・友達が多いほど、人は賢くなっていった(情報源は人伝えしかなかったから?)

・村の乱暴者を殺す時は、数人で毒矢を吹き、大人全員で槍を刺し、全員で殺しの責任を負う民族もあった。

・男女平等であり、みんなで子育て。2名以上の伴侶がいる、または代わることも普通だった。子どもはみな民族全員の子。全ての大人への信頼の中で子どもは育つ。
・この頃の歴史の大半は分かち合いと友情。

◎定住と農業のはじまり
・氷河期がおわり、種を撒くだけで作物を収穫できる豊穣な大地をみつけた。定住することで家や神殿がなど所有物が増えていった。共有のものでなく、個人の所有物が増えることで個別化が始まり、貧富の差が生まれた。

・所有物は見知らぬ人々への不信感も生んだ。さらに、人口がどんどん増え、農業を年中しなければならない負のスパイラルが生まれた。

・世界主義者から外国人恐怖症になっていく(ちょうど見かけた番組でも、定住により遺伝子の多様性が失われることは、人類を絶滅の道へ進ませているのではと言う風にあった)

・戦争時のリーダーが平和な時のリーダーにもなるようになり、人々は王の奴隷になっていった。

・狩猟採集の時代は、自然から与えられていた食べ物で生きていたのに、農業と定住が生んだ貧富の差や人口増加は、人々を働いても働いても食べていけないような状況をつくった。(あるものを使うのではなく、ないものを生み出しはじめる)。

・定住により土地などの所有物を持ったことで、争いが増えていく。

・定住による惨事は、神の怒りなどであらわされるようになった(戒律や特定の神をもった宗教誕生に繋がる)。

・ある段階で、狩猟採集のやり方を忘れ、その生活に戻れなくなった。

・はしかや梅毒などの感染症は
人が定住し始めたことで生まれた。
定住により家畜や人間の不衛生な排泄物の傍で暮らすようになったこと、獣姦による感染。

●進化することで失ったものは何か。
進化は私たちに幸福を約束しているわけではないのかもしれない。ルールが増え、守られるものが増える一方で、がんじがらめになり病んでいく心があることも忘れてはいけない。

白くしようとすればするほど、生まれる闇もあるかもしれない。人の身体的生存率が上がっても、精神的な健康は損なわれていないのか。精神的な健康が損なわれれば、それは犯罪や自殺に繋がることにはならないのか。