想いを一筆にのせて
廊下に飾られたひとりの女性
油絵具の色、
その一筆、一筆にのせられている
彼女を包むやさしい空気と透明感
彼女のその佇まいに
その柔らかな表情に
昔から憧れていた
髪の色がブランドだから、
旅好きなあなたがどこかの教会で出会った
女神さまを描いたのかなとも思っていた
あなたは、
絵のことだけは多くを語らない
絵には人の魂が宿る
その命の輝きが宿る
あなたたの描く線はとても柔らかい
あなたの使う色はとても温かい
かつてのあなたが、伝わってくるようだ
ふたたび筆をとることがあったなら、
あなたは何を描くだろうか
今のあなたの筆は、何を物語るだろうか
あとがき
父の日をむかえて、あなたに贈る