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音緒浪漫 大正浪漫なコンサート編

音緒浪漫ではコンサート・イベントを実施。
今回の公演はアレンジをした楽曲を中心に演奏します。
それぞれの楽曲の選曲理由や背景を大紹介していきます!

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編成について

今回の編成はオーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの四重奏。
最初は、弦楽四重奏(ヴァイオリン×2、ヴィオラ1、チェロ1)の編成でもいいかな〜と思っていたのですが、オーボエが入った方が、どこか異文化らしくより感じることができるのではないかと思いこの編成になりました。

楽曲紹介

まずは今回の編成らしくお届けするために選んだ楽曲がこちら

Oboe Quartet in F major, K. 370/368b  /  Wolfgang Amadeus Mozart
オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K. 370 (368b) W.A.モーツァルト

 1781年作曲にモーツァルトが作曲した作品。
オーボエの独奏と弦楽のための四重奏曲です。
 当時、偉大なオーボエ奏者であったといわれるフリードリヒ・ラム(1744-1811)のために書かれた作品。この作品を書く3年前にモーツァルトは、宮廷楽団のラムと出会い、オーボエ協奏曲ハ長調(K.314)を書いています。ラムは14歳という若年でオーケストラに入り、表現の豊かな音で他を圧倒し、独奏者として、ウィーン、ロンドン、ベルリンのような遠方の土地を訪れ、国際的な生きたキャリアを身につける贅沢を選帝侯から許されていました。
 旧知の名演奏家たちと1781年にミュンヘンにて再開し、この「オーボエ四重奏曲」はその四ヶ月間のミュンヘン滞在中に書かれました。
(梶本大雅)


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G線上のアリア

 バッハの管弦楽組曲第3番BWV 1068の中のアリアの一曲で、バッハの代表曲の一つとして広く知られています。
 この曲は、バロック時代において一般的であった器楽曲の中でも、特に美しい旋律と豊かなハーモニーが印象的な曲として有名です。曲のタイトルの「G線上」は、ヴァイオリンの1番弦の音を表すG音のことで、曲の冒頭で美しいヴァイオリンの旋律が奏でられます。
 曲は、アリアという形式で作られており、4つの主題が繰り返し現れます。この曲の美しさは、単純な旋律の反復にあるのではなく、豊かな音響や和音進行によって表現されています。オーケストラ全体で深い響きを出すために、弦楽器が多用され、さまざまな音色の変化が取り入れられています。
 「G線上のアリア」は、その美しさと親しみやすさから、クラシック音楽を初めて聴く人にもお勧めの曲として知られています。

大正時代をテーマなのになんでこの楽曲なのか?!という楽曲だと思います。この楽曲を選んだ背景には大正時代と、クラシック音楽という関わりに目を向けています。大正時代は西洋の楽器を自ら演奏する人口が増えたタイミングです。そのため楽譜の出版会社が立ち上がり、多くの方がクラシック音楽を演奏することで楽しんでいたのです。

 大正時代に一世を風靡したセノオ楽譜出版社は、多くのクラシックの楽曲の楽譜を出版していました。今回、このG線上のアリアも、セノオ楽譜出版社から、セノオバイオリン楽譜No.514 1920年初刊として出版されています。大正時代の人たちが、音楽を親しむ中で演奏されていた楽曲を今回はみなさまに楽しんでもらえたらと思います。
(梶本大雅)


ベルガマスク組曲

1890年頃に作曲され、1905年に改訂版が出版されたクロード・ドビュッシーのピアノ独奏曲作品集です。
第1曲「プレリュード」、第2曲「メヌエット」、第3曲「月の光」、第4曲「パスピエ」の4曲で構成されており、特に第3曲目の「月の光」はドビュッシーの作品の中でも最も知られている曲ではないかと思います。

ドビュッシーは19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの作曲で、長音階・短音階以外の旋法と機能和声にとらわれる事のない自由な和声法などを用いて作曲し、特に日本との関わりも深い作曲家と言われています。
なぜ日本との関わりがあるのかというと、ご存知の方も多いかと思いますが、ドビュッシーが生きた時代は、フランスでジャポニスムが大変流行していました。そのきっかけの一つがパリ万博で、1855年を皮切りに67、78、89、1900年と開かれていました。そこに出品された浮世絵や工芸品などがフランスの芸術家たちに大きな影響を与え、ドビュッシーも同様にジャポニスムにはまり、後に作曲した管弦楽曲「海」の表紙に葛飾北斎の『富嶽三十六景』の一つ「神奈川沖浪裏」が使われたりもしています。
一方日本では大正時代の時代背景として西洋文化の影響があり、それまでの日本文化と西洋との融合というのが一つの特徴にあると言えます。
ベルガマスク組曲の4曲の中で、特に終曲の「パスピエ」の舞曲を私たちの今から見た大正時代のイメージとリンクさせてアレンジしております。ドビュッシーが作り出す教会旋法による美しいメロディやハーモニーを新しい解釈でお楽しみいただければと思います。
(妹尾怜奈)

管弦楽曲「海」の表紙に葛飾北斎の『富嶽三十六景』の一つ「神奈川沖浪裏」が使われた

からたちの花の主題による変奏曲

山田耕筰の有名な歌曲「からたちの花」を主題に、大正時代から現代の音楽までを見据えたヴァリエーションを書きました。

 からたちの花は、詩人 北原白秋が詞を、作曲家 山田耕筰が曲を手掛けた唱歌です。1925年(大正14年)に発表され、日本のみならず、世界中で愛されている作品のひとつとなっています。題材となっているからたちは、春に白い花を咲かせることで知られています。

 そしてヴァリエーションとは日本語で変奏曲といわれ、主題をもとにさまざまな変化を遂げることが大きな特徴である作曲技法のひとつです。
 今回の作品では、主題とする「からたちの花」を最初に今回の編成版で奏し、そのあと4つの変奏が続きます。4つの変奏は、彼が留学した時代から現代までのクラシック音楽の変容を追いかける形で構成されています。

 からたちの花がみせる様々な表情を、お聴きいただけますと幸いです。
(出納真由)

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大正メドレー

 大正時代の流行歌を中心としたメドレー作品です。
楽曲は、東京節、ペチカ、赤い鳥小鳥、かなりや、カチューシャで構成されています。

 原曲に寄せた安心感や安堵感、大正時代の活気などにプラスして、「文化の融合」をコンセプトに仕上げています。
所々異質な和音を散りばめたり、調性のグラデーションを作って多彩な世界文化が入り混じっている大正時代の様子を表しているのが魅力です。

(鳩山冴映)

それぞれの楽曲にとても魅力がありますので、是非、コンサートにてお楽しみくださいませ!!

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