見出し画像

『取材・執筆・推敲』を読んで。

読み終わった。
ひとことで感想をいうとこれ。

映画か!! 

著者の古賀さんのファンなので、役に立つことは100%確信していたけど、まさかこんな感想、いや、こんなつっこみをするなんて。まったく想像していなかった。

21万字、500ページという分厚さ。漢字6文字の潔すぎるタイトルに、副題には教科書。読むまでは、少々おかたい内容を想像していたのだけど、全然違っていた。驚くぐらい、するする読めた。そしてワクワクしながら読んだ。伏線あり、それをちゃんと回収して、驚きもハラハラもあった。そして最後には勇気をもらっていた。

それはまるで、映画『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』を見たときと同じ感覚だった。その世界に入り込み、楽しみ、気がつくと、架空であったはずの世界が現実にしみでてきて、日常の景色を変えていた。


実際、この本は、終盤にかけて映画のごとくどんどん盛り上がってくる。そのなかで、この言葉は効いた。ハリーの呪文のごとく、ガンダルフの名言のごとく、あざやかな言い回しで、世に光を放ち、核心をズバッとついた。

文意とは表現が強ければより伝わりやすくなる、というものではない。大声で叫ぶことよりも、正しく発音することのほうが重要なのだ。


そして、この文も。

思い出してほしい、あなたはなぜ、ライターになったのだろうか。――あなはなんとなく、これといった根拠もなしに、「自分にもできそう」と思ったのだ。だからライターをめざし、ライターになったのだ。――そう、ライターをめざしたり名乗ったリしている時点ですでに、あなたは根拠なき自信家なのだ。――「限界のもう1メートル先」まで潜らせてくれる命綱がある。自信だ。根性でも、才能でも、編集者でもなく、自らを信じる気持ち、自信だ。――よき自信家であろう。迷いのない文章を書き、自分を信じて推敲に臨もう。――まったく図々しく、見当違いの自信ではあるが、それこそがもっとも大切な、最後の拠りどころなのである。

しびれました……。きっと多くのライターが、ここまで読んでうちのめされ、そしてこの文を読んでまた歩き出しただろう。

この本、友に読んで欲しい。それは、この本が役に立つからすすめたいのではなく(もちろん役に立つけど)、この本について一緒に語りたいからだ。それは映画をみたあと、感想を話したいのと同じ。

友よ、語りませんか。

:::

画像2

マレーシアのおやつ、カレーパフ。インドのサモサに似たおやつで、サクサクの生地のなかに、カレー味のじゃがいもが入っている。ジャンナさんの手作りで、特徴は小ぶりなこと。それはジャンナさんの故郷、マラッカのスタイルだ。スイートチリソースをつけて食べれば、さらにうまし。本を読みながらカレーパフを食べるって至福。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集