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【美術館を味わう⑧】非日常的な日常に憧れを抱く/ソウル旅行記

今年のGWはみなさん何をして過ごしただろうか?私はというと、少しだけ日常がバタバタしていたので、旅行も行かずに東京周辺で細々と過ごすことに決めた。それにちょうど2週間前くらいの金土日にソウル旅行に行ったので、それもありGWの旅行は諦めたのだ。ただSNSを見るとみんなが旅行に行っているのがとても羨ましく感じる。
ずるい、いいもんね、ソウル楽しかったもんね。という気分でソウル旅行を振り返りたい。

行こうと思ったきっかけ

コロナ禍、家から出られずに暇を持て余す中で、誰しも新しい趣味みたいなものを一つは見つけたのではないだろうか?
私はというと色々手をつけてみては飽きてやめてみたいなことを繰り返していたが、一番ハマり、そして寂しい時、楽しい時、色々な瞬間を共にして今現在でも大好きなのが「BTS」である。BTSをきっかけとして、韓国のカルチャー自体にも興味を持ち、韓国ドラマや洋服、音楽など詳しい方に比べたら〜というくらいではあるが、それなりに楽しませていただいた。
ちょうどBTSのメンバーの入隊でARMYが心をざわざわさせている中、私は念願の韓国旅行に行くことができた。

今回の旅行はどうしてもここに行きたい!これが見たい!という場所が実はなく「あの憧れのソウルの空気を吸いたい」が一番の目的だった。ふらふらと色々な場所を散策して、その中で一つの美術館と一つのギャラリーを訪れた。その話を中心に書きながらソウル旅行自体の感想にも触れたい。

旅行計画

まず自責の念もこめてお伝えしたいことがある。韓国の美術館・ギャラリーは予約制が多い。今回訪れた2箇所も予約制だったのにも関わらず、私は知らずに渡韓してしまい現地で予約をとった。たまたまキャンセルが出て翌日の予約をとることができたが、事前に予約をしておくことをお勧めする。

さて今回2泊3日の旅行だったのと、美術館以外にも行きたい場所があったので、美術館1箇所とギャラリー1箇所に絞って訪れた。
調べてみると今韓国のアートシーンはとても盛り上がっているようで、話題のギャラリーや行ってみたい美術館がたくさんあった。ただ高校生以来のソウルということもあり、代表的な場所で企画展に興味があった【リウム美術館】【国際ギャラリー】の2箇所に訪れることにした。

ざっくりの2泊3日の行動計画も残しておく。宿はカロスキルにとっていた。
1日目:金浦空港着→そのまま弘大散策→宿着→聖水洞散策→東大門の焼肉
2日目:明洞散策(ランチ)→景福宮周辺を散策【国際ギャラリー】→カロスキル周辺を散策→カロスキル周辺でディナー
3日目:【リウム美術館】→金浦空港付近のロッテモールでお土産→帰国

それでは、それぞれ美術館について話していきたい。

美術館① リウム美術館(삼성미술관 리움)

ソウルの現代アートの美術館といえば、リウム美術館が一番有名なのではないだろうか。アニッシュカプアの屋外アート、オラファーエリアソンの光のインスタレーションはSNSでもよく目にする。(この二つは予約なしでも見ることができる)

3棟に分かれていて、それぞれ著名な建築家の方が設計しているこの美術館は、現代アートだけでなく、伝統美術まで1箇所で楽しめてしまう。ただ予約はそれぞれの展示について必要なので要注意。
事前予約があれば展示は無料で観れる。このレベル、この規模の展示が無料で見れるなんて、東京ではまずない。さすがサムスン、恐るべし。
私は現代アートの展示されているMuseum2の企画展、マウリツィオ・カテランの展示をみた。

展示については、展示数も然り、展示方法も然りで、彼の作品を満喫できるとても楽しい展示だった。展示室の中に不規則に並べられた作品には、間近まで近づいて見ることができる。(値段を考えると怖いくらい笑)彼の展示は日常の中に馴染めば馴染むほど面白いと思う。その面白さを美術館という環境な中でも存分に味わうことができた。

そして美術館について、大規模なのはもちろんのこと、入り口から宮島達男のアートで出迎えてくれたり、エンターテイメント性の高い美術館だった。ギャラリーショップも充実していて、エントランスも広い。この美術館はナムジュンパイクなどの韓国作家の作品はもちろんのこと、マークロスコやジェフクンズなど海外アーティストの作品も多数所蔵しているので常設展の時にまた訪れたい。

美術館② 国際ギャラリー(KUKJE GALLERY)

韓国のギャラリーに1箇所行ってみたいと思った。雑誌に載っていたギャラリー、アートフェアに出ているギャラリー、RMが訪れたギャラリーなどいろいろ探してみて、企画展で李禹煥だったのでここに決めた。


このギャラリーの一番の良さは「心地の良さ」だと思う。窓も大きく外に開かれていて、とても気持ちがいい。このギャラリーでずっと微睡んでいたい。そんな気分になるギャラリーだった。

李禹煥の余白の美が綺麗に表現されていた。一切日光が入らない外と遮断された空間。外と繋がっているような大きな窓がある空間。それぞれ全く違った空間で、それぞれアートが映えている。

新作のドローイングも見ることができて、大満足。釜山にもあって、いまジュリアンオピーの展示をやっているらしい。いつか釜山旅行に行った際も訪れたい。

おまけ Kompackt Record Bar

美術館やギャラリーではないけれど、この旅で印象的だった場所を紹介したい。「Kompackt Record Bar」というレコードバーで、ソウルに3店舗ほど構えている。最近は、東京でポップアップやイベント参加などもしている。気に入りすぎて、二晩とも訪れた。店内の音響が素晴らしく、音楽に包まれながらお酒を飲むことができる。

二晩目に訪れた際に、私たちに合わせて山下達郎を流してくれたのだが、その後から流れたDr.Dreにノリノリだった私たちを見て、Hiphop祭りが始まった。海外の観光客とも、選曲でコミュニケーションを取ってくれて、とても楽しかった。

このバーのステッカーには、「Every Damn Day」と書かれている。「クソみたいな毎日だぜ」みたいな意味。こんなバーが近くにあったら、そんな毎日もいい日になっちゃうよなあ、と近所の人が羨ましくなってしまった。

まとめ

今回のソウル旅行で「ソウルのカルチャーと暮らすこと」を疑似体験できた気がする。ギャラリーやバー、カフェなど日常的に訪れることのできる場所がとても刺激的でセンスがいい。そんな私にとっての非日常を、日常として送っていることにとても羨ましく感じた。嫌なこと、大変なことばかりの日常がとても豊かになると思う。
一方で、日本にもいいギャラリーはあるし、いい企画展もある。それに全部は行けていない自分もいる。これからはもっと貪欲に日本のアートシーンにも食らいついていきたいな。と身を正されるような思いだった。

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