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今さら聞いて、フレッシュに感動しちゃった3曲

「なんとなく名前は聞いたことあるけど、ちゃんと聴いたことないな」って曲、ないですか?
わたしは、結構ある。
これだけ世の中に音楽が溢れていれば、当たり前のこと。

新譜ではないけれど、わたしが今週、人生初聞いて「えー!!!」となった3曲を挙げてゆく。

METAFIVE - 環境と心理 -

2020年7月リリース。
METAFIVEは、高橋幸宏 、小山田圭吾 、砂原良徳 、TOWA TEI 、ゴンドウトモヒコ、LEO今井による音楽ユニット。
2014年に一夜限りのユニットとして結成されたが、2015年に再始動。
2021年にはフジロックフェスティバルに出演、2022年にはアルバム「METAATEM」がリリースされたが、残念ながら2023年に高橋幸宏が急逝。

とにかくすごいメンバーが集まってたユニット。

シティポップの糖衣がまぶさった、夕暮れ時に聞きたい良曲。
小山田圭吾、高橋幸宏、LEO今井と、温度を感じさせないボーカルがリレーされていく。
楽曲は現代的なおしゃれさがあるのに、ポップさは失わない。

この曲は小山田圭吾・作だけど、高橋幸宏がこのユニットにいなければこんなポップ感は出せないのでは。
それくらいには高橋幸宏という存在の偉大さを感じてしまう。

抜けの良いトラックに気持ちよく身を委ね、少しの間、リアルの世界から逃避できる。

ゆらゆら帝国 - 学校へ行ってきます -

2007年10月リリース。
伝説的バンド、ゆらゆら帝国のアルバム「空洞です」に収録の一曲。
ゆらゆら帝国は、1989年に坂本慎太郎を中心に活動開始。
1992年にはインディーズレーベルにて1stアルバム「ゆらゆら帝国」をリリース、1998年、アルバム「3×3×3」でメジャーデビュー、2007年にアルバム「空洞です」をリリース。
2008年、園子温監督作「愛のむきだし」に、「空洞です」を含む複数の楽曲が使われた。
2009年、解散。

坂本慎太郎に「学校へ行ってきます」と言われたら、「たぶんなんか起きるな」というときな臭さ、あるいはいやな予感がはなからする。

淡々とした坂本慎太郎の語り。
ディストーションのかかったような電子音。
尺八の伸びやかな音色。
不穏なのに、不思議に調和してる。

怖いのに、聞いちゃう。

だんだん坂本の語りが曲の中に吸い込まれていく。
自分まで吸い込まれていきそう。
あれ、学校へ行こうとしてたのに。
別の世界に着いちゃったよ。

”怖いもの見たさ"って、不思議な心理だな。
果たして、”怖い”の裏にあるほんとの気持ちってなんだろう。

Autobahn - kraftwerk -

1974年リリース。
ドイツのテクノユニットkraftwerkが発表したアルバム「Autobahn」の表題曲。
現代音楽のいちジャンルとして捉えられていた電子音楽を、大衆レベルに広めた歴史的な作品。
2014年・2015年・2018年に「グラミー賞」を受賞、2021年「ロックの殿堂」入り。
BUCK-TICK、電気グルーヴ、POLYSICSなどの日本のアーティストにも影響を与え、現在に至るまでジャンルを問わない影響力を示し続けている。

フジロックのヘッドライナーをkraftwerkがやったというから、「そういやちゃんと聴いたことない」と思い、手を伸ばした。

高速道路を走ってるイメージって、どんなものですか?
個人的にはテクノのイメージがあまり強くなく、聴いてみたらちょっとぶっ飛ばされた。

テクノ特有の、あの冷たい肌ざわりがなく、不思議とあったかい音色を感じる。
ちゃんと、「車が次第に加速し、高速道路を順調に走ってる」というのがイメージできる。
全然古くさく感じないし、こんなのを1970年代に作っている。

純粋に尊敬だし、「なぜ今まで気づかなかったんだろう!バカ!」と自分をのろう。


そういえば、宇多田ヒカルが「リリースの新旧によらず、その人が触れて初めて感動した時が新譜」みたいなこと言ってたらしい。

素敵なこと言うね。
知らなかった曲をちゃんと聴くと、自分のなかに、あたらしい感情が芽生えてくる。

わたしはたまに、こういうのを眺めたりしています。


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