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凸凹クッキング~発達障害✕料理~

前に、”料理学校を首席で卒業してレストランに就職したが、厨房が忙しすぎてうつになり辞めてしまった人の話”を聞いた事がある。
その人はその後引きこもりになり、病院で検査をしたら発達障害と診断された。
今は調理の仕事はせずに、障害をオープンにして無理のない仕事に就いているらしい。

HSPや発達障害者が慌ただしい調理場で働くのは、難しいのかもしれない。
マルチタスクが多くなったり、色んな音が耳障りで集中出来ないからだ。
しかし、味覚の鋭敏さや、こだわりや発想力が料理に向けばとても美味しい料理を作れそうで、発達障害者、HSPの飲食店は魅力的にも思える。

さて、僕に「料理は好きか。」と問われれば、不器用なのでそこまで好きではない。簡単な料理なら作れるが、特に洗い物が億劫で面倒なのでやりたくない。作りながら片付けられればいいが、マルチタスクが苦手なので難しい。

ただ作るとなれば、味にはけっこうこだわる
今回は、ハッシュドビーフを作る時のちょっとした工夫と、こだわりについて話そうと思う。カレーにも使える。

①具材の加工

僕は食材を切るのにはそこまで苦労しないが、ジャガイモの皮を包丁で剥くのがとても苦手だ。初めて作ろうとした時にとても苦労して、ピーラーでやってみようともしたが、デコボコして刃が上手く通らなかった。
そこで僕は”普通”のやり方をやめた。
初めに芽を抉ってから、皮を剥かずに四等分に切って他の具材とは別で茹でる。そうすると、とても簡単に手で皮が剥ける。じゃがいもは他の具材と比べて溶けやすいので、出来たあと最後に入れれば溶けずに済む。
タマネギは具材用に切ったものとは別に、細かくみじん切りにしたものを用意する。みじん切りにしたものを飴色になるまで炒める。みじん切りにして少しだけ焦げた玉ねぎは、ルーに溶けて甘みとコクが出る。

以上が具材を切る時の僕の工夫とこだわりだ。

②ルーへのこだわり

市販の固形ルーを使うが、僕はさらにそこへ”うま味”を足す。
”うま味”とは、「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」3つのうま味成分の事である。
グルタミン酸はトマトに多く含まれている。僕は具材を炒めた後にトマトを切って潰したものを入れている。ホールトマトかペーストトマトを使うとより楽だ。トマトに水分が多く含まれているので水をあまり入れなくて済み、またペースト状にしたトマトが少しとろっとしているので、ルーを一晩置かなくてもとろみが出やすい。さらさらしたルーが好きな人は水を分量通り入れたほうがいいかもしれない。
イノシン酸は魚に多く含まれている。僕はカツオ出汁のめんつゆを隠し味程度に入れている。市販のだしの素でもいいかもしれない。一度削り節から出汁を取った事もあるが、少し魚の臭みがルーに出てしまったので個人的にはおススメしない。
グアニル酸はシイタケに多く含まれている。僕は乾燥シイタケをおろし金にかけて粉末状にして入れている。ちなみに近年シイタケは海外でもうま味成分が多く含まれている食材として注目されて使われているらしく、うま味成分はUMAMIと言うらしい。ためしてガッテンでやっていた。

これら三種のうま味成分をかけあわせると、うま味は相乗的に強くなり美味しくなる。

余談だが、僕は料理を作る前に「美味しいとはどういう事だろう。」と考えた事がある。そして「うま味成分を多く含むものを入れれば、少なくても不味くはならないのではないか。」と仮定し、成分を多く含む食材について調べ、料理に合うものを入れる様になった。
手は不器用だが、少し論理的な考えでカバーして美味しくするのが、ASDっぽいと自分では思う。
そして、料理が理屈である程度美味しく出来たという結果から推察するに、
料理は「愛情」ではなく、「科学」である。
ただ、愛情説にも一理あると思う。「この人に美味しく食べてもらいたい。」という気持ちから、「どうすれば美味しく出来るか。」と考える事もあるからだ。

③仕上げのこだわり

仕上げに僕は豆乳、コーヒー、バターを少し入れて味を整える。
豆乳は味をまろやかかつクリーミーにしてくれる。柔らかい味にしたい人は少し多く入れると良い。また、大豆にもグルタミン酸が多く含まれているのでうまみが増す。
コーヒーは苦みでコクを引き出してくれる。大人な味わいにしたい人は少し多く入れると良い。ちなみにインスタントでもいいが、挽いた豆のコーヒーのほうがより深みが出る。僕はインスタントの味が苦手だけど。
バターは濃厚なうま味と重厚感を引き出してくれる。脂にもうま味があるが重い。リッチな味わいにしたい人は入れると良い。ただしハッシュドビーフのカロリーがかなり高いので、入れすぎは禁物だ。僕は後に入れず、具材を炒める時の油代わりとして使う時もある。

僕はそれぞれを少しずつ入れながら、味を見て微調整している。
豆乳が多めなのが好み。

この他にも、僕は料理をする前日から準備をする。肉を赤ワインに一晩漬けて、柔らかくしている。
また、敷く油を料理によって使い分けている。中華はごま油、洋食はオリーブオイルを敷く。

最後に以前作ったハッシュドビーフの写真をアップ。
見た目が美味しそうかどうかは人によると思うが、母は美味しいと言ってくれている。
シチューとかカレーって大体作ると多めになるものだけど、僕はそれ以上に沢山作りがちかも(笑)


ハヤシ


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