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模倣と批判精神

2 枚の写真をご覧いただきたい。1 枚目は、某所にてハードロックカフェの模造品、2 枚目は、香港の露店にてトーマスの模造品です。

(写真 1)ハードロックカフェの帽子の模造品。SAVETHEやTHAILANDの表示が怪しい。

(写真 2)香港にてトーマスの模造品。あれこんな顔だっけ?

 これらの模造品は、いわゆるダサいもの達です。それでも、両者を見比べると前者より後者の方がオリジナルに対する批判精神を感じとることができます。顔が西洋から東洋に近づいているようにみえませんか。それに対して前者は、元のSAVE THE やBANGKOK より焦点がぼやけ、粗雑なものとなっています。

 言いたいことは、俳句などの文芸における模倣にもオリジナルに対する批判精神が必要なのだということです。有季定型や客観写生といった師系や結社のブランドばかりを模倣して粗雑な模造品を作るのではなく、それらに疑問や反対する意見をもった上で模倣をする。先人に敬意を払うのは、もっともですが、迎合して批判精神のない作品となるならば、それと異なる形をとった方が良いと思いました。

 ここまで書いて、なぜこれらの商品を買ったのか。このような思いつきを書くため買ったのではなく、その場の空気を楽しむためだったと思います。この空気というものは、やっかいなものですが、新しいものを生む原動力になるようです。そして、帰ってきてからは思索や批判の材料として使用されるのです。

人混みや群れを離れて夏帽脱ぐ

ぎんが

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