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11年目の作業療法士が大学時代を振り返ってみた

『104,277』

これは作業療法白書2021年に記載されている有資格者数です。当然ですが私はこの中の一人です。
世の中的には1年あたり約5,000名程増えております。また、世界的にみても数はアメリカに次いで有資格者数は2位となっています。こんなに沢山いる作業療法士。当然、目指すきっかけは人それぞれだと思います。

大学卒業後、精神科病院で作業療法士として働き、現在は主に養成校の教員として働いている私ですが、今回は私が作業療法士を目指したきっかけ、そして作業療法士になるために過ごした大学生活のことを書こうと思います。
書いてみたら3000文字を越えました。長っ!と感じる方は目次もご活用ください。


この記事を読んでくださる方へ

<同じ業界にいる方>
「あ〜わかる!」「懐かしいなぁ」と共感してもらえることが少しでもあったら嬉しいです。一個人的な体験や想いで書いている記事なので温かい気持ちで読んでいただけますと幸いです。
<作業療法士を目指している方や作業療法士を知らない方>
「こうやって作業療法士になるのか、そんな人もいるんだな〜」と何か考えるきっかけにしてもらえたら幸いです。

高校生時代

遡ること高校3年生。
サッカーをやっていた自分の中で何かプツッと切れた感じがありました。サッカーでこの先進んでいくのは難しいということを日々の練習や大会メンバー外という結果から感じました。
そこで切り替えて次の道(進路)を探しました。当時相談に乗ってくれた家族や監督、様々な人に感謝です。

サッカーに未練が無いと言ったら嘘になります。もっと試合に出たかったし、もっとチームの一員として力になりたかったというのが本音です。
でも力が足りなかった。当時の私は切り替えました。今でも何であんなにスッと切り替えれたかは自分でも不思議です。

そして、進路を決める際に外せなかったのは「サッカー(やスポーツ)に関わる仕事がしたい」という想いです。
実はその想いが2022年に叶いました。
その記事はこちら↓

その他にもソーシャルフットボールに関わらせて頂くようになったりとスポーツに少しずつ関わる機会が増えております。

話を戻します。
高校生なりに考えた結果として、ケガをした人たちの力になりたいというところに着地しました。それは、小学生の頃に右足首の剥離骨折をした時の記憶が大きく影響しました。
そういった内容で職業などを調べるとリハビリ職が出てきます。中でも一番初めに出てくるのは「理学療法士」です。
次いで「作業療法士」や「言語聴覚士」が並びます。(あるあるですよね)

作業療法は高齢者分野や精神障害領域での活躍の場があるといったことが調べた中で多くあり、そこにも興味を示した私は最終的に作業療法士を選択しました。

大学生時代

入学が決まった時点で「作業療法士免許取得」という目指すゴールが決まっているので入学後の4月には「引き返すことが出来ない」という気持ちと向き合っていた気がします。

まず最初に科目履修を自分で選択することに戸惑いました。高校までと違い主体的に決めていくのは難しかったなぁと感じます。
シラバスを読みながら、必修科目、選択必修科目、選択科目などいくつか種類があり何が何だか分からないなりに友達と一緒にマークシートを塗って提出しました。

基礎医学の壁

授業が始まると初めに出くわす壁はやはり基礎医学の科目「解剖学」「生理学」などではないでしょうか?
骨の数や名前、筋肉の起始停止、支配神経、心臓など各種臓器の働き等覚える量がただただ多くて正直しんどかったです。

写真はイメージです

今となれば時々電車の中でも看護学生らしき人が生理学の勉強してる姿を見て懐かしいな、頑張れ!と思ってしまいますが笑

作業活動を学ぶ

次は作業学。骨や筋肉を覚えたと思えば、今度は陶芸や革細工、織物などを行います。何だこのギャップは。でも実は解剖学と陶芸などは繋がっている。
作業療法士は様々な作業活動を治療としても用います。
この授業での課題レポートでは解剖学など覚えたての知識を実践と照らし合わせていきます。
例えば、土を練る時に使う関節、筋肉は?姿勢は?心理的効果は?等幅広い視点でレポート作成に取り組みます。先輩のデータや話を参考に頑張ってレポートを作り提出しました。
(今も授業で行われているこういった活動を臨床現場で行っている作業療法士さんはどのくらいいるのだろうか…)

写真はイメージです

より専門性が高まってくる

そして学年が上がるにつれて各疾患の学習が始まります。また日常生活動作について学んだりします。対象者の生活に目を向ける授業が増えてきます。
同時にこの時期には作業療法士としての対象者への検査・評価や治療についても学びます。
例えば最初に行う実技系で言えば関節可動域の測定、筋力の検査、面接技法などでしょうか。
友達を患者さんに見立て説明から実施するところまで何度も練習した記憶があります。

写真はイメージです

練習量は人それぞれでしたがやはり何度も練習して体で覚えないと身に付かなかった記憶があります。サッカーのリフティングとかと近い感覚ですね。

臨床実習

そうこうしているうちに実際の医療機関などで実習が始まります。
実習について私の場合は、1年生で見学実習3施設。2年生で評価実習2施設。3年生〜4年次に総合実習2施設。といった感じでした。
期間は養成校によって若干の違いはあるようですがトータル量で言うと大きく変わりません。
学校では、なんだかんだ自由にやっていましたが(先生方に感謝)、実習となると普段は接しない職員さんや患者さんが実際にいます。当然緊張します。
自動車免許で言ったら仮免許・路上運転が始まった感じですね。

今だからこそ思うのですが、得意不得意は誰にでもあります。初めての環境に行くんですからストレスがかかって当然です。何とか流れに乗っていけばスムーズに進んでいきます。
しかし、私の最後の実習のように頭でっかちで行くと中々思うように進まなかったりします。本質が捉えられて無かったなぁと反省です(汗)
当時、かなり悩んだし、考えたし、苦しかったなぁ。でもあの経験は今の私にとってありがたい時間となっています。

写真はイメージです

知識が少ない、実技が難しい、社会性に乏しい、など様々な理由で実習で壁にぶつかることがありますが大切なことは目を背けず『向き合っていくこと、付き合っていくこと、できるところから改善を試みること』と思います。誰かに頼る・相談することも大切ですね。

国家試験に向けて

実習を全て終えると後は国家試験勉強です。
自分との戦いという面は強いかと思いますが、勉強スタイルは様々かと思います。
集団(友達やクラス単位)で行う良さ、個人で行う良さ。時間帯、環境など自分の中でうまく使い分けられると良いと思います。
人生の中で一番勉強したなぁ。

就職活動

早い人で最終学年の実習が終わった夏〜秋あたりから就職活動が始まります。
自分の進みたい領域を定め、病院や施設に見学してから試験にエントリーする流れが一般的かと思います。私もその流れで就職活動を行いました。ちなみに私は10月頃に内定を頂いたと記憶しています。

最後に

内定をもらっても国家試験に合格しなければ作業療法士として働くことができないので合格発表までドキドキの期間を過ごします。
じっとしていても勿体無いので私は自動二輪の免許を取りに行ったりしました笑

今回振り返ってみて、学校での時間は非常に貴重だったなと感じます。
卒業後、みんなバラバラになり、それぞれの道で仕事をしていますが、今も学生時代にお世話になった先生や友達と一緒に仕事をする機会があったり、相談しあったりすることがあります。
今までにも、これからも、感謝の気持ちを忘れずに進んでいこうと思います。

様々な立場の方が読んでくださっていると思いますが、読んで下さりありがとうございました。
作業療法学生など医療系学生の皆さん頑張ってください!!私も頑張ります!!

また書きたいと思います。
それでは失礼します。

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