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第6話 『魔性の女 オセロレディ登場!オセロッチ骨抜きにされる!?』

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      ☆白黒★オセロッチ!

第6話 『魔性の女 オセロレディ登場!オセロッチ骨抜きにされる!?』



(新たなる敵!謎の美女、オセロレディ現る!!)



ここは地上60階、オセロ天空闘技場。
今宵も巨額の現金を動かすオセロバトルが繰り広げられている・・・。



「あぁ~ン、坊や、強いのねぇ~ン・・・」


悩ましい吐息を吐きながら、
オセロレディはセクシーな声で言った。


「へ、へへへ。ぐへへ。」


オセロッチはだらしない顔で白チップを緑盤に指す。


オセロッチはもはや勝ちを確信していた。

オセロレディは攻めも守りもてんで要領を得ない打ち筋で、

地も分も主張してこない。

オセロッチは4隅のうち、

3隅をオセロレディにくれてやった。

それぐらいしてやらないとかわいそうになるぐらい、

オセロレディは弱かった。

「(やったぜ!こんなの楽勝だよ!!このおねえさんは素人なのかな!?このままぼくが勝ったら・・・むふふっ!!!)」




オセロッチは対局前の、
楽屋での会話を思い出していたーーー


「ハーイ坊や、調子はどーう?」

いきなりオセロッチの楽屋に金髪碧眼の美女が現れた。

「な、なんですか?いきなり…」

学校の宿題をしていたオセロッチは驚いて顔を上げた。

「対戦相手に挨拶しとこうと思ってン…」

そう言いながらオセロッチの真正面に座る美女。
かなり距離が近い。

オセロッチが嗅いだことのない、甘い大人の香りが漂った。

「アタシはオセロレディよ、あなたがオセロッチでしょ・・・。」

オセロレディの細くて長い指がオセロッチの手に伸びてくる。


「あたしに勝ったら、あとでいいことしてあげる(ハート)」

オセロレディはオセロッチの耳元でささやいたーーー





「けーっへっへっへっへ!!!これなら勝ちはいっただきだい!イェーイ!!」

バカ笑いするオセロッチ。





その時である。

オセロレディが不敵な笑みを浮かべ、

つぶやいた。



「かかったわね。ウブなボーイ」


オセロレディは黒チップを4つ目の隅に置いた。


その瞬間まばゆい光が緑盤を包む!


「!!!」


オセロッチが気がついた時には遅かった。



「し、しまった!囲まれた!」



「遅いッ!オセロレディロック!!」


オセロレディの指から離れた黒チップが輝きを放つ。

いくつもの白チップが、

波が起こったように裏返り、

あっという間に外周をオセロレディの黒チップが包囲してしまったのだ。



「「「「うおおおおおおおおおおッッッ!!!!!」」」


オセロレディの大技に観客がどよめいている。


観客席では、数日前この天空闘技場でオセロッチに敗北を喫した小瀬路太郎が観戦している。

「これは・・・見事な “だまし打ち” や・・・」


まだ歓声が鳴り止まない。

オセロレディは長く美しい金髪を、

白く長い指でくるくると巻いて弄んでいる。


「良い子ねぇ・・・坊や。おかげで助かったわ、ありがとう。あたしのこの技が決まった時の勝率を教えてあげる。

100%。これがあたしのオセロレディロックよ。」



青ざめるオセロッチ。


「ぼくは・・・ぼくはなんて馬鹿だったんだ・・・。」

オセロッチの瞳が、わなわなと震えだした。



「おーーーっとオセロッチ選手、オセロレディお得意の “だまし打ち” にまんまと引っかかってしまった!なんという馬鹿かーーー!?!?!?」


甲高い実況の声が闘技場にこだまする。


「くっ・・・。」


間抜けなオセロッチをあざ笑うかのように・・・。

(つづく)








(反省しろやぁ!!オセロッチ!!!)


次回 ☆白黒★オセロッチ! 第7話 『オセロッチ、克己心を磨け!!』


☆白黒★オセロッチ! 第1話はコチラから

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