壮大な世界観とそこから生み出される約4,500種以上のキャラクター達。その全てを作り上げたシナリオチームの秘密とは？
ゲームの核を支えるシナリオ。
壮大なドラマを創り続けながら、
キャラクターやイベントを通して
ゲームに彩りを与えてくれるプランナーに、
どのような意図で制作活動をしているのか、話を聞きました。
こんにちは！広報担当のこりんです。
今回は、2020年9月に掲載した「2020 3rd SEASON 超駒大解剖」でも反響があったシナリオチームの特集です！
この回に続き、シナリオチームのリードプランナーであるいとうさんへインタビューを敢行しました。
1. シナリオチームの役目は
『逆転オセロニア』のシナリオチームのお仕事とは、どんなものなのでしょうか？
い「主に、『逆転オセロニア』のキャラクター設定を創り上げることですね。
オセロニアには、ベースとなる壮大な世界観設定があります。このベースの設定を創作したり、設定を守りながら新たなキャラクターやストーリーを制作しているのが我々シナリオチームです。
新たなキャラクターが誕生する際には、シナリオチームが世界観設定をもとにしたキャラクター原案を作り上げます。それを受け取ったアートチームがイラストとして描き起こし、初めてビジュアルが誕生します。
また、文字として書き上げるものとしては、キャラクターごとにその設定を紐解く「フレーバーテキスト」、キャラクターが発するボイスの「セリフ」。そして、最近だとキャラクターが会話する様子がゲーム内のニュースで掲載されていますが、そちらの原稿も担当しています。
このように、オセロニアという物語を描く上で必要なあらゆる業務に携わっています。」
キャラクター設定において、特にどんなことを大事にされていますか？
い「オセロニアに於けるキャラクターの設定にぶれがないかは、細かくチェックしていますね。世に発表している共通認識にそぐうものになっているのかをしっかりと確認した上で、リリースへのGO出しをしています。
キャラクターの印象というものはとても重要で、少しでもぶれるとファンの方が萎えてしまいます。例えば、アズリエルが急にオラついた言葉を言い出したらびっくりするでしょ？（笑）」
びっくりします、夢を壊さないで、と思います……。その思いをしっかりと守っているのが、シナリオチームなのですね。
とはいえ、オセロニアには物凄い量のキャラクターがいますが、全てを把握されているのでしょうか？
い「担当する際には、必ず元の設定に目を通すようにしていますね。
実際、オセロニアは現在約4,500種近くのキャラクターが存在しており、イベント毎に担当を分けて制作をします。季節ものなど同じキャラクターでも複数のバージョンが存在していますが、オリジナルキャラを自身が担当していない場合も、必ずその設定を読み解いてから書き起こしています。」
ものすごい御苦労ですね……！
2. 「フレーバーテキスト」の裏側
以前に掲載した「キャラクターデザインのひみつ 〜夏真っ盛り！水着編〜」で、以下のようなくだりがありました。
ちなみにフレーバーテキストって、途中から数多く実装されるようになりましたよね？
ハ「そうなんです。2019年5月頃から、全キャラクターに実装されるようになりました。それまでは季節キャラやコラボキャラのみだったものの、オセロニアンの皆さんにキャラクター愛を深めてもらいたい、キャラクターの設定を楽しんでほしい、という思いからはじめています。」
い「この提案は、実はシナリオチームからの発案で始まりました。
例として、僕の好きなキャラクターのトネルムをあげると、彼女は体中に静電気がビリビリと走っているため、周りの人に触れることができません。そうした身体的特徴により、友達を作れず孤独に過ごしていました。
ところがこの悲しい設定も、説明できる場所がないと「なぜトネルムは、あんなに悲しい顔をしているの？」と疑問だけが生まれて、オセロニアンの皆さんの中でも解決できないままとなってしまいます。
なので、フレーバーテキストの中でキャラクターの背景を補足し、設定の奥行きを楽しんでもらいたい、と考えています。
なお、この悲しい台詞をよりリアルに再現するために、A駒ではありますがボイスも追加収録しました。
『私に近寄らないで。その……危ないから……。』」
確かに、その背景を聞いた後にボイスを聞くと、悲しさが一段と深まります……。
い「もう一人、シェイドもお気に入りです。
シェイドは、ビジュアル面でおどろおどろしい顔と残忍そうな雰囲気を醸し出しているものの、バトル中の台詞だけでは、性格がわかりません。そこで彼の深みを、フレーバーテキストで暗く重く表現しました。
ところが、今年2020年度のハロウィンイベントでは、かなり陽気な姿で登場しました。
正直、シリアスなキャラクターは、明るい雰囲気が醸し出される季節イベントではかなり登場させにくいです。しかしこのハロウィンイベントには、普段は傭兵として暗殺のために旅をしているシェイドが登場したのです。
「何でこんな格好で出てきたんだろう？」といった疑問のヒントは、このフレーバーテキストに……！
最後に、”文化レベル”のチェックもしています。文化レベルとは、オセロニア世界に於ける、文化と科学の発展がどれくらい進んでいるのか？の判断水準のことです。
例えば、2020年9月、3rd SEASONの新超駒として登場したミューズは、マイクを片手に歌を歌います。この「マイク」は、今のオセロニア界に存在している科学の中でアリなんだっけ？を我々のチームが議論して決めています。季節イベント「オセ★ドルフェスタ」でも登場している通り、「マイク」はOKとなり、ミューズのキャラクターイラストの中では、マイクと杖が合体した形で登場しています。
ちなみに、ニコ、アルキメデスなどの発明家のキャラクターにまつわる設定だけは、ぶっとんだ科学力を備えたものでもOKとしています。ヘパイストスもですね、ロボなんか作ってますし……。
それぞれが「特別に"オンリーワン"であるものを作りました！」という体です。が、あまりにも普及してしまうと、オセロニア界の科学レベルが上がってしまうのでNGにしています。（笑）」
3. 季節イベントができるまで
オセロニアには、定番の季節イベントがありますよね！
これって、どのようなタイミングで出てくるのでしょうか？
い「そうですね。定番でいうと、お正月、バレンタイン、夏、ハロウィン、クリスマス……といった催事期のイベントなどでしょうか。
▼オセロニアで開催される主な季節イベント
1月 ニューイヤーフェスタ
2月 バレンタインフェスタ
3月 ひな祭りフェスタ
4月 エイプリルフールイベント
5月 GW逆転祭（冒険）
6月 ジューンブライドフェスタ
7月 夏色！納涼まつり
8月 サマーキャンペーン（水着）
9月 私立オセロニア学園
10月 ハロウィンフェスタ
11月 オセ★ドルフェスタ
12月 クリスマスフェスタ
このように、オセロニアンの皆さんが実世界で体感している季節を、オセロニアからも盛り上げたい、という意図で、毎回の季節イベントを開催しています。」
定番もの以外では、例えば、GW逆転祭の「冒険」や「温泉」はどういう意図で始まったのですか？
い「ゴールデンウィークといえば、「長期休暇で行楽に出かけよう！」ですよね。そこから「冒険」や「温泉旅行」という発想に至り、このような形で開催することになりました。
新たな季節イベントでは、衣装の描きやすさ（動きに幅があるかなど）が重要なポイントですが、その点でも冒険はクリアしていたので、毎年恒例の開催に至っています。」
また新しい季節イベントが始まることって、これからもあるんですか？
い「実はまだストックはあります……。いつ登場するのかは、まだ秘密ですね。
ちなみにエイプリルフールのネタとしてスタートした『私立オセロニア学園』だけが、オセロニア界とは別に存在するパラレルワールドで展開するシナリオです。こちらでも、体育祭、文化祭など季節ごとに様々なイベントが開かれていますね。」
4. 「オセ★ドルフェスタ」のキャラたち
そして、2020年11月現在開催中の「オセ★ドルフェスタ3rd」！
こちらはなぜ登場したのでしょうか？
い「もともとオセロニア界に、”アイドル”という文化はありませんでした。そんな中、とある村がマルシャンによって買収される危機を迎え、それをなんとか阻止するためにカナリーが村おこしを企画します。その村おこしの一環が、ステージ上で歌とダンスを披露するアイドル活動だったのです。
その様子を眺めていた商人のクロリス。お金に目が無い彼女は、「この活動はきっと金になる……。」と野心を燃やし、彼女を雇います。
なお、夏バージョンのカナリーは、盆踊りをしながら村を発展させるための営業活動をしています。」
キャラクターのラインナップは、どのように選定したのですか？
い「これまでは、純粋に「このキャラにアイドルをさせたら面白いんじゃないか？」といった軸で選んでいましたが、今年は少し視点を変えました。
アイドルって、様々な路線やジャンルがあるじゃないですか。王道アイドル系、メタル系、ダンス系……。なので、今年のキャラは、それぞれの担当を分けて登場させてみました。
フィリウス：男性アイドル系
アンクイーネ：ダンス系ポップス
レムリー：原宿アイドル
碧音：清純派
ニクス：歌のお兄さん
鈴華：ポップス
代表して、竜人の女の子・ヴェルトリンデですが、デスメタル系で登場させました。デスメタルなので、ボイスでもシャウトしています。ですが、デスメタルがそもそも何なのかをよくわかっていないため、台詞では少し戸惑った様子が垣間みえて可愛いです。
実は、ヴェルトリンデは王子・ローランの従者をしています。今は祖国を追われてしまっていますが、主であるローランが望む復刻のためになるのならば一肌脱ごう、とアイドル活動も頑張ってしまったみたいです。
これもクロリスがアイドルとしてスカウトしたことから始まっていますが、完全に彼女に騙されていますね……。」
5. エンデガがアイドルになった理由
最後に一つ、聞きたいことが！
エ……エ……エンデガくん！！
い「大人気のエンデガですね！」
エンデガは何故、オセ★ドルフェスタに登場したのでしょう？
い「数多くのデッキに入るキャラクターであり、駒のパワーとしても強力であることからかなりの認知度があり、ファンの方も多くいらっしゃいますよね。実際に、運営チーム内にもたくさんのファンがいますし、大事にしているキャラクターです。
ここで出てくるのが、再びクロリスです。（笑）オセロニア界で、またまたクロリスから「人に笑顔をもたらす仕事をしないか？」と説得されます。「それで、この退屈と虚しさが紛れるのなら……」と、しぶしぶアイドルとしてステージに立つことを納得したエンデガ。
やがて、彼のアイドルデビューが決まったのでした！」
今後も季節イベントで、エンデガに会える可能性はありますか？
い「そうですね、期待させてしまうと申し訳ないのでお伝えしておくと、そんなに頻度は多くないかもしれないですね……。
既出情報ですが、エンデガは孤独な背景をもっています。
季節イベントでは、それぞれの季節を彩り盛り上げる、という要素もあって、どうしても「ウェーイ！」といったノリになってしまいます（笑）。我々シナリオチームでは、クリスマスやお正月などの大人数がワイワイと集まるイベントに、エンデガのキャラクター性は合わないよね、という見解をもっています。
いつかまた登場した際には、ぜひ愛していただきたいです！」
久しぶりにオセロニアのキャラクターたちの魅力について特集しました。オセロニア界を深掘りすると、目から鱗になる面白い設定がたくさん出てきて、本当に楽しいです。これからもそんなオセロニア界の一部を少しずつお伝えしながら、世界観やキャラクターの魅力を皆さんと一緒に見つけていけたら嬉しいな、と思っています。
後半で触れた「オセ★ドルフェスタ3rd」の開催は、今週末の2020年11月15日（日）11:59まで！最後までぜひ楽しんでいただけましたら嬉しいです。
広報担当 こりん
〈次回の配信予定日：2020年11月26日（木）〉