農業に熱い思いを持っている若者たちに私たちができること【事業者インタビュー vol.3】
◆農業を身近に感じられる農園
全国の県庁所在地・政令指定都市の中で、2年連続いちごの購入額・量ともに1位に輝く千葉県・千葉市(ちばし)。「ちはる農園」はそんな、いちごが大好きな住民が多い千葉市にある観光農園です。
いちご狩りのシーズンになると直売と合わせて2,000人以上ものお客様が訪れるというちはる農園は、現在スタッフ4人と千葉市新規就農支援の研修生1名が中心となって運営されています。
メインであるいちごだけでなく、いちご狩りのオフシーズンには枝豆の生産販売や枝豆狩り、メロンの生産販売と多角的な農業をされ、”いちご狩り+絵画教室”といったイベントも開催するなど、農業を身近に感じてもらえるような農園を目指しているといいます。
ちはる農園さんには、いちごの定植作業(苗の植え付け作業)でおてつたびをご利用いただきました。
今回は、ちはる農園のオーナーである齊藤さんがサラリーマンから農業に転職した理由やおてつたびを利用した感想を伺いました。
◆サラリーマンを辞め農業を始めた理由
サラリーマンから農家へ転身するきっかけは何でしょうか?
もともと農業をしたかったわけではなかったです。会社員から独立して自分の考えやスキルを100%反映して仕事をしたいと考えていました。
前職は外食産業で働いており、その経験を活かすなら同じ外食産業界のフランチャイズや、コンビニ、クリーニング店等のフランチャイズが考えられますが、やはりそれは、一つの組織やシステムの中での独立なので、安全ですが私は魅力を感じませんでした。
さらに業種を選ばず情報を集め熟考した結果、農業が一番「自由度」が高く、独立独歩出来ると考え、「農家」になることを決意しました。
そして千葉市の2年間の新規就農支援プログラムに参加したことがスタートでした。
栽培品目を「いちご」にしたのは、千葉市のいちごの消費量が当時全国4位と、千葉市のいちごの生産量に比べ圧倒的に消費量が多く、新規参入する余地が十分にあると考えたことが理由です。
◆将来を担う若者たちとの出会い
おてつたびを利用しようと思った理由を教えてください
いちごの定植作業は例年7~10日ほどかかっていました。
何とかこの定植作業を4~5日で終わらせることができないか、短期採用で農業に適性のある人に来てもらえないかと考えていました。そんな時に”おてつたび”を知りました。
おてつたびには農業に興味のある方が集まっていると聞いたこともあり、こちらでの募集に至りました。
近い将来、日本の農業を担う可能性のある方達に少しでも農業経験の場を提供できるなら私にとっても彼らにとっても良いことです。それも魅力の一つでした!
結果としておてつたびの利用は大正解で、計画通り作業が進み、定植作業は4日間で終わらせることができました。
短期間で定植が終えられると、そのぶん秋冬で減少していく太陽光を受けて光合成できる期間が増えることになります。あとは、生育のばらつきを少なくすることにもつながりますし、肥料や水の管理もし易くなります。そうすると、苗も一回り大きく育つので、果実の大きさや味にも良い影響を与えるので、とてもありがたかったです。
◆想像以上の応募に大慌て
おてつたびを利用する上で不安だったことはありますか?
農業に興味がある、農作業をしてみたいと思うような人は多くはいないだろうと高をくくっていましたし、本当に応募が来るのか不安に思ってもいました。
でも、実際にはすぐ応募が来て、掲載後の3日間でなんと、募集枠に対して2倍の応募がありました。
さらに驚いたことに、応募した皆さんの応募理由を読むと「新しいことにチャレンジしたい」とか、「人の役に立ちたい」とか、農業に対して熱い思いを持っている方もいたんです。
そのような経緯もあり、もともとの募集枠は3名でしたが最終的には4名の方に来てもらうことになりました。
私も3日間で募集が埋まるとは思っていなくて、慌てて募集を終了させていただきました(笑)
◆参加者の学ぶ意欲の高さ
実際おてつたび参加者の方が来て助かりましたか?
もちろん助かりました。
ちはる農園では、宿泊場所の確保が難しかったので、日帰りでの作業をしてもらいました。作業は、農園スタッフとおてつたび参加者の方を2人1組にしておこなってもらいました。
定植作業はスピードと正確さが命です。
2人1組でおこなってもらうことにより、作業もすぐに覚えられ即戦力になってもらえました。来年もおてつたびを利用して今回の経験を活かせる同じ方に来てもらえたら、さらなるスピードと正確さの向上ができると期待しています。
今回初めてのおてつたびを利用して、参加者の皆さんが”アルバイト”という感覚ではなく、”人の役に立つお手伝い”という感覚をもって来てくださっている感じがあり、さらにこの農作業の中から何かを学び取りたいという姿勢も見受けられました。
日帰りの利用でも参加者の方が非常にモチベーション高く作業してくれたので、効率も上がり、こちらにお願いして本当に良かったと思います。
私自身も、こんな皆さんを大学卒業後すぐに受け入れられる農園の体制を作っていきたいと思いました。
今回、おてつたび特典として来春のいちご狩り無料とされていましたがどういう思いがあったんですか?
「少なくとも、もう一回来て欲しい」というのと、「実際に自分で植えたいちごを食べて欲しい」という気持ちがありました。
私は、ここで働いた参加者の皆さんには、自分の農園だと思って気軽に来て欲しいと思っています!
◆千葉市と「ちはる農園」の魅力
ちはる農園さんがある千葉県千葉市とはどういうところですか?
都市部と田舎が1つになっている政令指定都市ですね。なかなかそういう場所って少ないと思います。
都会と田舎が一緒なので、都会的な暮らしを楽しみながら農業や自然と関われる機会が多いところが魅力ですね。
最後に、ちはる農園の魅力を教えてください。
当農園は、いちご狩りのシーズンになると、直売と合わせて月間2,000人以上の方が来園されます。なかでも、直売で購入されるお客様はリピーター比率が高く、継続的に農園に足を運んでくださっています。だからこそ、私たちは”味”を追求すると決めているんです。
スーパーでも通販でも美味しいいちごが買えますが、私たちは、わざわざこちらに足を運んで下さるお客様の期待に応えたい。その期待に応えられるよう、これからも反省と改良を加えていきます。
いちごの季節が来たら、ちはる農園へ、美味しいいちごを是非食べに来てください!
それと夏は、メロン直売と枝豆狩りもやっていますよ!
⭐今回のおてつたび先⭐
◆ちはる農園
〒265-0043
千葉市若葉区中田町859
電話:090-3436-2941
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