漫画ONE PIECEなんて一生読むことはないと思っていた
「海賊王に、俺はなる!!!!」
このセリフ、作品を知らなくてもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
漫画ONE PIECEは、17歳の少年ルフィがひとつなぎの大秘宝「ONE PIECE」を求めて仲間達と冒険をしていく物語です。
私は小学生の頃、たまたまテレビでやっていたのをなんとなく見ていた程度で知っていたのは主要キャラとあらすじくらい。
中学生になり、クラスの人間関係などで人生に希望を見出せなくなってからはONE PIECEのような「夢」「希望」「絆」が謳われている作品に嫌気が差すようになりました。
特に何があってもポジティブで前を向いて進んでいくルフィには全く共感できないし、そんな姿を見ていると自分と比べて「なんで私は前を向けないんだろう」と絶望してしまいます。
だからその時に「もうONE PIECEは一生読むことはない」と思いました。
高校生になって歴史ものや異世界ものの漫画やアニメにハマることはありましたが、やはりONE PIECEを読むことも見ることもありませんでした。
2021年の6月、私は就活の真っ最中で何社かエントリーしてみるものの書類審査で落とされてばかりの毎日。
しかも新型コロナウイルスの影響で受けられる企業の地域も限られてしまう状況でした。
それでも1年休学している私にはもう後がありませんでした。
毎日のように企業を探して、志望動機を考えて、自己分析して、と余裕のない毎日。
そんな時、私の好きな俳優の山田裕貴さんがONE PIECEが好きなことを知ってふと読んでみたくなりました。
それは推しの好きなものを好きになってみたいという軽い気持ちからでした。
高校の恩師が漫画好きの人で、連絡をしたら漫画を貸してくれるというので100巻近く一気に借りて読み始めました。
何巻か読んだところで私は「なんでこんなに面白い漫画をこれまで読まずにいたんだろう」と激しく後悔すると同時に、今ONE PIECEに出会えてよかったなと思いました。
ジェットコースターのように進んでいくストーリーと、それを彩るキャラクター、そして心に爆音が鳴り響くくらいの言葉。
冒頭で中学生の頃に「何があってもポジティブで前を向いて進んでいくルフィには全く共感できない」と遠ざけたと言いましたが、すぐにそれが単なる思い込みだったことを知りました。
確かにルフィはどんなことが起きても前を向いて突き進んでいくのですが、一度だけ希望を失って全てに絶望するシーンがあります。
「あのルフィでも立ち止まることがあるんだ」
私にとっては衝撃のシーンでした。
そして漫画の中でどんなに格好いいキャラクターでも、美しいキャラクターでもみんな泣く時は鼻水を垂らして泣くんです。
格好悪くても毎日を一所懸命に生きているキャラクターたちは本当に魅力的だと思いました。
笑いながら、極悪非道な敵に怒りながら、ハラハラしながら、そして号泣しながら、私は1ヶ月くらいで全巻読破して、気づけば単行本を全巻揃えていたのには自分でも驚きました。
中学生の頃に一度遠ざけたONE PIECE。好きになるどころか今では人生のバイブルになっています。
就活中に何度ルフィたちの言葉に助けられ、勇気をもらったことか。
自分の人生に影響を与える作品は、もしかするとそうやって思い込みで読んでいなかったり見ていなかったりするものの中に眠っているのかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。とっても嬉しいです。また読みに来てください!