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SIビジネスとSDGs

こんにちは、大手町くずろうです。

本日は、「SIビジネスとSDGs」というテーマで書いてみたいと思います。

働きがいも経済成長も

システムインテグレーション(SI)を「ASCII.jpデジタル用語辞典」で調べてみると次のような記載があります。

企業の情報システムの導入に際し、ユーザーの目的に応じた企画の提案からハードウェア、ソフトウェアの選定、システムの開発や構築、運用までのトータルなサービスを提供すること。(ASCII.jpデジタル用語辞典より、引用。)

もちろん、これがSIですが、これまで私はより広い意味で「企業の情報システムの導入に際し、ユーザーが既に導入している製品やサービス(つまり、すでにSIされた製品やサービス)を十二分に活用すべく、ユーザ業務を俯瞰しユーザーの目的にあと一歩足りないシステムサービスを提供する」ことも、SIの役割と考えてきました。

このSIの役割は、個別のシステム構築にあたり対象業務を絞り込んでいく時ではなく、逆に、ユーザの業務プロセス全体を俯瞰した時にみえてくるものです。そしてこれは大手SIerが見逃してきたかもしれない顧客満足度を高めるために必要なラストワンマイルです。ニッチな領域ではありますが、多くの業務オペレーションは、異なるシステムをまたぐ業務であり、ここには自動化・省力化余地のある、人が介在しなければならない非効率な作業(SIerのビジネス領域)が存在します。

私は、この領域にやってきた新しいテクノロジーが、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)なのだ、という理解をしています。RPAは、RPA登場以前の時代にはニッチな領域であったラストワンマイルのビジネス領域をかなり大きく拡大させました。それゆえ、SIビジネスは今後、生産年齢人口が減少する中で、人を創造性のある仕事にシフトさせ、After/Withコロナではより意識されるであろう「安全かつ効率的な業務プロセス」を実現しうるのです。

産業と技術革新の基盤をつくろう

SIというのは、前述したように、最適なハードウェア、ソフトウェアを選定し、それらを統合(インテグレーション)してシステムを構築することです。

ただ、今後求められる”インテグレーション”は、「いままさにスタートアップが次々と生みだしているイノベーションをユーザニーズに最適な形で統合したシステムサービスを提供し続けること」ではなかろうかと思ったりします。これは、SI(システムインテグレーション)と区別するためにDI(デジタルインテグレーション)と呼ぶのがふさわしいかもしれません。ここで、またRPAの登場です。RPAはここでも重要な役割をはたせます。RPAは既に導入している製品やサービスを互いに接着(つまり、SI)させるだけでなく先端技術を接着(つまり、DI)させる基盤にもなりえます。

SIerのITコンサルタントやシステムエンジニアがユーザ業務プロセスを俯瞰した時、「あんなこといいな、できたらいいな」と思う技術はあるいはもう存在しています。だから、おそらくSIビジネスに今後より必要になるのはこういった新技術のリサーチです。With RPA時代のSIerはユーザ業務への深い知見と新しい技術を接着させる役割を担いインテグレーション力を高度化させていけばよいと思うわけです。

だから「SIerがCVCを設立しベンチャー企業への投資を通じてオープンイノベーションを実現する」というのはとてもよい取り組みに思えます。俯瞰的な視点をもち、業務プロセスの非効率を発見し、その解消のために新しい技術を取り込んでいく、というSIビジネスの好循環は、今よりも満足度の高い未来をもたらすとともに、SDGsにおける「産業と技術革新の基盤をつくろう」にもつながりうるのです。



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