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SIビジネスの突破口

こんにちは、大手町くずろうです。

本日は、「SIビジネスの突破口」について考えてみたい。

オンサイトからオンラインへ

まず、SIビジネスの入り口は、顧客の業務プロセス全体を知るために運用保守から入るのがいい。スマイルカーブ的に考えてもそれがいい。ここから日常的に顧客の業務アプリケーションやその関連業務と向き合うからこそみえてくる顧客業務の非効率は相当ある。

例えば、顧客の業務プロセス上に存在している既存かつ複数の業務アプリケーションの維持管理を一括で請ける。つまり、AMO(アプリケーション・マネジメント・アウトソース)サービスの提供だ。ありがちなのは、既存業務アプリケーションのカスタマイズ開発と運用の両方の役割を担うオンサイトのSEサービス(いわゆるSES)の提案だが、これをオンサイトでなくオンラインにかえる。オンサイトじゃなくて”オンラインでプロフェッショナルサービスをやる”。これがひとつの大きなポイント。

このあたりは以前の記事(With/Afterコロナで、SIビジネスはどう変われるか)にも書いていますので、こちらもあわせて読んでいただけるとありがたいです。

これによるメリットは、その担当にアサインされた3名の常駐メンバーだけでなんとかするしかなかった体制を、例えば、オンラインなら専任3名+αの体制にかえることもできることだ。専任とは、つまり専らそのサービスを担当しているということであり他のプロジェクトや社内活動等と兼任してはいけないわけではない。

もちろんこれでおわりではない、次のポイントはここからだ。

BPaaS(ビジネス・プロセス・アズ・ア・サービス)

オンサイトからオンラインに変えたことで可能になる+αで補ったパワーはサービス開発に充てたい。言うは易し行うは難し。しかも、日常的に顧客の業務アプリケーションとその関連業務と接点をもつ担当として獲得した知見を十二分に活かせるようなサービスをつくりたい。

コロナ禍においては、業務プロセスはできうる限り人に依存しないものにしていく方向が望まれることが予想される。

それならば、業務サービス別に「in-house/BPO/on-line」的なビジネスをサービスにできないか。情報はインハウス、業務はアウトソース、実行はオンラインなBPaaS(ビジネス・プロセス・アズ・ア・サービス)

分かりやすくいえば、既存業務アプリケーションを利用した一定規模の業務プロセスをパッケージしたBPOサービスだがビジネスプロセスアウトソースというよりは、ビジネスプロセスオートメーションのサービスだ。

業務プロセスやデータはインハウスに残るから、コア・ノンコアという観点での業務分解は不要。「その業務プロセス、ほぼ自動化できるか、否か」で業務を細分化する。そして、ほぼ自動化できた業務を順次サービス化する。つまり、BPaaSは継続的なアップセルが望める。

通常、BPOサービスは、自社の業務プロセスから一部の業務プロセスを切り離してしまうため、切り離された業務はブラックボックスになりがちであるが、このBPaaSには秘匿されるものはない。美しい。だから、顧客の経営戦略に伴って業務・事務負担が発生するたびに必要な変更対応もやりやすい。

初期費が大きなハードル

業務プロセスを自動化するためにはRPA等なども活用して(ワークフロー)開発をしなければならない。オンラインSEサービス(=AMOサービス)の中では対応できないそれなりにまとまった額の初期費がかかる。初期費は大きなハードルになる。また、その後の維持管理はどうする?、みたいな話にもなる。よっていい提案であったとしても次々に提案すれば次々に受注されるという話にはならない。そもそもIT予算なのか?

ならば、あらかじめ細分化された業務ごとに、月額費用いくら相当の価値がある業務なのかを双方合意しておくことで、自動化のためのワークフロー開発等初期費は無料にし、サービスリリース後にサービス費用を「IT所管部署でなく当該業務プロセスのオーナ部署より」月額でいただくモデルとしたい。トライアル期間を別途設定してその期間は無料というのもありえる。一方で、その後のシステム機能追加やワークフローへの機能追加を含む維持管理は、すでに契約しているオンラインSEサービス(=AMOサービス)で調整(タスクの優先順位の変更/維持管理すべきスコープの拡大)できそうだ。

ここでの注意点は、顧客(当該業務プロセスのオーナ部署)はいつでもサービスの解約(業務サービスごと)が可能だが、解約しても成果物の移転はなされないことと、オンラインSEサービス(=AMOサービス)にてBPaaSそのものへの改修を行うことはできるが、この改修部分についてもサービスを解約してしまえば成果物移転はなされないことだ。ただ、これは初期費用を無料とすることや、そもそものその業務が不要となった時などにいつでもサービスの解約ができることとトレードオフでありフェアな提案であるように思う。

参考にしたアイデア:価値創造契約(https://agile.esm.co.jp/services/value_creating_contract/

さらに、業界特化のSIerならば、これまでの各種ノウハウを還元したかゆい所に手が届くBPaaSが提供できそうだ。

ダブルストックビジネス

オンラインSEサービス(=AMOサービス)は、ストックビジネスではあるが労働集約型ビジネス。BPaaSもストックビジネス。しかもマンパワーをあまり必要としない資本集約型ビジネスだ。加えて、双方が双方のためにあるような関係にもある。DevOpsでもある。

カスタマーサクセスとしてプロフェッショナルサービスを提供しつつ、サービスのARPUやARPA(Average Revenue per Account)の向上を目指していける。

さてさて、このオンラインSEサービス(=AMOサービス)とBPaaS(ビジネス・プロセス・アズ・ア・サービス)のハイブリッドビジネスモデル。これまでのビジネスモデルを脱却するいい突破口にならないものか。

以上、大手町くずろうでした。

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