アステロイドシティを観た

念願の新作を観てきました!
ネタバレを含むので、同じく観たよ!という方向けです。ハッピーな気持ちを共有しましょう〜



感想書き散らし


 毎度ながら惚れ惚れする色使いとカメラワークが素敵でした。今回の舞台となった砂漠はスペインの実在する場所だそうです。CGかと思ってしまうほど明るく綺麗な色合いでした。
 これも毎度ながら、登場人物達の声と話し方、スピードが耳に心地よくて、ずっと聞いていたかったです。特に将軍の声が良かった。
 宇宙人は可愛く、天才たちが仲良く”超秀才”の遊びをしたりテントに交信装置を作る様子は微笑ましかった。グランド・ブタペストのゼロが出ていたのが嬉しかったです。今回もとぼけたような何とも言えない表情をしていました。


入れ子構造がグレードアップ

 グランドブタペストホテルの構想時にシュテファン・ツヴァイクにインスパイアされて取り入れたという入れ子構造が、今回も取り入れられていました。

 最初の箱→現在。作家の死後。 
 2番目の箱→作家が生きていた時間軸。白黒で表現されている。 
 3番目の箱→劇中。アステロイドシティの物語。

 この構造によって、役者が2番目の箱と3番目の箱で二重に役を与えられるのが面白かったです。役者がどういう経緯でその役に選ばれたのかを描くのも遊び心がありますね。演出家が登場することで、裏方のスタッフへの経緯が感じられます。また、3番目の箱の物語が演じられたものだと明示されているにも関わらず物語に入り込んでしまうのは、役者の実力が素晴らしいのでしょう。


ウェス・アンダーソン作品と村上春樹作品に共通すること?


今作を見て気づいたのですが、わたしは
・芸術性の高さ
に惹かれているけれど、同時に
・メッセージがはっきりと提示されない
・複数のメッセージが散りばめられている
のが好きなのかもしれない。村上春樹の描く物語にも上記3つの性質があって、2人の作品が魅力的な理由なのかなと。ウェスは色彩とカメラワークと音楽で、村上春樹は文体で、それぞれアート作品を見ているような感覚にさせてくれます。と同時に、ストーリーに含みを持たせていて、読後もあれこれ考える楽しみがある。見返したい、読み返したいと思えるような素敵な作品に共通する特徴なのかなと思います。


自問自答Q&A

物語のテーマは?
→近しい人を失う悲しみ、家族の問題?
→政府の傲慢さを風刺?

夜のうちにみんなが帰る意味は?
→妻を失っても現実は続く。前に進まなければならないというメッセージ?

宇宙人は何を暗喩している?
→人力ではどうしようもない運命のこと?

隕石を取って、文字を残し、返す意味は?
→?

主役と劇作家のキスシーンはどんな意図があったのか?
→?


おわり

違う解釈や、疑問へのアンサーがあればコメントで教えていただけると嬉しいです。
 

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