サカノマチボイス12 3月の終わりに「失う」について考える
もうすぐ3月が終わる。
学校なら卒業や転校、会社なら異動や退職。
コミュニティが誰かを失う瞬間だ。
今まであたりまえにいた人がいなくなるのは寂しいが、
その人がよほど親しい人でない限りそのうち何も感じなくなる。
「慣れ」というやつだ。
そして不思議なことに、誰かがいなくなった人の役割を
残った誰かが穴埋めするという現象が起きることがしばしばある。
いつもみんなを笑わせていた人がいなくなると、
いつの間にか別の誰かがみんなを笑わせている。
いつもみんなから頼りにされていた人がいなくなると、
いつの間にか他の誰かが頼られるようになる。
そういえば少し前に読んだこの本にも
同じようなことが書かれていた気がする。
転んでケガをすると後々かさぶたができるように、
どうやら「集団の自然治癒力」みたいなものがあるようだ。
それは誰かが今までとは違う役割を演じるということであり、
誰かが別の能力を発揮するタイミングでもある。
そんな視点で考えると、
失うことはときに誰かを強くする。
ということでもあるし、
必ずしも一つの場所に留まる必要はない。
と、どこからか言われているようでもある。
(コ)
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