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日仏生活駄文 ~ 「〇〇の奥さん」と呼ばれていた頃

なかなか珍しいケースなのですが、フランスで夫婦揃って同じ会社で働いています。

日本にいた当時も同じく共働きだったので基本条件は変わらないのですが、精神的に日本と比べ、「あ、楽だなぁ」と感じるシーンが多くあります。

その一つが、『○○の奥さん』と呼ばれることが無くなったことだと、最近気付きました。

同じ会社での共働き。セクションは違うものの共通の知り合いばかりの環境。日本にいた時は自分では意識していませんでしたが、常に少しのプレッシャーのようなものをかんじていたのだと思います。

たとえば、仮にパートナーが大事な何かを忘れたとして↓

「奥さん、ちゃんと持たせてあげなかったのかしら?」

と言ったような、何故かパートナをセットで批判/評価するような流れが少なからずあったように思います。

これは子供を持つお母さんにも当てはまるのかもしれません。日本はお母さん自身の本名ではなく、◯◯ママ‥と呼び合う習慣がありますよね。


フランスに来て変わったことは、ビジネスであれプライベートシーンであれ、必ず個人名で呼ばれるようになったことです。ダレダレのナニナニ‥といった、何かに付随する名称として呼ばれることはまずありません。

わたしたち夫婦が働いているフランスの会社は日本と比べてスタジオ規模も小さく、より密な人間関係で過ごす必要があります。そんな中でも、パートナーであってもあくまで個人と個人。どちらかが何をやったとしても、全員がいい意味でまったく無関心。

わたしの行動の結果はわたしだけのものであり、それがパートナーの評価と連動することはありません。

また、プライベートでは必ず家族セットで呼ばれる機会が多いので、同じ会社で働いていると誘ってもらいやすいというプチメリットも。


○○の奥さん・旦那さん・ママパパ‥‥という呼び方自体は日本独特の文化を辿って今日に至っていて、愛情表現として使われている場合もあるのでケースバイケースだと思います。

一方、小さな言葉の違いですが、人の潜在意識に大きく影響していく部分。

自分がどう呼ばれたいか、選択できる世の中になるといいのになぁと思う今日この頃です。

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