銭湯で、でーんとした気持ちになる話
生命力をたっぷりと蓄えたマダムたちが、今日もわしゃわしゃと髪を洗っている。
岡本太郎の彫刻「樹人」を思わせるその姿は、お風呂に浸かって血色が良く、つやつやとしている。自分のしたい話を交互に話しているそれは会話と言えるのか分からないが、彼女たちは楽しそうだ。
家にいると気が滅入る
家にいる時間が増えて、PCやスマホに向かう時間ばかりでだんだん気が滅入ってきた。そんな話を会社の人としていた。
あまり出かけることができない今の状況は、入院している感覚と近いそうで、気が滅入ってきて好きな漫画もなんだか全然楽しめない。そんな時は花を飾ると意外と良いそうだ。花が部屋にあることで、生命力を感じられるらしい。
そういえば最近、私も机にサボテンを置いて眺めたりしている。マダガスカル原産だという妙な形の植物は、水分をたっぷりと蓄えて、日差しがあれば新しい芽を伸ばしたりしている。「水と光しかあげてないのに、なぜ新しいサボテンが…!?」と日々驚かされている。「もしかしたら私にはサボテンを育てる才能があるのかもしれない」と浮かれたりもしている。私のインスタのストーリーはすっかりサボテン観察記になってしまった。
今まであまり気にしたことはなかったし、「生命力」なんて文字にすると仰々しい言葉だ。でも、元気に過ごすためには、生命力を直に感じることがかなり大事らしい。今度は花も飾ってみよう。
生命力の塊、銭湯にいるマダムたち
銭湯にも以前より頻繁に行くようになった。(共通入浴券の使用期限が迫っていたのもある。)
大きなお風呂、サウナ後の水風呂、風呂上がりのドリンクなど、銭湯の気持ち良さは色々あるが、そこにいる人たちの生命力を直に感じられるのもひとつの気持ち良さかもしれない。
いつも行く銭湯にいるマダムたちは、ふくふくとしていて生命力の塊のようだ。まるで「これでいいのだ」というように、でーんとそこにいる。
そして、それを見ている私も、なんだかでーんとした気持ちになるのだ。
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