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「わかりました」は「アイムファインセンキュー」みたいなもの

外国籍社員を雇用した企業様からよく聞くお悩みの一つ

「分かった」と言ったのに分かっていない



実はこれは、新人の日本語教師にとってもあるあるの悩みです。


私も新人時代にこの壁に直面しました。

これからする活動について一通り説明し
「分かりましたか」
と尋ねると
「分かりました」
と頷く。

そしていざ活動を始めてみると
「分かりません」
となる。

語彙や文法の説明でも同じで
「分かりましたか」
「分かりました」
→分かっていない

という流れになる。


このことを先輩に相談すると
返ってきたアドバイスは

学生の「分かりました」は信用してはいけない







「分かりましたか」と聞かれたら
「分かりました」と反射的に答えてしまうものです。

これは、日本語学習者に限った話ではなく
日本人同士でも起こりうるもので
原因はいくつか考えられます。

①話を聞く限りでは分かったと思ったが、やってみると分かっていなかった
②関係値ができていないので、分からないと言いにくい
③分からないと言うと怒られるのを知っているので言えない
④話し手と聞き手の間に認識のズレがあり、分かったと思っていたことが違った


特に入社したばかりの頃に起きやすいのは①②③で
「分からない」と言える雰囲気作りが大切です。


とはいえ、
「分かった」と相手は言ったのに
分からないことが続くと
不安や苛立ちを感じる人もいるでしょう。

私も、日本語教師を始めたばかりの頃はそうでした。


ここでマインドとして持ってほしいのは

(特に新入社員の)「分かりました」は分かっていないことがほとんどで
「分かりました」の言葉を信用してはいけない

ということです。

つまり、そういうものなのです。


例えば、日本人の皆さんは

How are you?

と聞かれたら、なんと答えるでしょうか。


多くの人が

I’m fine thank you. And you?

と答えるのではないでしょうか。


しかし、その実


How are you?
ー I’m fine thank you. 
(風邪気味です)


How are you?
ー I’m fine thank you. 
(ちょとお腹が痛いです)


How are you?
ー I’m fine thank you. 
(熱が38度あります)


なんてこともあるでしょう。

なぜかと聞かれれば

つまり、そういうものなのです。



How are you?
と聞かれれば
I’m fine thank you. 
と答え

分かりましたか
と聞かれれば
分かりました
と答えるものなのです。


私はこのマインドを受け入れることで
ずいぶん体が軽くなり
不安や苛立ちを覚えることがなくなりました。

簡単な思考の切り替えなので、ぜひ試してみてください。



ちなみに

「分かりました」の言葉を信用しないのは分かったけど
じゃあどうすればいいの?

と思った方

分かったか確認する方法はありますが
実際に一度やって見せてもらうのが一番おすすめです。

分かったか確認する方法については、また別の記事で詳しく書きたいと思います。


今日はこの辺で。











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