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「衣、食、住、DJ」 vol.8 移ること

皆様こんにちは。ホンダイズミです。
オタイレコードの<note>企画「衣、食、住、D J」第8弾。
名古屋市中区大須で営業していた<LEBEN By OTAIRECORD>さんが、今月末5/31(金)より中区栄5丁目、いわゆる矢場町の新店舗に移転するというニュースを受けまして、今回は「移ること」をテーマにお届けします。

では、スタートです!

このコラムのvol.4で自己紹介した通り2008年9月タイ王国に移住したまま十数年間戻って来なかった私ですが(*一時帰国除く)、その時の経緯を説明するならば単純にニッポンがイヤになって逃げ出したワケで、キッカケは友達と三人で出掛けた旅行でした。
2007年11月にパンガン島で行われたフルムーンパーティーをメインの目的に組んだタイツアーで、友達二人が二週間で帰国後私自身はさらに二週間、計一ヶ月間現地に滞在して各地を回った末に戻りました。つまり初訪問から一年経たずに移住してしまったことになります。
当時のブログを読み返してみると、その魅力について「漲るパワーと脱力感のギャップ」と表現していますが、あまりにも楽しかった反動で帰国後に相当堕ちた様子。逃げ足の速さがそれを物語っていますよね。
実は当時ランニングで入ってくるちょっとした不労所得がありまして、定職にも就かずフラフラしていた私にとって物価の安いタイへの移住は「渡りに船」だった。それはさておき、生活拠点が海外に移ったことによる効果を話しましょう。

皆さんご存知かどーかよく分かりませんが新天地はとにかく自由なお国柄であり、不自由極まりない(*個人の感想です)ニッポンから脱出しただけで私の心は一気に解放されることとなります。加えて気候は抜群、冬がなく花粉症がなく(*抗体の差)乾燥肌に悩まされることもなく身体的ストレスがなくなって、心身共アッという間に健康になり、抱えていた鬱の症状など一瞬で治癒しました。
また、現地に知り合いなど一切居ないワケで、会いたくもない輩から誘われることもなく対人恐怖もゼロ。ヒジョーに分かりやすい状況ですよね。

プラスの効果をひとつ例に挙げれば、私の好きなクラブ活動がとにかくサイコーに楽しかった。
有名な「フルムーンパーティー」はいわゆるレイヴ的野外イヴェントですが、一方、首都バンコク(*現在はクルンテープに改名)の数あるハコで毎晩繰り広げられるそのディープな世界はまるで夢のようでした。メインは「R.C.A」エリアに連立する大バコ、その他各地に点在するローカルバコ共に平日から集客はパンパン。基本は深夜2時までだけれど当然アングラも存在し、ハシゴして朝まで盛り上がる地元バンコク民と海外からの旅行者と彼らをターゲットにしている「クラブ待機型売春婦」が入り混じってクラブ内はとにかく大変な騒ぎになっているのです。文章では説明しづらい混沌とした光景は、偉大な田舎ナゴヤのクラブシーンしか知らない私にとって衝撃でした。それを旅行の段階で既に十分味わっていたからハマるのは必然ですよね?
その辺りの件についてご興味ある方は私個人のブログ記事をご参照あれ。少し古いですが、基本ルールは今でも変わっていませんので。

チェンマイのクラブ
パタヤのクラブ

音楽にまつわる話を続けるならば、基本的に触れる機会がニッポンと比べて圧倒的に多く、例えばオープンエアのレストランやバーなどではほとんどバンドの生演奏があり、しかも専属の彼らの演奏レヴェルがそれぞれかなり高い。地元タイのロックやポップスはもちろん、海外であればお約束の定番ソングからビルボードヒットチャート系の著名曲までなんでもカヴァー。客層に合わせた生音が常にそこかしこで流れている状況であります。
もちろん世界各国から多数の人々が集まる観光地であることも理由でしょうが、国民全般が自然に音楽に囲まれる環境下で育っている。深く愛されていた前国王プミポン様の造詣が深かったジャズ(*ご自身もフルート奏者)についてもファンが多く存在するなど、様々なジャンルの音楽がタイならではの発展を遂げて来ました。

個人的印象としては彼らの趣味は基本ミーハー(分かりやすいヒット曲を素直に受け入れる)ですが、タイ人の作る楽曲を聴くとなんとも懐かしい感じがする。それはおそらくニッポンの昭和時代のメロディーラインを彷彿とさせる為ではないか?と、分析しています。つまり少なからず我々が知る古き良きポップスや演歌の流れの影響を受けているはず。そーいったこともあって、私に近い年代の人達がタイに傾倒する理由の一つとして地元の音楽を挙げる方々も多いのでは。
実際、タイでは<モーラム>、<ルークトゥン>と呼ばれるイサーン地方の田舎歌謡、民謡のようなジャンルが未だに絶大な人気を誇っていて、都会に暮らす地方出身者はその手の音楽が流れる店舗を好む傾向にあるようで、私もよく連れられていったものです。
移住してそれらの独特な文化に圧倒された私は、主に音楽を通じてタイという国にどっぷり浸って行きます。そこには当然タイガールとの因果関係も含まれるワケで、世界基準では比較的紳士であり格好のターゲットとなる我々ニッポン人が彼女らから色々と搾取(?)される構造についてはまた別の機会に……。

そんな感じで、愛すべきタイ王国に居を移して今では第二の故郷と呼べる存在となった私から言えるのは、移ることの意味や意義をしっかりと理解すれば効果やメリットを明確に得られるのでは。ということ。
移転、引越し、転勤、会社内の部署異動など、世の中には様々な移動や異動があって、当然理由も多岐に渡るでしょう。いずれにせよ、動くのが「人」であろうと「店舗」であろうと<コンセプト>が重要であり、そこさえちゃんとしていれば何の問題もなくスムーズにイケるはず。だから移る前の段階で分かりやすいコンセプトを決めた上で、しっかりと準備し実行する。そこに尽きると考えます。

今回<LEBEN By OTAIRECORD>さんが移転する経緯を私は聞いていませんが、想像するにおそらくは展示・販売スペースの拡大なのではないかな、と。もし仮にそうであったとするならば話は実にシンプル且つポジティヴ。なんの問題もなさそうですよね。立地についても少し便利になるのでは?私は個人的に少しだけ遠くなりますが(笑)、矢場町という場所はこの地域においてかなり中央に位置するアクセスの良いところですから。

ちなみに、私がタイに移住した時のコンセプトはズバリ「ストレスの軽減」でした。当時はまだ部屋にあったTVモニターから垂れ流されるマスゴミの放つニュース。人間関係。モノの値段及びコスパ。くしゃみ鼻水鼻詰まり。冬の寒さ。それらからとっとと逃げ出した結果、効果は絶大。そこにたまたま好条件が重なった、ということはあるにせよ、当然の如く大きな決断も必要でしたからね。
もちろん短絡的にオススメするワケではありませんが、もし仮に少し高めの壁にぶつかってしまったり、何らかトラブルを抱えたり、という状況にあったとするならば、「移ること」も案外悪くないのでは?というお話です。

何もないあなたはとても幸せ。
その場を動かずに居て下さい。

それではまた次回お会いしましょう。

TEXT : ホンダイズミ(PLUS+ Talent Agent 代表)
*名古屋市中区松原にカフェ&サロン「PLUS+」をオープンしました。
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