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思い出し泣き笑い15〜世話焼きな母

久しぶりに父と母に会いに施設に行って来た。

母は相変わらず5分と記憶がもたないけど、元気にちゃきちゃきしていた。

父がだいぶ弱っていた。
車椅子で移動しているし、下を向いたまま喋りもしなかった。

施設の人が言うには、同部屋にいる母が世話を焼き過ぎているらしい。
転んで危ないからと、あまり歩かせないようにしていると。

昔からそうだ。
父の歯ブラシに歯磨き粉をつけておき、パンツにアイロンをかける尽くしようだった。子供ながらに「これはやり過ぎでは?」と思ったものだ。

母が今元気なのは、父の世話を焼いているからだ。
これはもう誰にも止められない。

数週間後、施設から連絡があった。
父が入院したらしい。
次の日私は病院へ向かった。