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マンション売却時の一括査定は意味あるのか?【その4】

一般的な一括査定の流れを纏めると上記のような感じです。

①ネットの一括査定を利用する。

②数社の「なんちゃって査定」を取得し、1社の仲介業者へ売却を依頼する。※「なんちゃって査定」:「実際に買い取る金額」では無く、「売れるかもしれない金額」を提示しているので、こう表現しています。

③仲介業者が自社でお客さんを付けることを目的にしてしまい、他の仲介業者へ積極的に紹介せず、なかなか売れない。※これを「囲い込み」といいます。

私は以前、「一括査定を利用する人が、数社の査定を取得し、どのように一社を選んでいるのか?」不思議になり、一括査定を利用した人に話を聞きました・・・

すると、、

◆営業マンの対応が感じ良かった。

◆一番高い金額で査定が出てきたから。

◆聞いたことがある不動産会社の名前だったから。

というものが殆どであり、査定の内容で決めている人はいませんでした。

と言いますか、査定の内容を判断できる人なんていないと思います。

なぜなら、みなさん不動産取引を常にしている訳ではないですし、不動産業者ではないからです。


不動産に携わっていない人が、何枚かの査定書を見たところで判断できる訳がないのです。だから、「営業マンの感じが良かった」等の感覚や感情で決めているのです。

査定の金額は、当然、高いのから低いのまであります。

どれが適正か分かりますか?


はい、絶対に分からないと思います。


そもそも、その査定というのが、「実際に買い取ってくれる価格」ではなく、「その金額だったら売れるかもしれない価格」だからです。

「実際に買い取ってくれる価格」が記載された査定書が数枚提示されているのであれば、ご自身が納得できる価格で売れば良いと思います。

ただ、不動産の一括査定は、仲介業者が提示してきている「なんちゃって査定」ですので、その価格で売れるかどうかは不明です。


要は、ギャンブルと同じなのです。


「この金額だったら売れるかもしれない価格」を数社から提示されて、一社を選ぶことを強要されているのです。

一番高い価格を出してきた仲介業者を選んで売却を依頼したとしても、数か月経過して、「すみません、なかなかお客さんがつきません。販売価格を下げませんか?」と言われるのが関の山です。

このワザと高い査定価格を提示して、売却の依頼を受けることを、「高預かり」と言います。高い価格を提示して、依頼を受けて、後に価格を下げさせる手法です。

「高預かり」は、大手の仲介不動産会社も平気でやっていることです。

当然、不動産業界にいない人にとって見抜くことは出来ません。


以上が、一般的な一括査定を利用したケースです。

次回からは、ではどうしたら良いのかをお話していきたいと考えております。


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