嗚呼なんて面倒な幽霊屋敷:2.
2.「やっぱり帰ろうぜ……無理だよこんなん……」
「一番乗り気だったろうが、この腰抜け。」
「瑞希だって声震えてんじゃねぇか。」
きしむドアを開ければ、真後ろで二人がぎゃいぎゃいと喚く。すぐ喧嘩すんだから。というか、さんざ言っているけど先頭を当たり前のように私に押し付けた時点でどんぐりの背比べなんだよなぁ。
「じゃ、帰る?」
「「まさか!」」
食い気味の返事に思わず体が仰け反った。典型的な売られた喧嘩は倍額支払って買うタイプの二人は、ここまで来たら引き下がれない質なんだ