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対話流 未来を生み出すコミュニケーション

こんにちは、秋山です。
今日は積読解消シリーズ、対話流をサマリーしていきます。
積読解消シリーズいつまで続くのかなと気になってカウントしてみたら、100冊くらいありました。読書スピードが間に合えば、3ヶ月はネタが尽きません。ひー!

最近の私の中でのバズワードが、アクションラーニングとプロジェクトベースドラーニンの2つ。今回は、日本のアクションラーニングの第一人者の清宮さんと教育学者の北川さんの共著をまとめていきますが、ここからしばらくアクションラーニング関係の日が続きます。

なぜアクションラーニングに興味を持ったのか

サマリーしていく前に、なぜアクションラーニングに興味を持ったのか、個人的考えと時代背景を踏まえて記しておきます。

大人が仕事の中で経験を通じて学ぶ時に、大事なのが振り返りと概念化です。その振り返りの対象となる経験が、当人にとって良質なものでなければ、良い学びになりにくい。また偶発的な経験を振り返るだけでは、本人や会社が意図する成長の筋道を辿れるとも限りません。過去、OJTを通じてみなが同じ経験から学び、ただ真面目に現場を経験していれば、エスカレーター式に成長できた時代がありました。今の分業化とIT化が進み、仕事が細切れでスピード感が速くなる中では、経験を意図的にデザインしなくては、会社が求めるスキルを身につけてもらうことはできません。本人も、自分のキャリアにプラスになるのかわからない経験は避けたがる傾向にあります。

そんな時代背景の中で、ファシリテーターが意図をもって経験をデザインできるアクションラーンング・プロジェクトベースドラーニングは、とても有効だと言えます。

Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れたらゴミが出てくる)

良い経験と対話をデザインすることができれば、資源のない日本でも「学び」という資源を継続的に生み出すことができるのではないか、と妄想が止みません。

3行サマリー

  • 現代は実践する前に答えが見つかりにくい時代。その状態で必要なのは「問いによって問題を共有し、みんなで考えて解をつくっていく」というコミュニケーション。その雛形が「質問会議」である。


質問会議とは何か

伝達や指示命令ではない、質問が中心となる会議体。質問はあるけど、答えはない。答えのない議論をすることで、企業内のコミュニケーションの場を設計するツール。

なぜ質問なのか?をイメージしやすくするために、みなさんも、いつもの会社での会議を思い出してみてください
「〇〇について私はこう思う」
「いや、私はこうおもう」
「そもそも、〇〇ではなく△△が問題だ」
自分の主張を繰り返すだけの、小学校の学級会(まだ小学校の方がマシかも)レベルの会議が蔓延ってるのではないでしょうか。

これが起きる理由は、会議の議題やテーマ、問題について深く掘り下げる異なく、自分の主張を述べる会議の進め方・ファシリテーションに問題があります。

これをクリアするために、質問会議には4つの仕掛けがあります。
①発言を質問の形にすること
②会議自体を振り返る時間をその会議の中に盛り込むこと
③会議を問題の共有から始めること
④違和感を表明する場面があること

解決策は何か、からはいってしまうと、答えは何かを求めることになります。分業化が進み、各々が持つ情報に格差があるとき、それぞれが頭におもいうかべる答えには、違いあります。だれかが「これが正しい」といいっても、必ず反論が生まれる。ただし会議時間問題や、目上の人に発言しずらい雰囲気などからその違和感は表出せずに、うやむやのまま。反対も合意も意見が出ず、なんとなくアクションが決まる。しかし現場にかえっても実行されない。なんてことが日常茶飯事です。

こういった無意味な会議を避けるためのトレーニングとして、何が本当の問題なのかを対話的に議論する、質問会議が有効なのです。

違和感のハンドリング、根回しを明るい場所でする

質問会議では、「問題は何か」という時に、一人一人に確認をします。一人ずつ確認されると、ちょっと違うと思うという声が割とでやすい。

根回しを明るい場所=会議の場でできるようになれば、対話的な会議ができていると考えて良いレベルになります。

問題解決のための「訊く」と「聴く」

対立とは優先順位の違いが生み出すものです。

子供を日本で育てたいと思う奥さんの優先順位は、安全性・教育・コスト。イギリスで育てたいと思う旦那さんの優先順位は、教育・文化・安全性。
それぞれがお互いの主張をぶつけ合っても、優先順位が変わることはありません。なぜその順位なのか?を解き明かすプロセスの中で、お互いに譲歩できる部分はないのか、はたまた対話の中で順位が変わるか、実は同じ順番だったなんてことも起きる。

まず必要なのは、相手の言い分を「聴くこと」
そして、相手と自分の意見が対立しそうな点について「なぜ?」と「訊くこと」

お互いがお互いの主張になっとくできるまで、聴くと訊くを繰り返すこと。その先に主張をすり合わせるフェーズがある。

価値観を吊り下げる、判断を保留することの重要さ

聴く・訊く時に必要になるのが、自分の価値観を一旦横に置いておくこと。内心では反対していても、反対しているとすぐさま主張するのではなく、相手の言い分を聴くために、自分の判断を保留しフラットに尋ねることが大切です。

変化する力とは、自分の判断を保留するところから始まります。
相手の意見を聞いて、自分とは異なる価値観に触れて、なるほどと思うことがあれば積極的に取り入れる。あるいは目的に応じて自分の意見を自在に変えていく。これが変わる力です。

(儒教では、言行一致が求められるので、日本人はこの価値観を保留することが苦手だと言われています。)

日本人が苦手な読解力

自分の判断を保留し、相手が言動にいたるまでのプロセスを訊く過程の中で重要になるのが、推論です。心理学的には、推論のはしごといったりします。

相手の発言の根源にある情報や経験、価値観をたどる、推論のはしごをかけることが、建設的な議論のベースになります。相手の意見を真っ向から否定、賛成するのではなく、なぜそう思ったのか、情報の取り出しをすることが大切です。

「推論のはしご」をチームでかけるトレーニング

意見を言う人と、その根拠をあげる人を変えていくゲーム。

例えば犬か猫かわらかない写真を用意します。まずAさんがその写真をみて、犬か猫かを答えます。次にBさんが、その根拠をすぐさま尋ねます。Bさんが犬か猫か実際にどうおもったかは関係なく、Aさんの回答に従って根拠を述べるのです。

この方法は、答える人をすぐさま変えていくところにポイントがあります。エンパシー(相手の立場になって自分なりに考えてみる、他社の靴を履く)を働かせて実際の会議の場で考えるには、瞬発力が必要です。悠長に考えてる暇はないので、テンポよく回していくことが大切になります。

みんなが自分を育て、自分がみんなを育てた

アクションラーニングは、意見と知識と経験を共有することで、成長実感を得ることができる学び方です。それも一時間という短い間で、かつ協働的に感じられることがポイントです。これには思わぬメリットがあります。リテンションです。

若年層が辞める理由は、この会社で成長できないと思うから。別のところに行かないと自分がダメになってしまうと焦るからです。

業務が上から投げられて自分が何のために何をやっているのかわからないとか、フィードバックがないと言う仕事は成長実感を感じられない。

自分がやっていることに対しての成長実感と、認められ感があたられるのが協働学習のいいところです。これを学校以外の、社会の中にどう設計して組み込めるかが、みんあで学び続ける学習大国になるための鍵です。

個人的感想

最近ずっと悩んでいた、みんなが好き勝手話して、全く建設的な議論に発展しない原因に一歩近づけた気がする。他責思考、問題は提示するが解決するのは別の人、自分の主張だけで相手の主張を聞こうともしない。個人が悪いのではなく、意見を対立させてしまうファシリテーションの仕方に一因があるとわかった。

なぜアクションラーニングがいいのか、対話が大事なのかは理解できたので、具体的にアクションラーニングとは何なのかは、次で学んでいきたいと思います。

以上!

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