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医学部では部活に入らないと困る?

「医学部では部活にはいらないと進級できない/困る」という都市伝説、割とよく見かけたり、聞いたりしません?いつどこで見たかといわれるとパッとは思い出せないけれど…
 特に再受験生では、このあたり気になる人も多いと思うので、学生生活を送っていて感じたところを書いてみようと思います。

 まず、結論から言うと、私の知るかぎり、
別に部活にはいらなくても大丈夫!です。

部活にはいらないと困る、という言説の根拠としてよく聞くのは、部活にはいっていないと
・先輩から過去問をもらえない
・先輩から教科書をもらえない
あたりかと思うので、この二点を中心に書いていきます。

過去問をもらえない?

 医学部は基本的に、専門課程のほとんど全ての科目が必修で、試験を受けて、全ての科目に合格してはじめて進級できます。(最後に国家試験があるので、どうしても国家試験予備校的側面が強くなってしまうのです…)試験の範囲はなかなか膨大で、数十コマ分、教科書何千ページ分の範囲が一度にかされることがザラなので、まともにやっていては、到底間に合いません。試験までに、本読み終わらないです…。
 そういったわけで、どうしても過去問で、頻出範囲の演習をすることが試験対策の中心となってしまいます。つまり、過去問を持っていて初めて試験対策ができるのです。

 ですから、「過去問がもらえない」というのは致命的で、過去問は当然先輩からもらうものなので、部活にはいっていないと困る、というわけです

少し前まではそうでした。が、
今は学年でweb上で共有しているところが多いと思います。

 今の時代、web上で共有するのは簡単なんですもん。iPad等タブレットを使っている人も多いので、データで共有することに抵抗もありません。ですから、部活にはいらなくても過去問は手にはいります。
(部活の勧誘のために学年でのweb上での共有を取り入れないようにしていたり、部外に貸し出すことを禁止しているところがある、なんて噂を聞いたことがありますが、私の所属や友人のいる他大学を含めて、知るかぎりはみな学年で共有しています)

先輩から教科書をもらえない?

 医学書は高いから、部活に入らないと教科書自分で買うことになってすごいお金がかかる!大変!というはなしなのですが…

そもそも部活はお金がかかります!

 特に運動部は、一年間で使う全ての教科書を新品で買うよりもお金がかかるところも少なくないのでは…。教科書は中古で比較的安く買うこともできますし、今は講義スライドが資料として提供されることがほとんどなので、そもそも教科書を買わない学生も多いです。(私は、買ったほうが絶対にいいと思います。これについては、また後日)

だけど、いいこともたくさんあるよ!

 ここまで読んでくださった方は、私はアンチ部活なんだな、と思うかもしれません。が、私自身は部活に入っており、とても楽しく、充実した時間を送れていて、はいって本当によかったと思っています。

 焦って部活に入る必要はないと思いますが、自分に合う部活に入れば、気晴らしにもなりますし、縦にも横にも交友関係が広がって、非常に有意義です。勉強以外にも打ち込めることが増えることは、とても楽しいことです。

 実用面(?)としては、先輩とのつながりができることで、先の学年や仕事の実際について直接話を聞くことができる、というのも大きなメリットです。部活によっては、再受験生、編入生が多いところもあり、そういった少数派の先輩に出会う貴重な機会ともなります。

 また、これは医学部の文化なのだと思うのですが、学生も、現場で働く先生方は、やたら部活を聞いてきます。自己紹介をすると、まず「何部?」と聞かれます。絶対に聞かれます!!(笑)
 この文化はおそらく、実際に部活に入っている人が大多数で、話題として最も手軽なことと、働き出してからこそが本当の勉強の始まり、というタイプの職業なので、勉強以外のことにも打ち込んでほしい、とおっしゃる先生が多いこととも関係するのでしょう…。

 この質問に対して、部活に入っていないとこたえると若干驚かれるというか、「ちょっと変わった人かもしれない」と認識されているような気がします(私の推測ですが)。ただ、事情があって部活に入らない人や、学外で何かに取り組んでいる人もいると思うので、そういう人は話せる範囲でそういった事情を話せばいいだけですし、話さなくても、少しの気まずさを我慢すればいいだけです。

 今回のテーマに戻ると、部活は、入らなくてもそんなに困りません。が、打ち込める部活、心安らげる部活があると、日々の活力となります。人脈や、新たな武器を手に入れる機会となるかもしれません。ぜひ興味のある部活をのぞいてみてください。活動強度も様々で、自分にとって無理のない、楽しく過ごせそうなところがきっとあると思います。
 再受験生も、先輩方も歳の離れた学生の存在には慣れているし、同期もあっという間に慣れてくれるので、きっと自分の年齢を忘れて楽しく過ごせるはずです。

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