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【洋書多読】Lying Beside You(191冊目)

イギリスの人気作家Michael Robothamの『Lying Beside You』を読了しました。

本書の前作に当たる『When She was Good』『Good Girl, Bad Girl』に並んで、コチラもとってもハラハラして面白かったです。超絶オススメです。

お話のあらすじ

主人公はCyrus Havenという犯罪心理学者です。彼の周辺で起きる猟奇的な事件に心理学的な知識を持って挑んでいく、というのがメインのお話。

その物語を深みのあるものにしているのが、Evieという少女で、彼女は幼少期に虐待を受けて施設に保護されていたのですが、前作で、この少女をCyrusが引き取ります。

Evieはどういうわけだか「人の嘘を見抜くことができる」能力をもっていて、彼女が直接的・間接的にCyrusと事件に関わっていくことで、物語が大きく展開する。この感じが本シリーズの面白さの一つになっているようです。

今回はそこに、Cyrusの実の兄であるEliasは、実は両親と彼らの妹の三人を惨殺したのですが、統合失調症により罪を免れ、長きに渡って精神病院に収容されていました。

今回の『Lying Beside You』では、そのEliasがついに精神科から仮退院してきて、Cyrus、Evieと一緒に生活することになります。

めちゃくちゃ面白そうじゃないですか?

サスペンスのすすめ

英語コーチとしての立場から『多読』をおすすめしている僕ですが、最近サイエンスフィクションとかサスペンス系の洋書が『多読』に大変有効なんじゃないか?と思うようになってきました。

その理由をいかに述べてみます。

1.情景描写が淡々としていて、英語がシンプルで読みやすい

コテコテの文学作品と違って文章に過度な修辞的表現が散りばめられているわけではないので、ノンネイティブの英語学習者である僕たちでも十分楽しめる、というのが第一の理由です。

これは東野圭吾の『容疑者Xの献身』の英訳版を読んでいて思ったことでした。サスペンスフィクションは単語さえわかれば、英文自体はシンプルで読みやすいんです。教科書英語の延長です。これで10万語以上の読書量を稼ぐことができるんだから、これは手に取らない手はありません。

日本語→英語訳では、場合によっては原作の雰囲気が英語でスポイルされている、というファンの方の意見を聞いたことがありますのでそこは好みが分かれそうですが(ちなみに僕は東野圭吾のファンではないので、純粋にプロットの面白さに引かれて読み進めました)、日本語で書かれたものの英語版は英語力の低さを背景情報の豊富さがカバーしてくれるので、少し上の英語レベルのものにも手を出すことができます。

結果、効率的に英語力を伸ばすことができる。おすすめです。

2.現実離れした描写がない

多読ではよくファンタジーモノの作品なんかが推奨されていたりしますが、これ、慣れていないと結構曲者です。主人公が急に空を飛んだり異次元にワープしたりすると、「え?!」ってなって話の筋を見失いがちです。

また、独特の造語である魔法用語とか、薬草とかの名前とか、そういう普段見慣れない名詞もまた、読み進めるのを妨げます。

これが、『Harry Potter』シリーズの原書が多くの英語学習者の学習意欲をくじいてきたことの理由です。

そこに時間軸が加わって、主人公が現在とか過去・未来を行き来するようになったりすると、僕たちが苦手な「時制」を読み間違えてしまって、ますます物語の意味がわからなくなってしまいます。ある文章の述語動詞が「現在形」か「過去形」かで物語の展開や保つ意味が大きく変わってしまうからです。

しかも、その手の物語ってネイティブの小中学生を想定読者に描かれていることが多く、「小中学生向けの英語すら読めない…」と落ち込んでしまうか、自分にキレてしまうかのどちらかになってしまいます。

この手のお話は面白いものが多いので、読まないでいるのはもったいないとは思うものの、サスペンスとかミステリーにはそういうぶっ飛んだ描写はなく、あくまで現実に起こり得そうな物理現象をベースに話が進んでいくので、変な読み間違いとかはファンタジーに比べて少ないでしょう。

3.ノンフィクションは退屈だし難しいし、なかなかいいのが出ないから

それならいっそのことノンフィクションを読んでしまえばいいんじゃないか、という話になります。そして事実、ノンフィクションの中には優れて読みやすいものもたくさんあります。

例えば世界中で大ヒットを記録した『Atmic Habits』

または、コチラも驚異的に売れ続けている『Factfulness』

『金持ち父さん貧乏父さん』なんかも、英語学習者向けに丁度いい難易度の英語で描かれていておすすめです。

ただ、これらの超ヒット作レベル以外のノンフィクションは難しいです。そりゃあネティ部の真面目なおとなが読むんだから、書いてることも堅苦しいし、英語もカチッとしすぎてて退屈です。

物語性の強いノンフィクションとしては『Tuesdays with Morrie』なんておすすめです。

あと、去年僕が大ハマリした『In Order to Live』とか。

でも「そこそこ読みやすい英語」で書かれていてしかも世界レベルのベストセラーになる洋書なんて、年に一回出るか出ないか?くらいのレベルなので、早々コンスタントに読み進めることはできません。

それなら、ビン自リードbinge-read(シリーズ物一気読み)に適しているサイエンスフィクションのような物語のほうがいいし、何より時間を忘れて没頭できる可能性が高いので、いいんじゃないかと思う次第です。

では「サスペンスに勝てる洋書のジャンル」って?

そんな訳で、色々考えてみた結果、効果的に英語力UPを目指して洋書を読むなら、ある程度の語彙力を文法力を獲得した上で「サスペンス」に入っていくのがとってもいいような気がしています。

でも、そもそも「サスペンスとか、ちょっと…」という方も多いはず。なにせ僕もそうでしたから。

では、そんな方はどうすればいいか?といえば、これはもうやっぱり

自分が興味関心のある分野に英語の洋書を読む

これに尽きるでしょう。

僕も最近東京にメディテーションのプラクティスに来てからずっとマインドフルネスメディテーション関係の洋書を読み漁っていますが、これはもうとても面白いですし、ためになります。

お酒飲んだあと寝る前に読んだり聞いたりしているものについては、いつもやっている『今週の英語学習』の学習時間にはカウントしていませんが、これだと「無理して英語を勉強している」という感じにならないので、とってもいいです。

やっぱり「好き」にまさる感情はないということですね。

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