鬼滅の刃【遊郭編】から学ぶ 性犯罪の被害者と加害者をなくす方法とは?
私はあまり漫画やアニメを継続してみるのが得意ではありませんが、大人になってから少年漫画から学べることって沢山あるのだなとつくづく思います。さすが少年漫画であるだけに、少年・少女たちの成長を応援してくれるのですね♪
特に私が感動したのが鬼滅の刃がトラウマサバイバーをわかりやすく描いた作品だなと思いました。そしてトラウマサバイバーを救うことは性犯罪の被害者と加害者を救うことになくてはならないことです。
その描写がよくわかりやすく描かれていたのが遊郭編になります。本記事では鬼滅の刃の遊郭編を中心に性犯罪の被害者と加害者をなくす方法について言及していきます。
※ネタバレもありますので、これから鬼滅の刃を楽しみたい方はご注意ください
トラウマサバイバーとは
トラウマサバイバーとはトラウマ体験(災害、虐待、戦争といった心に深い傷を負う体験)を負い、生き延びている人々のことを指します。そのため、性犯罪の被害者はトラウマサバイバーに当たります。
「えー、性犯罪ってそんなに心に傷を残すか?」と思うかもしれませんが、日本精神神経学会が出している精神疾患の診断マニュアルには性被害はPTSDに高い確率で移行するトラウマ体験として載せられています。
https://store.isho.jp/search/detail/productId/2306208820
そして突然家族の命を奪われた鬼滅の刃の炭治郎と禰󠄀豆子の兄妹もトラウマサバイバーに当たります。
性犯罪を”鬼滅の刃”の世界観に当てはめて考えてみよう
ざっと鬼滅の刃の話の概要を説明すると、鬼という人を食い荒らす存在と鬼殺隊という鬼を倒す組織達との戦いを表した話になります。そして、主人公の炭治郎は家族を鬼に襲われ、唯一生き残った妹の禰󠄀豆子が鬼となってしまい、鬼殺隊に入隊して一緒に鬼を倒すのと共に妹を人間に戻せるよう奮闘する話になります。
加害者を”鬼”と考えてみましょう
性犯罪の加害者を鬼滅の刃の世界でいう鬼と捉えましょう。
この鬼という存在は元はというと人間でした。人間のときに辛い過去があった経験をもつものが大半を占めています。(そうじゃないものもいますが、、)
被害者を”鬼の被害に遭った人”と考えてみましょう
そして性犯罪の被害者を鬼滅の刃の鬼の被害にあった人と考えましょう。炭治郎兄妹がまさにそうですし、トラウマサバイバーに当たります。
心身に深い傷を負い、誰かに助けてもらわなければ死ぬか、鬼になってしまいます。
被害者をちゃんと助けてあげられないと加害者になってしまう
はっと思った方も多いかと思いますが、鬼はもともと人間であり、人間世界で色々と辛い体験をし、助けてくれる人もおらず人間世界で生きることに辛くなってしまった被害者なのです。
私は数年性犯罪の支援に携わっていますが、加害者とも面談することもあり、加害者のほとんどが自分自身も性犯罪の被害者、もしくは他の被害のトラウマサバイバーであったケースが多いです。
加害者は自分が被害者であった時、社会の偏見のせいで助けを求められなかったり、周囲から不適切な扱いを受け、自身の傷が癒えない状況が続いた結果、今度は自分の被害体験を覆い隠すかのように加害者となってしまうケースが度々見受けられます。
被害者が誰に助けられるかでその後の人生が決まる
さて、話は鬼滅の刃に戻ります。鬼滅の刃の遊郭編で出てくる妓夫太郎と堕姫という兄妹鬼ですが、人間時代は周囲から軽蔑され辛い人生をおくっていました。そう、彼らは被害者なのです。
そして、妹が死にそうになっているところを童磨という鬼と出会い、2人は鬼としての人生(鬼生?)が始まり、自分たちを軽蔑してきた人間たちを今度は食い荒らすという加害者になります。
しかし、炭治郎と禰󠄀豆子の兄妹はというと、、
この2人は鬼殺隊の隊員である水柱の富岡義勇と出会います。そして、この出会いが彼らを鬼殺隊に入隊させ、禰󠄀豆子は鬼となってしまっても人は襲わずに見事人間に戻るという奇跡が起こるのです。
そう、この鬼殺隊は被害者を救う支援者にあたるのです。
ということは、この鬼殺隊が沢山いればいるほど、被害者が高確率で適切な支援を受けられ、社会復帰でき、これ以上の加害者や被害者を生まないということになります。
鬼殺隊=性暴力被害者支援ワンストップ支援センターを増設して被害者と加害者を出さない!
みなさん性暴力被害者支援ワンストップ支援センターをご存知でしょうか?きっと知らないと答える人が大半でしょう。
それだけ日本は性犯罪被害を相談できる施設が少ないということです。つまり、このままでは鬼殺隊が少なさすぎて鬼の数に負けてしまい、被害者と鬼が増え続けることになります。
上の動画は性暴力被害者支援センターである「なごみ」という施設になります。性暴力の被害者支援を365日請け負う鬼殺隊になります!
このワンストップ支援センター、もしくはこの施設にかわるものを増設していくことがこれ以上被害者と加害者を出さないことにつながります。
何よりも被害者を理解しようとする1人1人の心がこれ以上被害者と加害者を出さない!
冒頭でも言いましたように、被害者が助けを求められないのは社会に理解されていないからです。
ワンストップ支援センターの増設にはどうしても時間はかかってしまいますが、被害者のことを正しく理解し、手を差し伸べ、ワンストップ支援センターなどの頼れる社会資源を紹介するということなら私たち1人1人にもすぐに実践に移せます。
まずは、私たちが正しく被害者の置かれている辛い現状を偏見にとらわれずに正しく理解することから道は開けるのです。
以下の記事にて性犯罪の被害者への理解を深める内容を掲載しているので、ご一読してもらえると嬉しいです❤️