手放し身軽になる

先日常に持ち歩いていたポケットWi-Fiを解約した。
どこへ出掛けてもPCやスマホなどが繋がって
とても便利に使っていたものだ。

解約する前は
本当に手放しても大丈夫かと随分と迷ったが、
以前のように出歩かなくなったことと
外で仕事をしようという気持ちには
全くならなくなったことから
思い切って解約することにした。

——外へ出かけよう
——人と出会おう

コロナ前にはそんな言葉が溢れていたように思う。
私の手帳の最初のページには
思いつく限りのその年の目標を書き連ねてあるのだが
そこにも似通った言葉が書かれている。

では出歩かなくなって実際どうか。

とても満ち足りている

私は人と接することにストレスを感じてしまう。
あれこれ考え過ぎてしまうため
直接会わない方が良好な関係を築くことができる。
在宅万歳。

どこへ行っても自宅にいるのと
同じように作業ができることは
それは自由だと考えていた。
場所を選ばずに仕事ができることに
型にはまらない働き方とその環境に
実は酔っていたのかもしれない。

以前までは「出掛けなくちゃいけない」という
いわば強迫観念のようなものがあったように思う。
でもそれは当たり前ではないことに気付き、
しかもそういう類の言葉は
知らない誰かが言ったことであって
自分自身の正直な気持ちではなかったようだ。

ほぼ自宅で過ごし
来る日も来る日も
仕事と家事と子の勉強の繰り返し。
でもそのルーティーンの中で
コツや楽しみを見つけ、
また時間を見つけて絵や文を書くことで
自身が満たされていることに気がついた。

以前よりも気持ちが落ち着いているように思う。
——前はもっとイライラかりかりしていたな

外で格好良く仕事をする人を
今でも素敵だと思うけれど、
それは自分にはないもの
できないことだから憧れに過ぎない。
私はこうした狭い空間で
自分の世界を味わう方が性に合っていたようだ。

確かに今は世界的に不安定な時期ではあるけれど
環境が変わることで本来の自分と出会えたように思う。
今の方がよっぽど自由だと実感できている。