道を進む

前へと続く道を進む。
私は周りと同じ速度で
同じ方向へと向かう。

停まった時には
道ゆく人を横目に
いつもの同じ道
同じ景色の中に
少しでも違いがないかを眺める。

目的地へと進むその道は
他にもきっと行き方はあるのだろうけど
私は決まった道を進む。

安心を得るために、
不安に襲われないために、
そして平常心と安全とを
心に留めておくために。

しかし唐突に私の進む目の前に
横から入ってくる輩がいる。

——いいんだ、いいんだ
——何も問題はない

そう思ってやり過ごすものの、
自分自身が大いに期待していることがある。
それがなかった時の苛立ちと、
あった時の寛容さと、
どうしてこうも差があるのかと
自分の心の狭さにうろたえてしまう。

誰も持ちつ持たれつで
お互い様の世の中、
そんな思い通りに
ことが運ぶはずもないのに
どうしてほんの小さなことで
これほどにムキになってしまうのか。
これが私の本性なのかと
目を背けている自分がいる。

でも同じ気持ちになる人が多いと聞く。
そうすると心が狭い人が多い世の中なのか？
それとも強引な人が増えてしまったのか？

いずれにしても、
気持ちよく過ごすための
ひとつの手段として、
私はサンキューハザードが
欲しいなというおはなしでした。