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おつまみのベスト・ミスマッチ:おすすめのおつまみたち

 ワインのおつまみならチーズ、とかサラミ、とか、そういう「定番」を決めてしまうのはナンセンスだと思っている。思っているけれども、やっぱりチャームに何を選ぶのかと言うのは重要なことだと思う。だって一緒に舌にのせるものだ。当然お酒の味わいが変わるし、その場のムードだって変わるもの。そしてムードと言うのは結局のところ、お酒のおいしさを全く変えてしまう。

 ということで、今回はあすすめのおつまみの話。お酒のみにはとっても魅力的な話ではないかしら。

 あらゆるお酒に合う軽食、といえば、私個人はお野菜と果物だ、と信じている。アルコールは脱水作用を起こすものだから、お野菜をおいしく感じるのだと思う。お野菜も果物も、だから水分のたっぷりしたものならなおおいしい。
 でもお酒を飲む前にお野菜を切ったり果物を洗ったりするのはちょっとめんどう。それが特別なシーンならなおさらだ。誰も大変じゃない、ということが、特別なシーンには大切なことなのだ。
 ちなみに私はお酒があれば何でも「ちょっとしたパーティー」にしてしまう人間なので、大抵の場合、お酒の席を特別なシーンだととらえている。母が訪ねてくればそれだけでパーティーだし、一人でも新しいお花を花瓶に生けた日なら一人の夜でもパーティーなのだ。パーティーならホスト含めてみんなくつろげるのがいいもの。

 もちろんムーミンママみたいにテーブルに白いクロスを引いて、木苺のジャムやらパンケーキやらお手製のものをたくさん振舞う家庭的なパーティーホストに憧れないわけではないけれど、それは私にはちょっと難しい。第一不器用だし、面倒くさがりのずぼらだし、手際が良くないのですごく人を待たせてしまうから。
 だからせめて、私の見つけたとっておきの組み合わせをふるまえる人間でありたいなと思う。

 それで。
 私がこの世で一番すきなお酒のための軽食は、ホワイトアスパラガスの瓶詰である。

 そのままはもちろん、マヨネーズとブラックペッパーをソースとして食べるともう信じられないほどおいしい!大抵のお酒に合うけれども、当然一番のおすすめは白ワイン。ちなみに甘みが強いせいか、意外と赤ワインの強い後味にも負けない。

 それから、天狗のビーフジャーキー。

 これは昔知人がお酒のみの私に勧めてくれたもので、それから結構好きになった。かなり厚みがあって、ちゃんとお肉の味がする。簡単に手に春ビーフジャーキーにありがちな、ちょっと化学薬品っぽい味がしないのもいいところ。ちなみにこれにはがぜん赤ワインがおすすめである。ビールにも合うけれど、ウイスキーと白ワインには……。

 ところで、冒頭で話したチーズ。私はお酒のおつまみならば、チーズは癖のないモノならば赤ワインよりもむしろ白ワインに合うと思っている。それからバーボンのロックにも。最も、癖の強いチーズを食べないからそう思うのかもしれない。モッツァレラが一番好きで、お勧めはこれ。

 一般的なものよりもお塩の味が濃くて、でもミルクの丸い味がして、すごくお酒に合うようになっている。それから歯触りが、なんだかもきゅっとしているの。女の子の好きそうな歯触り。

 ちなみに癖のないチーズならなんでも食べられますと言うのではなく、カマンベールは食べられない。カビの匂いがだめなんです。
 だから乳製品ならば、チーズよりもレーズンバターが実は最高のお酒のおつまみだと思っている。試したことのある人は少ないかもしれないけれど…バターをそのまま?と思わず食べてみてほしい。簡単に買えるものはこれ。大切なのはレーズンバターサンドではなくてレーズンバターそのものであるということ。レーズンバターサンドはスイーツのフィリングとして、ホワイトチョコレートが混ぜてあるものがほとんどだから、なんだかちょっと違うんです。


 バターそのものだから当然脂分と塩分でからだにはよくないのだけれど、脂肪のこっくりとしたまろやかさがアルコールのぴりりとした刺激に信じられないほど甘やかでおいしいのだ。甘いけれど当然お塩の味がするので、お酒と一緒に口の中で溶けるともう信じがたいほど甘美な味がする。贅沢な味。

 ちなみにチャームの定番ならば、チョコレートやナッツは?と思う方もいらっしゃるでしょうけれど、チョコレートやナッツはお酒との相乗効果がなくても端的に甘美でおいしいので紹介はしません。だってお酒のおつまみとして優秀、というのとは話が違ってしまうでしょ。

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