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人生と切り離せないもの:ロマンチックの頂点のワイン

 以前「これなしには人生をとてもやっていけない」というものとしてお酒を挙げたけれども、その中で私にとっても最も大切で特別なお酒はワインだ。

 一番好きなのは白のスパークリングだけれど、実際は白でも赤でもなんでも好き。でもワインを一緒に飲みに行くようなお友達はいないので、大抵の場合家で飲む。一人か、あるいはほんの少し離れたところに住んでいる母と。
 そういえば、これは大学時代に驚いたことの一つに、若い人はあんまりワインを飲まないらしい、ということがあった。酸味や渋みが舌に馴染まないんですって。私は今年26になるので、たぶんまだ年若い部類に入るのだろう。でもそれよりもっと以前から私はワインが一番好きだ。もっともワインに限ることなく、お酒なら大抵のものが好きだけれど。

 とはいえ、私はワインこそ真に特別なお酒だと信じている。なにせ他のお酒とは全然違うのだ。まず、その響きだ。ワイン、という響きってなんてロマンチックなんだろう!そもそもお酒というものは、その「ロマン」という言葉が包摂するものは多岐にわたるにせよ、すべてロマンチックなものだと思う。だからこそ、ロマンチックであればあるほどお酒として良いものだ、と私は信じている。ロマンチックさでいえば、お酒においてワインに勝るものはない。だからお酒の中で最も特別なものは私にとってワインなんです。

 たとえば春の風の気持ちいい中で、ちょっとビールを飲みましょう、というのとワインを飲みましょう、というのとでは全然違う。クリスマスマーケットの喧騒の中で、ホットウイスキーを飲みましょう、と言うのとホットワインを飲みましょう、と言うのとは全然違う。お土産にグラッパを持ってきたよ、と言われるのとワインを持ってきたよ、と言われるのとは、もう、全く違うことだ。
 その次にワインが特別なのは、やっぱり冷やして飲むべきものだから、ということがあると思う。ビールはちょっとさて置いて、ウイスキーやリキュールなんかは大抵割物と併せるときにふんだんに氷を入れて冷たくするけれど、ワインはボトルごと冷やして飲むものである、というのがすてきなのだ。つまり、冷やしておかなければ飲めないということ。行き当たりばったりで飲むのではなくて、ワインを飲みましょう、という心構えがあって飲むのだ。そういうところが特別。

 白ワインは大抵のものに合うし、赤ワインは小さなチャームだけで飲めるけれども、ワインがあると食べ物ではなくワインそのものが主役になる気がする。軽食を楽しめるのはお酒の醍醐味の一つだけれど、お酒単体がそれだけで主役になるというのは、ワインの特性だと思う。ちなみにこれに類するものに私は日本酒もカウントしている。そして、お酒それ自体が主役になりうるということとロマンチックさはなんとなく結びついている気がする。

 ちなみにワインの中で私がもっとも好んで飲むのはやっぱり白ワイン。ガス入りならなおいいけれど、それに限らず白が一番好きだ。それもすっきりとした飲み口のもの。赤はちょっと間違えたら生臭さを感じることもあるけれど、白ワインなら酸味や甘みの好みはあってもはずれにあたることはないし、それに赤ワインと違って唇をムラサキに染めないので、誰とでも気兼ねなく飲めるのだ。

 ちなみにおすすめの白ワインは

 酸味の程度がすごく心地いいのだ。渋みが少なくてさらりと飲めるけれど、後味がきりっとしていてべたべたしない。甘いデザートワインが好きな人には合わないだろうけれど、さらりとしたのが好きな人にはがぜんおすすめ。人生で一番おいしいと思った白ワインはまた別なのだけれど、それは販売経路がごくごく限られるので割愛します。
 ちなみに私とワインの好みが正反対で、酸味少なく甘いけれど後味のすっきりしたものが好きな母が好んで飲むのはデリカのスパークリングだ。きっとほとんどの女性はすきな味がする。ちょっとシャンメリーに似ていると思う。


 ただ上のデリカは辛党の私には甘すぎるみたい。私自身は手軽に買えるものならタヴェルネッロ オルガニコが好き。すっきりとしてさわやかなのに酸味が少なくい感じ。


 市販品でこれを越えて好きなものにはまだ出会えていないと思う。ちなみに私にとってお酒について重要なことの一つは、街中で気軽に買えること。そしてすごくたくさん飲むので、高すぎないことも大切。

 ちなみに私はワインをのむなら一人きりか、あるいは女同士か恋人とだけ、と決めている。
なぜかというと、ワインがロマンチックなお酒だから。女同士で話をするのはそれだけでチャーミングな楽しみだし、チャーミングな楽しみと言うものは得てしてロマンチックでしょう。でもやっぱりとっておきのロマンチックというものは、心ごと溶けてしまうほど好きな人の顔を見ていること。第一恋人じゃない男の人と、ロマンチックなお酒なんてとても飲めない。

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