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こんな夜があってもいい

涙を飲み込むとき、
熱いものが喉の奥にこみあげる。
それは熱くなった自分の心臓のようでもあるし、
気持ちの行き場を失くしたときに、
こらえていた気持ちを代弁する
言葉の塊のようでもある。

取り乱して弱みを見せたくない弱肉強食の職場で、
どんな感情も見せたくないと思う
他人に無頓着な人たちの前で、
感情が漏れ出して負担に思われないように、
泣き顔を見せないように、私たちは気を張るのだ。

どこでも泣けるわけじゃないから、
ひとりで落ち着いて、
思いっきり泣ける場所を選ぼう。

たまにうとうとする会社の4番目のトイレ。

人がまばらなバス停。

バスの後部座席。

人間の泣き声などおかまいなく鳩たちが
平和にえさを求める公園。

すすり泣く声をクラクションが
かき消してくれる道端。

誰にも邪魔されず、
誰にも見られることのない自分だけの部屋。

「トイレ」「エスカレーター」「非常口」
そんな表示がないから見つかることのない、
ひとり泣くのに適した安全地帯。

そんな場所は、ときとして
あちこちにある賑やかなカフェよりも
私たちにとっては切実なのだ。

そこにたどり着いた瞬間、
我慢していた言葉や感情はしこりとなって、
一つの大きな泣き声と幾筋かの涙として流れ出す。
声も涙も枯れ果てれば、
一時的にでも頭と心は空っぽになる。
めまいがしそうなほど溜まっていた言葉や感情は、
きちんと積み上げるよりも、整理整頓するよりも、
ときには涙であふれさせ、
一気に流し出してしまうのがいい。

だから私たちには、
落ち着いて涙を流せる場所が必要なのだ。

すべてを吐き出したあと、
ぼーっとしていられる場所。
私たちはそこでがらんどうの部屋になる。
それは何一つない部屋などではなく、
これから新たに自分が希望する言葉や気持ち、
考えや意志でまた満たされる
すっきりきれいになった空っぽの部屋。

泣くのに最適な場所のおかげで、
私たちはまた歩き出すことができるのだ。

   「私という植物を育てることに決めた」



配信中に無言で泣く姿、、、


いつも画面越しの人物なのに
今日ばかりは自分と同じように脆くて か弱い
同じ世界線にいる 同じ人間に感じられた。

完璧な人間はいないんだと。

どれだけ愛されていても
不完全で、心が泣く日もあるんだと。


何度も読んでいるこの本が、
今夜の心境には、とてもよく似合う。


ただ一つ言えるのは、

泣ける場所があってよかった... と
泣ける場所になってよかった... と



したいときに したいように

好きなときに 好きなように...

日々色んなノイズが入る世の中だけど

どうか埋もれることなく
いつの日も自然体で 自由であってほしい。

そして、
埋もれそうになった時は
溢れ出す涙はそのままに
思う存分吐き出して泣いたっていいのだから。

どうか
安全で落ち着ける場所がありますように。



夜は、
自由な発想が出来る一方、
未練、後悔、悲しみ、憂鬱が
ノックせずにズカズカと踏み込んでくる
感情的な時間帯。

次の日の朝、思い悩んでいたことは
大したことじゃなくなっているし、
自分の中に眠っていた問題解決能力と
強い気持ちにも気づけるはず。

さあ、とびきり美味しい朝ごはんを準備しよう。

私たちは、誰だって時間や状況によって、
まったくの別人になる。
だから、ときに予想外の自分の姿に
あわてふためいたりもする。

でもそんなときは、
自分を少しだけ甘やかさないといけない。
いろいろな姿のあなたを理解し、抱きしめて、
受け入れてあげよう。
慣れ親しんだ自分、お気に入りの自分が
現れるまで待ってみよう。

夜のあなたが過ぎ去れば、
きっと朝のあなたに出会るから。

同上


何はともあれ、

明日朝が来たら
昨日の夜のもつれた感情がクリアになって
新しい一日のエネルギーに出会えていますように
...

そして
一日の終わりが「今日も幸せだった」と思う日が
一日でも多くありますように...

Good night.  Sweat dreams. 🌛



end.

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