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いつかはシェアハウス



今日、友達に「一緒に住まない?」と誘われた。




その友達とは、

高校3年間クラスが一緒で、

休み時間に一緒にダラダラしたり、

好きなドラマが同じで毎週感想を言い合ったり、

選択授業で美術を一緒に受けたり、

卒業式の後にパスタを食べに行ったり、

名古屋に遊びに行ったり、

同級生の近況や噂話を喫茶店に長居しながら話したり、

一人暮らしを始めた時に泊まりに来てくれて、

私が欲しかったお皿をこっそり用意してくれたり、

ケーキを食べながらドラマを一気見して
お互い何か話すわけでもなく涙を流したり、

クリスマス前に女二人だけで占いに行ったり。


そんなふうに過ごしてきた大好きな友達に
今日、突然シェアハウスに誘われた。



突然、と言うと向こうからの一方通行な感じがするが
実際はそうではなくて、
「お互い寂しがり屋やしシェアハウスしたいね」
という話は何度かしていた、気がする。
高校時代にドラマ『カルテット』を見ていたのもあって
実際お互いにめちゃめちゃ憧れているところがある。
だからお誘いLINEが来た時は心臓が跳ね上がった。

単純にびっくりしたのもあるけど、そんなドキドキとは少し違う。


すぐにバイトに出かけなければならなかったので
その時は通知を見ただけだったけど、
バイト先に向かう道中も、到着してからもずっと心が
ずきゅんずきゅんしていた。


「これあれだ、恋してる時とおんなじ状態だ。」



自転車を漕いで夜道を走りながら、
そんなふうに脳内でこの感情を分解した。


恋なんて久方ぶり過ぎて忘れかけているけど、
この胸の苦しさは、きっとそうだ。たぶんそうだ。

でも、これは恋ではない。
確かに友達のことは大好きだけど、
そういうのじゃないんだよ。全然違う。

なのになんで??なんでこんなにドキドキするの??
まだ恋を知らない思春期中学生みたいな状態だった。


それは多分、
「その子とシェアハウスをして一緒に暮らす」
ということがあまりにも現実味を帯びすぎていて、
色んな想像が一気に膨らんだからだと思う。



「一緒に住みませんか?」


の文字を見た瞬間、私の脳裏に友達と暮らしている風景がはっきりとくっきりと映った。


絶対にそんな経験しているはずがないのに、
数年前まで一緒に住んでいたかのような
存在しない記憶が、情景が、確かに見えた。
東堂葵もこんな感じだったのかな。


あまりにも嬉しくて、二つ返事で
「うん、いいよ!やろう!」と返事をしたくなったが
「今の家も結構気に入っているんよな、」と思ったり、
前日に保証会社の契約更新を行ったこともあり、
諸々の事情を鑑みて、今回は泣く泣く断ることにした。

またいつか出来たらいいな…。
憧れがさらに強くなった。


結果的に、シェアハウスの夢は叶わなかったけど、
数年ぶりに心にときめきを取り戻した気がする。
どきどきして未だに眠れない。




23歳、まだまだお互いに人生を走っている途中。

それぞれの夢や目標、環境は全然違うのに
それでも一緒に住みたいな、と思える。

今は別々でも、何年か後かにはしれ〜〜っと
同じ屋根の下に暮らしているような気がする。


そんな友達に出会えて良かったなとしみじみと感じる、
そんな出来事でした。私にとってはとても大きな。

このときめきを忘れないように、
どんなときも、
いつでも思い出せるようにノートに綴ります。


いつか、ね!

おしまい

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