常若
私は、気持ちはいつでも、龍笛を主の仕事だと思って暮らしておりますが、実際には、生活の手段として常勤もしております。
龍笛に出会う前は、ずっとギターを片手にバンド活動をしていたので、思えば大学卒業から今の今まで、就職活動というものを一切しておらず、数々の職種を転々としながら食いつないできたわけです。
いくつか挙げるとしても、清掃業や引っ越し、コピー機の設置、道路警備のような仕事から、スーパー・コンビニのレジ、カラオケボックス、非破壊検査の現場作業員、ワイン専門店、喫茶店のマスターなど、あげればまだまだあります。
一度に4つの仕事を掛け持ちしていた時期もあったりして、それぞれの体験エピソードに尽きることはないのですが、どの仕事もおおよそは1年を区切りとして別の仕事へと転職をしていました。その理由はいつでも一つではないのですが、何かが嫌になって辞めると言うよりは、その時々で急激な状況の変化や変わらざるを得ないような突発的事象が発生したりして、仕方なく次の仕事に移っていたのです。
どの仕事にしても、嫌で辞めたわけではないので、だいたい1年ぐらい経ってくるとその仕事内容にも環境にも慣れてきて働きやすく感じた頃なのですが、その時に転職するので、また一から仕事を覚えて環境に適応していくことになります。
だいたい一年周期で決まって訪れるので、常若だなぁと思いながら、また新たな仕事を新鮮な思いで聞き、覚え、形にしていくというのは、何というか、細胞がまた活性化されるというのか、脳が生まれ変わるというのか、いつでも新鮮な気持ちで生き生きと過ごすことができるのです。ちょっと特殊ですが。。。
ところで、今の仕事はなんてことはない、スマートフォンのサポート業務なのですが、何と珍しいことに先月の末をもって丸4年、同じ仕事の同じ業務を続けていました。もちろん、同じ仕事の中でもスキルアップに合わせて業務内容は増えたり密度が濃くなったりしていたのですが、それでもやってる仕事内容の根本が変わるわけではないので、最近では慣れからくる閉塞感のようなものが無意識のうちに身も心も歳をとったかのように感じさせていたのかもしれません。
が、しかし、
この12月の朔日を持って、職場の中で私が業務内容がガラッと変わりまして、管理をする側の方に回ることになったのです。これがまぁ、何とも久しぶりの感覚でして、一つ一つの仕事内容に、いちいち体の感覚が反応してピリピリするような気分になるし、気が身体の上半身の方に上がってきてノボせたようになり、意識がフラフラしてくるし、一度聞いたことが簡単に次の情報に上書きされてしまったりと、随分長い間ご無沙汰していたこの独特な、生まれ変わった感が、新鮮でたまらないのです。
多分、幾つになっても、この感覚を持ち続けることができるなら、寿命でなくなるその時まで、若い心でいられるのかもしれないなぁと、そう思いました。
二日目が終わって、あまりに仕事ができない自分に対して、笑いが止まらない。
それでも明日が来てくれる喜びと、チャレンジしようと思う意欲が湧いてくる魂に、限定のエビスを開けて乾杯しました。明日も頑張れ、俺。