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「人は誰でもポカをする。だけど生きている」

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』は、
アルパチーノが全盲の退役軍人を演じ、アカデミー賞の主演男優賞を受賞した映画だ。

この映画のワン・シーン、
その中に、今も心に残る台詞がある。


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物語は、偏屈な退役軍人フランクの元へ、全寮制の進学校に通う苦学生、

チャーリーがやってくるところから始まる。

フランクは全盲で、独り暮らしをしている。
姪であるカレンの家のすぐ隣、小さな小屋のような“離れ”で生活しているのだ。
彼はこれ以上ないほどの皮肉屋で、プライドは山のように高く、過去の勲章と古ぼけた軍服を何よりも大切にしている。

感謝祭を前にして、
姪のカレンは、家の近くにある全寮制の高校にアルバイト募集の貼り紙を出す。
彼女の一家は旅行を予定していて、その留守中の、フランクの世話係を探していたのだ。

その求人票を見て応募してきたのがチャーリーだった。

チャーリーはフランクに会い、その変人ぶりに面食らう。
プライドばかり高く、彼の口をついて出るのは皮肉まじりで独りよがりな言葉ばかりなのだから。
しかし、チャーリーは故郷オレゴンへ帰省するための旅費が必要だった。
短期のアルバイトとして報酬は悪くない。
彼は仕事を引き受ける。


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誇り高き退役軍人、フランク中佐。


彼は、人生に絶望し、生きることをやめようとしていた。

何も知らないチャーリーを伴いニューヨークへ行き、
豪遊し、一流ホテルの部屋に泊まり、
勲章の付いた軍服を身にまとい、拳銃自殺を図ろうとする。

それを懸命にとめようとするチャーリー。

「やめてください!」
「銃を置いて!」
フランクはやめようとしない。
銃口を自らの額に押し当てる。

必死のチャーリーは言う。

人は誰でもポカをする。
だけど、生きている。


oh!
17歳の高校生が
彼の3倍は生きているであろう、誇り高き退役軍人に向かい
命がけで言う。


一瞬、時が止まったかと思うほどに衝撃的で、


素敵だ。



この後、物語はまた大きな山を迎え、
最後に再び人生を歩み始めたフランクの姿を見せて……おわりとなる。



チャーリー、good job!


全盲の人を演じたアルパチーノの演技が圧巻で、
その上、タンゴを踊るシーン、全校集会のシーンなど、
見どころが満載の映画ですが、
この、ホテルの部屋でのチャーリーの一言、
いつまでも心に残る言葉です。



最後までお読みくださり、ありがとうございます。