その蕎麦湯は温かかっただろうか?
令和五年卯年1月6日 小寒
ご挨拶が遅れましたが、
新年明けましておめでとうございます。
本年も、週に一回(?)くらいの更新で、
noteを続けていきたいと思っております。
どうぞ宜しくお願いいたします。
さて、
新年早々、ヘッダーにヘタクソな写真をアップしました💦
これは、横浜、関内にある蕎麦店『利休庵』の、蕎麦湯の写真です。
ずっと変わらない南部鉄の鉄瓶で、
この中にはいつも、熱々の蕎麦湯がたっぷりと入っています。
店は今年で創業75年という老舗です。
新年、店の仕事始めの日に夫と二人で訪れました。
以前は家も仕事場も近かったので、けっこう頻繁に通っていたのですが、
約10年前に自宅の引っ越しがあり、電車を乗り継いで1時間ほどかかるようになりました。
現在の住まいの近くにも、数軒の蕎麦店はありますが、
やはり、「蕎麦を食べたい」と思えば「利休庵」で、
月に一度くらいのペースで訪れています。
電車の乗り継ぎも厭わず、なぜ利休庵へ行くのか?
その理由の一つが、鉄瓶に入った熱々の蕎麦湯、にあります。
この店では、蕎麦湯の鉄瓶に、別途、湯飲みを付けてきます。
蕎麦湯用の湯飲みです。
この湯飲みにつゆの残りを入れ、鉄瓶から蕎麦湯を注ぎ、飲みます。
店に行けば必ず姿を見ることが出来た先代の店主は病に倒れ、
この数年は、すっかり見かけなくなりました。
寂しい限りですが、店は今、彼の息子さんが店主となり、切り盛りしています。
先代は蕎麦へのこだわりと細やかな気配り、心配りに溢れた人で、そのマインドが蕎麦湯に表れていたように思います。
蕎麦湯を、単に「おまけ」ではなく、主役の蕎麦を引き立てる、或いはそれ以上の名脇役として存在させたのです。
蕎麦を食べ終えたお客が、新たな湯飲みにつゆの残りを入れ、そこに鉄瓶から熱々の蕎麦湯を注ぎ、飲む。
飲み終えた人の、満足げな表情--
彼が最も愛した光景だったに違いない、、、
と、思います。
蕎麦湯は温かかったですか?
先代店主の声が聞こえてくる様な気がしました。
YES!
(頷きます)
じゅうぶんに温かかったですよ!
声には出さずそう答え、帰路に着きました。