まんがガタガタ道 激闘編 本当にあったあまり怖くない座敷童の話
あまりオカルト系が苦手な人はバックキー推奨w でも作り話ではなく本当にあった出来事です。
私がアシスタントに入る前の事です。先輩から聞いたのですが、霊感の強い方が来られて(どういう関係かは忘れた)玄関先で、『お子さんがいらっしゃいますね』と言われたそうな。
男ばかりの職場でしたし、当然いません。
しかし『後ろで走り回ってますよ』と(^◇^;)
そして数ヶ月後に私がそこのアシスタントになり、雑用係りとして掃除、炊事などをしていると、次々に起こる器物破損!
い、いや、自分の技量が悪いせいだ。洗い物なんてほとんどした事がないから、カップや皿が割れる割れる。冷凍庫の引き出しが壊れる。人がいっぱいで寝る所がなく、押し入れで寝かされて、寝相が悪く襖を蹴飛ばし、大きな穴が、、、
まさにクラッシャー!
でも鉄製の給湯器の栓(かなり古い給湯器なので定期的に回さないと暖房にならない)を回して壊れたのは腑に落ちない。何度も回してるのに、なぜかボキッと鉄製が折れた。いや、折れるもんなのか???
あまりにも壊しまくるので、近くの神社に行ってお参りしようとアシスタント含め全員で行く事になり、50円を、、と思ったら、おまえのお祓いだぞと300円を賽銭させられた。いや、この当時、300円もかなり痛いくらいの貧乏だったので、まさに清水の舞台から飛び降りる心境。
それから器物破損がピタリと止んだ!
300円効果すごい!まじで効くの??この神社???
しばらく何事もない日々が続いたが、物は壊れなくなったがおかしな現象が起こり始める。
トイレに入ろうとすると鍵がかかってる。誰か先客かとしばらく前で待機してもなかなか出てこない。部屋をみたら全員いる。????と思い再度ドアを開けようとしたら開いた。
????あれ?自分の勘違いかな、と。
またある時は、和室でテーブル並べて横に先輩と私で作業していたら、先輩のペン軸が作業中にスッと後ろに飛んだ。
先輩は『なにすんだ??』と私に怒るも、私は何もしていない。しかしその部屋には私と先輩の二人だけ。
そして先輩の一言。『あー、、ワラシか』
ここで先に書いた霊感の強い人からの、子供がいますねの話を聞かされる事になる。
、、って事は今までの器物破損は全部ワラシの仕業か????
い、いや、皿やコーヒーカップは、確かに自分のせいだろうけど、冷蔵庫や給湯器はおかしい。私が触れる物すべてが壊れまくっていたし。だから300円の賽銭で、ワラシが勘弁してくれたのかしら??
別の先輩からも二段ベッドの下で寝ていたら、目の前を足だけが歩いていったと。すごいの見ちゃったぞーと特に怖がっている様子もない。私がアシスタントに入る前から日常茶飯事だったようです。
そして私にも体感できる怪現象が起きた。
アシスタントの1日の仕事が終わると、いつも私もその狭い洋室に二段ベッドの上で寝ているのだが、(押入れは私が蹴飛ばすので)なぜか中途半端な時間に目が冴えて横になっても睡魔が来ない時に腕を組んでジッと眠くなるのを待っていたら、、掛け布団が急にバッとめくれ上がった。
下で寝ている先輩のイタズラかと思い、何するんすかー、と声に出して下を覗き込むと誰もいない。
あ、ワラシか。と私もすぐに反応出来るようになりました。
これが全く怖くない。なぜか、あ、ワラシか、で納得してしまい、じゃ仕方ないなと思ってしまえる。
数年後、私は実家からの通いをやめ、東京の仕事場の近くに引っ越す事になりました。仕事場から徒歩20分くらいの目白の築50年はいってそうなボロアパート、6畳とキッチンのみ、トイレはあるけど風呂なし。
初めての一人暮らし。どれだけ寂しいものかと覚悟していたが、全然寂しくない。
というより泊まり込みよりも通いの方がキツく、寝て起きたら仕事の毎日なので、寂しいと思う余裕もないわけで。
それでも週に3日くらいは休みがもらえるようになっており、大抵ビール飲んだり、ダラダラと堕落した休日ばかり過ごしてましたが、引っ越して1ヶ月に満たない時に集英社の編集部から電話があり、連載用の原作があるんだが、やってみる気あるか、と。
やりますやります!と即答。
アシスタントの通いの為に引っ越した一人暮らしだったが、急遽連載準備用の仕事場になり、ダラダラの毎日からあれやこれやの大忙し。
そしてしばらくして友人のアシスタントの妹が遊びに来る事になり、部屋を大掃除。
慌てて掃除したもんだから、押入れの襖が開けっぱなし。いや、普段から開けてあるままだったけど。
その女性が部屋に入った瞬間に、押入れを指差して、『閉めて、、、』とお願いしてきた。
彼女が多少霊感を持っているのは話でよく聞いていたのだが、第一声が閉めての言葉。この言葉から察するに、もしかしてワラシ?と聞くと。
『女の子がこっち見てる、、、』
どうやら仕事場の座敷童が、私の後をついてきて、この部屋に居ついてしまったらしい。
彼女曰く、そんなに悪いものではないから、お祓いもしなくて大丈夫と言ってくれたが、むしろ大歓迎の類のワラシ。
自分の連載も始まり、人気投票でいきなりの3位。
毎日が多忙で一人で不規則な日々が続くも、決して寂しいとは思ってなかったです。
しかしある日の昼間、私が寝ていたら耳元で女の子の甲高い声で、バイバイと、、、
バッと布団から飛び起きると誰もいない。
耳の近くではなく、耳の中から聞こえてくるような小さな声。
バイバイ、、??まさか、、、夢か、、??とすぐには信じられなかったけど、その日から急に一人暮らしが寂しくなり、友人の所に電話しまくり。電話なんて用件だけ伝えて切るようなものだったが、その日から誰かと話してないと落ち着かず、月の電話代が10万円近くにもなった事がありました。
あ、いなくなったんだな、、、と実感。
座敷童は幸せをもたらすという言い伝えがありますが、ワラシは私にプロの漫画家連載という置き土産を置いて去って行きました。
画力もなく、プロのセンスの欠片もなかった私にワンチャンスのキッカケを作ってくれて、そして成功させる。決して運がよかったではすまないほどの幸運です。
1年ほどでそのアパートが手狭になり、引っ越しを余儀なくされましたが、今でも目白、高田馬場界隈にいるのかな、、と、また会いたいですし遊びたいです。
い、いや、幼女相手に遊ぶってのも変な言い回しだな(^◇^;)
18歳から23歳までの5年間。ワラシと一緒に仕事場で遊ばれたという方が適切か。
300円の見返りはとんでもなく大きかったようです。
漫画家志望者に向けた厳しい言葉を投げつけまくる内容のコラムが多いですが、厳しいプロの世界だからこそ甘い言葉は言いません。よかったら是非サポートお願いします。