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老若日記-その18-介護施設は安心? 状況が目まぐるしく変化する高齢者の住処

皆さん、いかがお過ごしですか?

年始の挨拶LINEで、前職でお世話になった80歳超えの常務に連絡をしました。

「年末年始は、孤独な老人とホステスさんの自殺率が上がるようです。」の一文が冒頭にあり、クスリと笑ってしまいました。
私は、常務のブラックジョークが好きでいつも楽しみにしています。

奥さんとは別居しているようですが、社員の方が駆けつけてくれたとおっしゃっていて、私も安心した新年でした。

夫婦2人で入居するには経済的負担が大きい

年始早々、こんな記事を見つけました。

妻が要介護に。施設入居は「妻だけ」と「夫婦一緒」どちらが高コスパ? 〈dot.〉
出典:aera.dot

この記事では、

80歳を超える妻に介護が必要となり介護施設への入居を考えているが、
その際、夫も一緒に介護施設に入居するべきか

という問題を取り上げています。

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夫婦で入居する場合の二人分の月額利用料は約32万9000円であるのに対し、一人で入居する場合は19万1500円で、14万円近い差が生じます。

夫婦で入居できれば、精神面でも生活面でも支え合いながら生活できますが、その場合の月額費用は、介護保険の自己負担額を含めると35万6000円と、夫婦二人の一般的な年金額を大きく超えてしまいます。

お互いの精神的支えを取り、一緒に入居するか。
子供や孫に頼みお金を援助してもらうか。

どちらも高齢者に対する負担はとても大きいです。
子供にお金の世話にはなりたくない、と申し訳なさを抱いたり、自分の子供に下の世話をされたくない、と考えたりする高齢者が多いとよく耳にします。
確かに、私もいざ自分が介護する立場になったとして、親の下の世話を毎日することができるか・・・いや、正直無理かもしれません。
では、介護施設に入れるお金を50歳になった私が自分の生活費と合わせて払えるか・・・これも厳しいかもしれません。

今の日本において、女性が稼げるシステムは確立されていませんし、女性が子供を育てるという日本の補助システムがまだまだ目立っている状況です。

平成 30 年賃金構造基本統計調査の概況
出典:厚生労働省HP

上記資料のP.2をご参照いただくとわかる通り、親の介護が必要となるであろう50歳の賃金は、(統計上)約27万円です。
この数字からわかるように、両親を介護施設に入れることはほぼ不可能です。

仮に入居できたとしても、経済の流れから安心はできないようです。


経済的に余裕があっても安心はできない

https://news.yahoo.co.jp/articles/98832409d77197344584434bfc44bddc43564ffe

【独自】政府、サービス付き高齢者住宅の監視強化へ…退去人数・理由の公開義務付け
出典:読売新聞オンライン
※有料記事のため、記事の後半の約1/3は読めませんがご参考まで・・・

 ”政府は2021年度から、全国で約26万人の高齢者らが暮らす見守りサービス付きの高齢者住宅に対する監視を強化する方針を固めた。
突然の廃業などで高齢者が住まいを失うケースが相次いでいるためだ。
全施設に入居・退去者数や退去理由などの公開を義務付けるほか、自社の介護サービスのみを過剰に使わせるために家賃を安く抑える可能性が高い施設を補助金の対象から外す方向で検討している。”

冒頭の文から、恐ろしいことが言われています。
せっかく若い頃にたくさん働いて海外旅行を我慢したりして、貯金してお金を貯めて、申し訳ない気持ちで子供からに頭下げて援助してもらったお金で入居しても、突然の廃墟で高齢者が住まいを失うのです。
健康に問題がなければまだ、なんとかなるかもしれません。
しかし、施設に入所している方のほとんどが要介護認定者。
施設が急に閉鎖・・・・・・お先真っ暗。
そんな悲しい人生の現実を80歳超えて突きつけられたくないですよね。
でも、今の日本の現状は甘くはないのです。

では歳を取ったらどうする?海外に移住する?
あながち、そんな考えも間違いではないかもしれません。

オランダの認知症の方が住む村

オランダという国をご存知ですか?
位置は、ドイツ、イギリス、ベルギーの間にある九州ほどの国です。
運河や風車が有名で国土の45%が農業を行っています。
食べ物もチーズやじゃがいも、スープ料理やアップルパイが有名なようです。
写真で見る限り魅力的な国のように見えます。
広い庭にチューリップを植えて、ゆっくり椅子に座りながらアップルパイと紅茶を嗜む。ついつい、そんな想像をしてしまいます。

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オランダ王国ってどんな国?
出典:株式会社 明治

これだけ聞くと高齢者の日本人でも住みやすいのでは。と感じた方も多いのではないでしょうか。

さらにオランダには、認知症の方と介護士が住む村があるのです。

認知症の人のテーマパーク!オランダの『ホグウェイ』って?【世界の認知症ケア】
出典:介護のお仕事研究所

このホグウェイのコンセプトは、
「認知症の人が“普通の日常”を送れる村」。
スーパーや映画館、レストランなど、生活に必要なものが全て揃った一つの村として作られており、重度の認知症の人たちが、敷地内を自由に行動できる環境です。

入居者約約150人に対して、ホグウェイで働くのは約240人のスタッフ。
ナース服や介護服は着用せず、“住民のひとり”として入居者に接します。
スタッフは全員、認知症の人への接し方について熟知した認知症ケアのプロ。
例えば買い物の時に財布を忘れても、お釣りが計算できなくなっても、きちんとフォローすることができます。

なんと素晴らしい施設でしょう。とスタンディングオベーションをしたくなったのは私だけでしょうか。
このように生活するテリトリー全体が、認知症の方のために作られので、認知症の方だけでなく、その方を認知症と分からないまま関わる方へのストレスも回避されます。

例えば、認知症と分からないお客さんがコンビニのレジにきた時、店員さんは戸惑いを隠せないのではないでしょうか。
お金が足りないのに、それを注意すると逆ギレされる。下手したら警察沙汰にもなりかねません。
でも、この村に住んでいれば、みんなが認知症だとわかってくれます。
どのように接すればお互い傷付かずに生活を送ることができるか、知識を持った人がそばにいてくれる・・・こんなに生きやすい環境は他にないと思います。

しかし、この村には落とし穴があります。

ホグウェイの入居費用は、月額約70万円
年間では約840万円かかるのです。

そこで考えさせられるのは、高齢者の自立です。

高齢者が自立することの大切さ

今の日本では、若者が年金を納めそれを高齢者に配布するというシステムがありますが、将来年金をもらえるか不明な若者は、国に納めるのではなく自分で年金を積み立てている人もいます。
高齢者は来年、再来年も今年と同じ年金額をもらえるとは限りません。
そこで大切になってくるのは、高齢者が自立することです。

「こんなに老いぼれたのに、まだつらい思いをしなきゃならんのか。」

なんだか、そんなぼやきも聞こえてきそうです。
ぼやきたいのは若のものも一緒なのです。女性30代の平均年収は243万円です。その中で毎月やりくりをして年金を捻出しています。
デパートコスメも欲しいですし、彼氏と旅行に行きたいです。
ママデビューしている方であれば、子供に新しいアウターを買ってあげたいとも思うでしょう。
それを我慢して年金を捻出しています。中には、悲しくなるから給料明細をじっくり見ないという方もいると聞きます。

高齢者の皆さん、そんな弱い若者に頼れますか?
戦後や高度成長期を乗り切ってきた皆さんなら、今の若者よりアクティブにお金を稼ぐマインドがあるのではないでしょうか。

そんな仲間がたくさんいます。
「おしるこ」で同じ気持ちの方とコミュニケーションを取ることで、今後の人生の選択肢がもっと出てくるかもしれません。

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