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大雪、ひだまり、河津桜【オールドレンズ日記】2022.1~3月

TAKUMAR 1:1.8/55で撮影した日々のできごと蓄積場。ハードディスクにただ蓄積されただけのデータを整理しつつ、日常の景色をインターネットの海に投げるなどしてみる。今回は2022年1月から3月まで。

<前回はこちら>

正月、両親を乗せてドライブマイカー

実家を出てから10年が経とうとしている。20代前半から中盤までは傍若無人に生きていたので、正月もスズメの行水的スピードでしか帰っていなかったが、そろそろ腰を落ち着けようと両親と過ごした28歳の正月。

ちいさな家族なのでちんまりおせち

両親はクルマを持っていないため、私のオンボロ中古車にもなにひとつ文句を言わず「楽しいね〜」と乗ってくれた。三が日の都内は空いていて、いつもより道幅が広く感じる。

葛西臨海公園まで来ると、私は自転車でいつも来ている場所だとホッとするのだが、両親にとっては知らん海。物珍しそうに写真を撮っているのが印象的だった。また家族でドライブしたいな。

自分のクルマで両親をドライブに連れて行くという実績を開放した

雪に埋もれゆく植物

「冬型の気圧配置で関東平野部でも大雪が降る」らしい。話半分で天気予報士の話を聞いていたら、本当に空からチラチラと雪が舞い降りてきた。
……それも大量に、長時間にわたって。

我が家はスパルタ。耐寒性を後天的に育てていくスタイルだ
徐々に町が白く染まっていく様子を窓辺で眺めていた
気付けばどっちゃり積もっている。頭を垂れるフェンネル。ごめん……

雪は夜まで降り続き、家の前に数体のゆきだるまを建立できる程度には積もった。南の血が濃い人間なので寒さには弱いが、こういうのもたまにはたのしい。何歳になっても「ちょっぴり雪をたのしめる」人間でありたい。

インコとひだまり

実は年明けからうちのインコは大変だった。正月が終わるや早々に消化器系の不調で入院し、このときも通院を続けていた。かいぬしとしては、毎日のどんな瞬間も心がふわふわと宙ぶらりんで、言い知れぬ不安を抱えていた。

だが、うちの鳥は当の本人(鳥)ながらのんきである。午後、寝室に太陽が差し込む時間帯になれば、すかさず移動をし、ひとりで昼寝をはじめるのだ。

人の布団でいっちょまえにまどろむインコ
苦しゅうない、な表情
かいぬしもついでにひなたぼっこしつつ仕事

生きとし生けるもの全て、一緒に過ごす時間は永遠ではない。その枠組みの中でも、こうした何気ない時間を積み重ねていけたら、私は幸せだなあなどとしんみり思う。

河津桜、花盛り、早い春

春とはこんなに足が早いものだったか、と驚いた。河川敷の河津桜がいつの間にやら満開を迎えているのである。つい最近まで雪が降ったり、道が凍結したり、冬将軍が我が物顔で町を闊歩していたではないか。
カメラを抱えて自転車に飛び乗り、近所までサイクリングへ出かけた。

ソメイヨシノと比べて、かなり桃色が濃い河津桜
自転車を絡めた写真を撮りたがるのはサイクリストの性
露出やら色味やら、最適解の設定に辿り着くまでかなり手こずった
この写真の雰囲気が、いちばんしっくりくる
側溝に咲く花。名前は知らん
地域猫、勇ましい
と思ったら、隙だらけ。春だもんね

そういえば歳時記が手元に来た。めくれば巡りゆく季節の詳細が記載されている。まるで預言書だ。改めて四季という枠組みに生かされているのだと知った。移ろいを撮りに行こう、オールドレンズで。

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