暮れゆく町、弾丸帰沖、ちいさいインコ【オールドレンズ日記】2021.11~12月
いまとなっては愛用レンズだ。中古のTAKUMAR 1:1.8/55はフリマサイトで5000円だった。
誰かから自慢されたのだっけな。それで羨ましくて購入したのだっけ。動機こそ忘れてしまったのだが、2021年の冬になんとなく”オールドレンズ”というものを入手した。
オールドレンズは筆記具で例えると、デッサンで使う木炭のような存在だと思う。使い勝手は決して良くないし、気を抜くと印象が強くなりすぎり、薄くなりすぎたり、じゃじゃ馬だ。けれど、シャッタースピードや露出、iSOを都度いじって「この1枚」が取れたとき、ひと文字も書いていないのに、ずいぶんと重厚な日記が書けた気分になる。これが不思議なもので。
ハードディスクにただ蓄積されただけのデータを整理しつつ、日常の景色をインターネットの海に投げるなどしてみる。
はじめてのオールドレンズ<2021.11>
小包を開き、はじめて触ったオールドレンズはずっしり重く、かつとてもシンプルな構造体だと感じた。スクリュー式のM42や回せば絞れるf値は元来の姿だと思うのだが、自動化に慣れた私の目には新鮮な物体であった。
さっそくコートを羽織り、冬の河川敷へ向かった。
うちのとりはみかんの皮が好き
みかんを食べていたら、向こうからやってくる。うちのとりは実よりも皮が好きで千切っては咀嚼し吐き捨てるのだが、幸せそうなので放っておいている。
冬の帰沖<2021.12>
予期せぬ帰沖。冬の沖縄は知らない人のようだ。記憶の一片だけでも記録しようとカメラをカバンに詰め込んだ。
年の瀬<2021.12>
年末と年始は異様な雰囲気だと子どもの頃から感じていた。その中で、どちらかと言えば年始が好きだ。終わりゆく様も良いし、日常の進行速度が少しだけ遅くなる気がする。仕事納めに向けて猛烈に仕事を進めつつ、ひなたで休憩したときのスナップショット。
ずぼらなのでマメな整理はできないが、雑然と積み続けられるほど肝も据わっていない。時折、オールドレンズ散文を記そうと思う。