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天神橋筋商店街をトイカメラ片手に歩いてみると。

残暑の厳しいある日、大阪を訪れていた。降り立ったのは日本一の長さを誇る天神橋筋商店街。何も分からんが、とりあえず歩いてみようと、トイカメラ片手に歩いたのである。

「ここが噂の……」

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天神橋筋商店街とは

ともあれ、読者にとって何もわからん場所を歩いているレポートは苦痛であろう。先んじて簡単に天神橋筋商店街についてまとめてみたので、どうぞ。

天神橋筋商店街は全長約2.6㎞を誇る日本一長い商店街。天神橋を起点に、天神橋7丁目まで延びている。
江戸時代に2丁目の大阪天満宮を周辺が門前町として栄えたのが商店街のはじまりで、明治時代より今日のような商店街として発展したという。

参考:天神橋筋商店街|大阪公式観光情報

エリアごとの飾りに、歩きながらキョロキョロ

午前中はまだ人もまばらで、開いていない商店も多い。だが、さすが商業の街・大阪。個人商店がこんなにも並び、かつ人間の気配がある商店街は久しぶりだ。なんだか懐かしいような気分に浸りつつ、北上する。

長く楽しい散歩がはじまる
水の都・大阪を象徴する大阪市マンホールデザイン

幹線道路を横断すると天神橋2丁目の入口が。なんだこれはと思わずパチリ。入口の上にある人形は、天満祭の御迎人形をかたどったもの。お祭りになると舟に人形を掲げて、神様をお迎えするのだそうだ。

3丁目、通称・天三までやってきた。アーケードの天井にはいくつもの鳥居のオブジェが。南から順に真朱(しんしゅ)、桔梗(ききょう)、浅葱(あさぎ)、萌黄(もえぎ)に塗られた鳥居が街を彩りを添えているという。

エリアごとに個性があり、歩くだけでも愉快

暮らしが積み重なり風習となり、そして歴史になる。その上を歩いているのだなと、商店街を歩きながらふと思った。

毎週食べたい「たこ焼き道楽 わなか」のたこ焼き

とある筋から聞いた、めちゃうまいたこ焼きこと「たこ焼き道楽 わなか」。小腹が空いたので立ち寄りハイボールと頂く。

正午から飲む酒はうまい(この写真だけiPhone撮影)

一口食べればクリーミーでとろっとろな生地が香ばしく口に広がる。ん、んまい!優しい白出汁ととろける舌触りが素晴らしいですね。ソースとマヨネーズのコクも加わり、こりゃあ絶品でございます。
……などと、冗長な敬語になりながら食す。これは本当にうまいし、週一回食べたい。いいなぁ大阪、至る所にたこ焼き屋があって。

商人の街を全身で感じて

次は、こちらも何かと聞く「スーパー玉出」。ネーミング&外観からパチンコ店かと思ったが庶民的スーパーである。激安価格が目玉のお店として話に聞いていたので立ち入ってみた。

ところが、意外と一般的な値段であった。普段わたしが自宅付近の激安スーパーをよく利用するから感覚がおかしいのだろうか。
値段はさておき、生鮮食品から惣菜まで幅広く大量に種類が置いてあり、とても活気があったのが印象的だった。お客さんも店員さんもみんな元気でいいな。

さて、少し進むとJR天満駅に到着。

こちらにも玉出の看板が

駅前には立ち飲みが店が立ち並び、日曜の昼からヤンヤと賑わっている。あそこでちびちびやってるおじさんも、あそこでママチャリを押しているおばさんも、これが日常なんだろうな。知らない町に訪れるとき、わたしはいつもお邪魔させていただいているような、借りてきた猫のような気分になる。

あ、あれは大好きな激安自販機だ!

この自販機、大阪初日に惚れ込んでずっと追っかけていた。

左から三番目の黒烏龍茶が本当においしい。みんな飲んでくれ、おすすめだ。黒烏龍茶というだけでヘルシーな気がするし、なんせ100円だ。プラシーボ効果を信じてガバガバ飲んでいきたい。おいしいし。

全部100円なんだよ、すごいよね

商店街は若干道幅が狭くなり、より密度が増してきたように思えた。時間帯も昼を過ぎ人手が増えてくる。五感で大阪の商店街を堪能する。探偵!ナイトスクープで観ているあの世界感が広がっている。

かるがものイラストが可愛くて、つい撮影

大阪くらしの今昔館でタイムスリップ

六丁目を歩いていると、The観光客向けの「住まいのミュージアム 大阪くらしの今昔館」を見つけた。知らない土地の博物館に前情報なく入るのが趣味でもあるので、迷わず入館。さて、どんな博物館かな……あらっ──!!

\タイムスリップしちゃった〜!!!/

……しょうもない冗談はさておき、なかなか興味深い施設であった。9階の展示室は全体が1830年代の大阪の町屋を再現したエリアになっており、タイムスリップしたような感覚を味わえる。

商屋の賑わいや庶民の暮らしなどを観ることができて、なかなか見応えがある。わたしが訪れたときには訪日外国人が多く、浴衣体験をしながら写真撮影を楽しんでいた。

別展示室には文明開化後の大阪のジオラマも

また会う日まで、さいなら〜

脚にも疲労感が溜まり、帰りの時間も近づいてきたので、今回の遠征はこれにておしまい。

なんば駅から関空へ

わたしには大阪出身の知り合いや友人がいる。彼らが語る大阪は、何とも濃密で人臭くて、ソース味のする街だった。
確かに彼らの言うとおりだった。
わたしが歩いた大阪も濃密で人臭く、ソース味がした。ふとした風景や街角は、歩かなければ出会えなかった情景だった。

きっと今後の人生でも、お上品な白出汁と特濃ソース味が恋しくなるタイミングがあるだろう。今回は新喜劇も観られなかったし、ユニバだって行けなかった。だからまた近い未来に来るのだろうな。
というわけで大阪よ、また会う日までさいなら〜。