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平日の味がする。月曜の夜はサントリーPSBを飲みがち【キッチンドランカー日記①】

今日はプシュッと?それとも、カラカラ?飲みつつ食材を眺めて、食べたいものをこの手で作り上げて、時々つまみ食いをして…。これだから、大人はやめらんない。
無類のキッチンドランカーによる、ごきげん飯酒エッセイなのである。

フリーランスも月曜日は憂鬱

出社する会社がなくったって、月曜日は憂鬱なのである。相場はそうと決まっている。か弱い心を持っている私は、月曜に重めのインタビューや撮影込みの取材はなるべく入れないようにしている。心臓がびっくりしてしまうからね。水シャワーも浴びずに、いきなり小学校の屋外プールに飛び込むようなもんだ。

まあそんなわけで、ぬるっと稼働し最低限の仕事を処理し、夜にはPCをスリープモードに落とすわけだけど、やはりどうあがいても月曜の夜。深酒するにもいかんし、気分は晴れやかかというと否である。明日以降に待ち受ける4日間もの平日に耐えきれるか不安で不安でしょうがないのである。28歳にもなったのに精神力は幼女並みで非常にか弱い。なのでこんな日は、サクッと水代わりに薄めの酒をプシュッとやるのだ。

あっさりビール、私は好きよ

あたしゃ酒のうんちくは苦手だ。

だってお酒を飲むときに、うんちくや知識を想像していただかないもの。それよりも、その日の気候とか、どんな1日を過ごしたかとかが重要になる。なのでこのビールは○○酵母を使用して、と言われても「ハァなるほどおいしそう」しか言えん。(が、作り手の立場に立つと俄然興味が出てくるんだろうなあ)

あくまでも主観だが薄口のビールと聞くと南方のビールを思い浮かべがちだ。国内で言えば沖縄のオリオンビール、国外なら台湾ビールやシンハー、インド料理屋に並ぶビールも大抵薄い。

賛否両論あるだろうが、私は水のような南のビールは好きだ。汗をかきながら水のように飲み干すのもたまらんし、マサラたっぷり激辛料理にひぃひぃ悲鳴を上げながらお冷や代わりに飲むのも良し。暑い日こそ薄さが光るんだな。

”薄い”という単語はミスリードを引き起こす恐れがあるため、積極的に使用するのはちょっとよろしくない気もするけれど、この薄さが私にとってちょうど良い。その点でいくと、ビールカテゴリーにおける『糖質ゼロビール』は、味わいがかなり好みなのだ。

サントリー『PSB (パーフェクトサントリービール)』

発売当日、あたしゃ驚いたよ。だって商品名が「サントリーが出した完璧なビール」の略でしょう? そらわかりやすさはピカイチだが、さすがに酒飲みの思考力を侮ってはいないか。もうちょい熟考できるよ、へべれけでも。

といいつつも、キリンから発売されている「麒麟一番搾り 糖質ゼロ」を私はこよなく愛している。そのため、PSBは糖質ゼロとして対抗馬になりうる商品であるから、さっそく飲んでみることにした。

──プシュッ! コッコッコッコ……ほ〜〜う。

想像以上にビールだ。旨味的なサムシングも感じるし、私が愛するあっさり感も健在。もちろんビールなので発泡酒の「あれ…?」感もないし、飲みやすい。水のようにするする飲める。パーフェクトというべきかは不明だが、もろもろが正解に近いビールなのではないか?

とはいえ、金曜の夜のとっておきの1杯にプシュッとやるかと言われたら、少々悩ましい。飲みやすさあまりに、飲み干したあとのエクスタシーを感じない。どちらかというと、業務的な酒なのである。

仕事で言うと、ある程度体裁が決まった商業的な連載ページといったイメージ。読みやすく分かりやすく理路整然と作るんだけど、それ以上の情緒的な感情は置いておいて、毎月続けていく感じだ。

私にとって君は真面目でやさしいビールなのだよ

なのでPSBが輝けるのは月曜の夜なのだ。

ちょいと業務的だが、安定のあっさりとした旨味が明日への活力に繋がる。いつもの味、飲みやすさ、やさしい度数が全身に染み渡る。

今晩の目玉は「なす田楽」

台所に立つ。食材を出す。つまみを並べる。献立をあれこれ考えつつ、換気扇のスイッチを入れる。何らかの溜め息。そしてプシュっと。そういった訳で、今夜はパーフェクトサントリービールにお世話になったわけだ。ごちそうさまでした。

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