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Wine log #JPN008 Campbell&Niagara&bacchus 天然酵母 2017

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Campbell & Niagara & Bacchus 天然酵母 2017 / 多田農園 (北海道)
ブドウの果実味が最大限に生かされた「足し算」ワイン
「ニンジン農家さんが作るワイン」というパワーワードに惹かれる
ワイナリーに行ってみたい。

挑戦的なワインを作るのは、ニンジン農家!?

ワインショップで行われた試飲会にお伺いしたときに紹介されて
多田農園さんの「Bucchus 天然酵母」が衝撃的においしく
(今度開栓したら紹介します)
試飲会終了後に買ったこのワインも、なんとまぁ面白い。
挑戦的なワインを作るワイナリーさんがまさか
「もらったブドウの苗を育てて作り始めたニンジン農家」
だったってこと、信じられます!?

それを聞いてホント、驚いたというか……。
ある意味で日本的な、器用さとか、いやもう多分天才なのかもしれない。
しかも、そんな「挑戦的なワイン」を作ってる方が、野心家の若人ではなく
ほんと何度も言いますけど「ニンジン農家のおじさん」だったって聞くと
驚く通り越して「……まっさかぁ」と疑ってしまいます。
本当だと知ったとき、もう虜ですよ。
……多田農園に行ってみたい。ニンジン洗ってるおじさんにあってみたい。

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「足し算」が一番難しいのにそれを実現するワイン

単一品種をワインとしてリリースする際、
やはり「単一品種の特徴」が出てしまう。
私はそういった単一品種のワインも大好きなのですが
複数の品種をワイナリーが考えた配合比でブレンドするワインも数多くあります。
それは「単一品種ではたどり着けない合わせ技」を見つける旅であり、
リリースされたワインはその旅の終着点もしくは通過点ということになります。
単一品種の弱点、例えば「色の弱さ」や「酸味」「渋み」「香り」など
赤ワインであれば、色味や渋みを足すためにブレンドするとか
白ワインであれば、酸味や香り、甘みを出すために……とか。
品種を補佐的に使用すれば更に良いワインが出来ると計算して配合します。

今回のワインもブレンドワインですが、面白いのが
「いいところを引き延ばす、足し算」しているところかなと思います。
(完全に個人の感想ですが、なんとなくそう思えます。

同じ系統の香りで整合性をとりつつ
それぞれの果実味で味のバランスをとっていく
天然酵母ならではの野性味が加わって、独特なワインとなる

これをニンジン農家さんが突き詰めたんだ、と思うとびっくりします。

いろんなワイナリーがあっていろんなワインが作られる
それを実感した、面白い一本でした。

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