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この一か月でAR界隈が最高にぶちあがってるよって話

AR界隈が最近ぶちあがってます。メタバースがーとかVRがーって言ってる場合じゃない!
ということで記事を書きました。(表紙はいい感じの画像が見つからなかったので、燃えている写真をお借りしました。)
この記事の要約はこうです。

AR界隈が最高にぶちあがってるので皆でARをしよう!!!!!!!!


今AR界隈で何が起こっているのか?

ざっくりと振り返ってみましょう。

ARの抱えていた問題、その1

従来のARが抱えている問題はいくつかありましたが、その一つが精度です。
ただ現実世界に出す…というだけならすでに出来るのはなんとなくイメージが出来ると思います。
問題はどこにだすか?という部分でした。
例えば、東京タワーにARを出したい!デスメラモンが出てきて燃やしたりしてほしい!と思ったとしましょう。

しかし、スマートフォンに現実世界を理解させるのは容易ではありません。
スマホは今自分がどこにいて、どこを向いているかを把握するのが苦手です。
GPS使えばいいじゃん、と思う方もいると思いますが、GPSはどうしてもメートル単位の誤差が出てしまいますし、方角が分かりません。
Googleマップを使ったら現在位置がちょっとずれてる、矢印がでたらめだった…という経験はだれしもあると思います。

これを解決する方法はいくつかありますが、よく用いられているのがスマホに画像認識をさせ、今いる場所と方位を一致させることです。GPSで大体の場所は分かるので、その場所で、持っている画像認識データとカメラを通してみる画像の特徴が一致すれば方位と角度が分かります。
物凄く乱暴に例えると、浜松町駅を降りて東京タワーを向いた方角の写真があれば、「あの物体の上にデスメラモンを出せばいいんだな」ってわかります。

ここで皆さんは気づいたかもしれません。
「それって下手すると全世界の、あらゆる場所や方位の写真がいるのでは?無理ゲーでは?」

これを回避する手段としては、ARを出したい地点の場所をあらかじめスキャンすることで、データを確保する方法が一般的です。
先ほどの例で言うと、「浜松町駅を降りて東京タワーを向いた方角の写真」だけがあればよいのです。

しかしこれは少々大変です。同じARで秋葉原にエヴァを降臨させたい!ってなった場合は秋葉原も行ってデータを確保する必要があります。
Googleマップによると浜松町から秋葉原まで大体10分。案外近いですが、これが3か所、4か所となると面倒ですよね。

ここで皆さんは気づいたかもしれません。
全世界とは言わずとも、それなりの範囲であらゆる場所や方位の写真がいるのでは?無理ゲーでは?」

各企業の頑張り

この問題の解決策は既にほかの企業が試みていました。
ここで例を挙げると、SnapやPsychic VR Lab(STYLY)などです。
Snapは、SnapchatというARアプリを出している会社です。ディズニー風の顔に慣れるので一時期バズったりしたのでご存知の方もいるのではないでしょうか。Snapはロンドン付近でデータが使えるようにしていました。

STYLYはPsychic VR Labが運営している、日本のサービスです。日本の6都市でデータが使えると発表していたりしますし、実際に渋谷でやっていたこともあります。

でもそんなにない。例えば横浜や静岡にいる人は地元で使えないわけです。
ちなみにGoogleマップによると横浜-新宿間で30分ほど、横浜-ロンドン間は直行便で15時間弱だそうです。

ここまで読んでくれた読者の皆さんは、もしかしたら気づくかもしれません。
「Google先生なら何とかしてくれるんじゃ…?」
AR界隈でも噂が流れていました。いろんな企業がすでにやっているのに今年やらなくていつやるんだと。

ARの抱えていた問題、その2

問題はもう一つあります。単純に良いデバイスがありません!
世に出ているARデバイスは、視野角が狭い、カッコ悪い、外では使いにくい…の3拍子がそろっています。
単純に技術が理想に追いついていない部分があります。例えばHololens2というものがあります。

ここにある画像群をみても、普段使いにはちょっと…と思う方が多いでしょう。Hololens2は現状出ている中で最も良いデバイスの一つですが、視野角や見え方の問題が解決されているわけではありません。

ここはVRも一緒で、Meta Quest2は重くて疲れる、解像度がーという話はよく耳にすると思います。

急に来た

さて、前置きが長くなりました。ここから本題です。

5月11日

事の発端は5月11日(の深夜)。Google I/O(Googleの「こんなことするよ!」っていう発表会、新型Pixelの発表とかやる)です。

Googleさんが「Googleマップのデータ使ってAR出来るようにしといたで。」「対象はストリートビューが出来る場所全部や。」と。

わお。

来たな。早速使ってみるとものすごく精度が良いのです。
新宿猫のそばを超大型新宿猫が通り過ぎる映像、見た方もいるのではないでしょうか。今までエンジニア頑張らないといけなかった、ああいった表現が比較的簡単にできてしまうようになりました。

ARの抱えていた問題その1が大体解決しちゃった…!

ところでGoogleの発表は続きます。「今こんなの開発しとるんや…」

出てきたのは眼鏡型のデバイスです。文字起こしをしたり、英語と中国語を自動翻訳しているムービー。

おっと?

Googleは実は、以前からARデバイスの開発は行っていました。よもやこんな形で出ようとは。
一点注意なのがARデバイスかどうかは分からなない(外部認識するためのセンサー類がついていないように見えるため)ということです。
ARの抱えていた問題その2がまた一歩前進しちゃった…!

ともあれ、デバイスがまた一つ世に出る可能性が高まりました。これはよいことだ…!と思っていました。

5月12日

翌日です。Meta社のマーク・ザッカバーグがfacebookに一本の動画を投稿しました。Meta Quest2のハイエンド機と噂される「Project Cambria」のデモ映像です。

VR機器じゃん…と思った方、よく見て下さい。
最初に映っているのは現実世界、そこがハンドジェスチャーによってCGに置き換わっていきます。
つまり、ARとVRを切り替えることが可能なデバイスということになります。
Meta Quest2のハイエンド機であることから、おそらくQuest2よりも高い解像度かつ広い視野角(少なくとも同等の視野角)で、ARも体験できるデバイスが出てくるというわけです。
(※厳密にはHololens2はメガネに映像を映すイメージ、Project Cambriaはいったんすべて映像に置き換えるイメージなため単純比較はできません。)

ARの抱えていた問題その2がまた一歩前進しちゃった…!

この2日でAR業界に激震が走ります。(筆者調べ)

5月24日

ところで、はじめにARと聞いて最初にポケモンGOを思い浮かべた方は手を上げてください。怒りませんので。

そのポケモンGOの会社(ナイアンティック)も、実はAR四天王の一角です。彼らも5/24(の深夜)に発表会を控えていました。

そこでこういうのです。
「ポケモンGOとかでみんなが集めてくれたデータ使えるようにしたで」
「対象は全世界の6都市に集中してるけどいろんな場所や。なければ皆でスキャンして集めるんやで」

お前もか!

つまり、ポケモンGOをはじめとするARゲームで集めたスポットのデータを起点に、位置合わせが出来るようになりました。
これはGoogleの弱点だった「ストリートビューにないところは位置合わせが苦手」を補うものになります。たとえば敷地内や、公園のど真ん中などです。

さらにこう続けます。
「アプリじゃなくてWebでも使えるで。」

!?!?!?

実はARはアプリではなく、Web上で動作するものもあります(WebARと呼ばれています)。
ナイアンティックは数か月前に、WebAR界最強レベルの会社、「8th Wall」を買収していました。そのプラットフォーム上でも位置合わせが出来るようになったのです。

ARの抱えていた問題その1がWeb上でも大体解決しちゃった…!

このニュースでWebAR業界にも激震が走りました。(筆者調べ)


この二週間で信じられないぐらいぶち上っているのが分かると思います。

6月6日

6月6日(の深夜)、ここがおそらくAR界隈ぶち上げの最終ポイントです。信じられないことに、まだ一波来るかもしれません。

何があるかというと、Appleの発表会(WWDC)です。

Appleも長年ARの開発を行っており、長年ずっとAppleグラスが出ると噂されて、数えきれないほどのリークがでています。
とはいえ、多分今年は出ません。

しかし、最大のライバルであるGoogleがARをぶち上げ始めているのでAppleも何かしらぶち上げてくる可能性は大いにあります。
少なくとも、位置合わせの技術は何かしら搭載してくる可能性が高いです。「ここで出さないと乗り遅れる!」と思うので。
他にももうひとネタ、何かぶち上げてこないかなーと筆者は勝手に思っています。(Appleグラスのチラ見せとか…ないですかね?)

ちなみに、AppleグラスがでればARの抱えていた問題その2が大体解決します。
なぜというと、
デザインや機能に関わらず絶対一定数が買うので、デザイン的にはそれがスタンダードになるはずです。さらにAppleは性能・デザインの両面において、半端なものは出せないはずだからです。

まとめ

AR界隈が最高にぶちあがってるので皆でARをしよう!!!!!!!!
という事でした。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。勢いで書いたので間違っている部分とかあるかもしれません。コメントなどで教えてください。

ちなみに、UnityさえあればARは気軽に作れます。試してみてね。

↓1年後の記事が出来ました。


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