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●散文、雑記、詩っぽいの。

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ギンフルマの青いやつの延長とか
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2022年6月の記事一覧

そう。
君は俯き過ぎてとうとう、希望にも絶望にも属さない時間の流れを掘り当てたの。

まるで高速道路だね。

ひとつの夏の終わりへ向かって、滞りなく流れ続ける、暗くも明るくもない、ニュートラルなひかりのはやさの帯。

2人はね。

2人はね。

2人はね
お互いに折ることの出来ない見栄と見栄をぶつけ合ってね
人生の虚栄をぶつけ合ってね

2人とも
自分というものを遠く見失っちゃってね
そのことに慣れて
長く
慣れきって

何年も経って

でも
いつか
本当に疲れきった時

ふと気を張る力が抜けて

2人が
お互いを見て

何の衒いもない
何の理由付けもいらない感情で
無言で
寄りかかりあって

まるで仲良しの子供みたいに
つながりあったり

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消えてゆく過去はみんな痛みなのですし。

消えてゆく過去はみんな痛みなのですし。

消えてゆく過去は
みんな痛みなのですし

薄れてゆく記憶は
みんな悲しみなのです

あなたは 思い出さなくていいのです
明日もあることですし
忘れてしまいましょう

僕は 見ていました

あなたの涙や
あなたの傷は
みんな あなたから少しずつ剥がれて
光になって
夕空へのぼっていきました

それらは 溶け残りの花火のように
ちらちらと とても綺麗に
消えてゆきました
僕が 確かに見送りました

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