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特許読解アシスタント「サマリア」の分類作成機能を利用した特許文書の読み込みサポート

特許読解アシスタント「サマリア」

今年4月にリリースしたChatGPTを活用した特許文書の読解アシスタントサービス「サマリア」の活用事例を紹介していきたいと思います。


「サマリア」は特許公報などの特許文書の読解を効率的に行うためのAIアシスタント・サービスです。サービスは以下のURLより、右上の「お申し込み」ボタンから無料でアカウント登録し、ご利用いただくことができます。是非、ご利用ください。

サービスの基本的な利用方法は、サマリアメインページの「使い方」にて紹介しているので、note記事では「こういった使い方もできるよ」といったノウハウなどを紹介していきたいと思います!

分類作成機能について

今回は、先日7月26日にリリースした「分類作成機能」について紹介します。分類作成機能というと、「特許解析」「特許分析」用途の機能かな?と思われがちですが、これ自体、特許読解のための「要約」情報としても活用することができます。

ケーススタディ

例えば、今回、「特許6469758号(読取装置、情報提供装置、情報提供システム)」を対象に解説します。この発明は、RFタグが付いた商品を自動でレジで読み取るための読取装置に関するものです。

分類作成機能の詳細は、「分類支援機能」の解説からご確認ください。分類作成機能では、課題、構成、技術分野などの「分類種別(分類軸)」を指定して、特許明細書の文書内容に基づいて「分類(タグ)」を自動的に提案してくれる機能になります。

分類種別(分類軸)の割り当て

今回は、上記特許に対して、「課題,構成,解決手段,用途,機能,技術分野,効果」の全ての分類種別(分類軸)を対象に分類作成を実行してみましょう。

「AIアシスタント・ウィザード」画面を開いて、「分類作成」タブを選択し、分類種別(分類軸)として、「課題,構成,解決手段,用途,機能,技術分野,効果」を入力します。最後に、「分類作成支援を実行する」ボタンを選択します。

分類作成支援

分類作成の回答結果

しばらく待つと、以下のような回答結果が得られます。

AIアシスタントからの回答結果(分類作成)

今回は、得られた内容が長いので以下に転記します。AIアシスタントは、このように発明に関して詳細な情報を回答してくれます。

この機能は「分類」を作成するためのものですが、以下のように「技術分野」「課題」「構成」の観点から「要約」を作成する機能としても理解することができます。実際、以下のように観点ごとに特許明細書を整理してもらうことにより、短時間で発明内容を立体的に把握することができます。

なので、この「分類作成機能」は、当初、分類を作成するための機能でしたが、単独の「要約機能(明細書の読解サポート機能)」としてもとても有用であることがわかりました。この機能を利用することで、「発明」を分類種別ごとの多面的な観点から短時間で立体的に把握することができます。是非、ご活用ください!

・分類名:RFタグ読取装置
・分類種別:技術分野
・分類理由:特許はRFタグの情報を読み取る読取装置、及びRFタグが付された物品の情報を提供する情報提供システムに関する。

・分類名:電波影響低減
・分類種別:課題
・分類理由:特許は、リーダライタの交信領域と顧客が存在する空間とが連続しているので、リーダライタのアンテナから放出される電波が他の装置に影響したり、他の装置から放出された電波がリーダライタの交信電波に干渉する可能性があるという問題を解決しようとしている。

・分類名:顧客利便性
・分類種別:課題
・分類理由:特許は、特許文献1の読取装置では、筐体内に商品を入れてフタを閉めて会計処理をした後、フタを開けて商品を取り出すといった煩わしい動作が必要となり、また、筐体内に収容された買物カゴを視認することができないので、会計処理中には、商品を再度確認することができなくなってしまうという問題を解決しようとしている。

・分類名:シールド部
・分類種別:構成
・分類理由:特許の読取装置は、物品に付されたRFタグから情報を読み取るためのアンテナと、アンテナを収容し、物品を囲むシールド部を備えている。シールド部は、物品よりも広い開口が上向きに形成され、上向きに開口した状態でRFタグから情報を読み取る。

・分類名:情報提供システム
・分類種別:構成
・分類理由:特許の情報提供システムは、読取装置と通信可能な情報提供装置を備えている。情報提供装置は、物品に関する物品情報をRFタグの情報に対応付けて記憶する記憶部と、読取装置からRFタグの情報を取得する取得部と、取得したRFタグの情報に対応する物品情報を記憶部から抽出して提供すべき情報を生成する情報生成部と、生成された提供すべき情報を出力する出力部を備えている。

・分類名:電波吸収・反射
・分類種別:解決手段
・分類理由:特許の読取装置は、シールド部が電波を吸収する電波吸収層と、電波吸収層の外側に形成され、電波を反射させる電波反射層を備えている。これにより、リーダライタのアンテナから放出される電波が他の装置に影響したり、他の装置から放出された電波がリーダライタの交信電波に干渉する問題を防止する。

・分類名:会計処理
・分類種別:用途
・分類理由:特許の読取装置と情報提供システムは、店舗における会計処理をスムーズに行うために使用される。

・分類名:商品情報提供
・分類種別:機能
・分類理由:特許の情報提供システムは、物品に関する物品情報をRFタグの情報に対応付けて記憶し、読取装置からRFタグの情報を取得し、取得したRFタグの情報に対応する物品情報を記憶部から抽出して提供すべき情報を生成し、生成された提供すべき情報を出力する機能を持つ。

・分類名:電波干渉防止
・分類種別:効果
・分類理由:特許の読取装置は、シールド部が電波を吸収する電波吸収層と、電波吸収層の外側に形成され、電波を反射させる電波反射層を備えていることにより、リーダライタのアンテナから放出される電波が他の装置に影響したり、他の装置から放出された電波がリーダライタの交信電波に干渉する問題を防止する効果がある。

特許6469758号(サマリア・分類作成機能)

ユーザ独自の分類種別(分類軸)の入力

なお、分類種別(分類軸)は、ユーザが任意の値を入れることができるので、目的に応じて独自の分類種別(分類軸)を入れても面白いと思われます。

今回は、「ユーザのベネフィット」「コスト、」「競争優位性」の分類軸で整理してみました。

ユーザ独自の分類種別(分類軸)の入力

・分類名:ユーザのベネフィット
・分類種別:ユーザのベネフィット
・分類理由:この特許の発明は、RFタグが付けられた商品の情報を読み取り、その情報を基に会計処理を行うことで、顧客が商品を再確認しながら簡単に会計処理ができるという利便性を提供しています。

・分類名:コスト
・分類種別:コスト
・分類理由:この特許の発明は、RFタグの情報を一括して読み取ることができるため、個々の商品を手動でスキャンする必要がなく、労力と時間のコストを削減します。

・分類名:競争優位性
・分類種別:競争優位性
・分類理由:この特許の発明は、RFタグの情報を読み取る読取装置と、その情報を基に会計処理を行うシステムを組み合わせることで、他のシステムと比較してスムーズな会計処理を可能にし、競争優位性を持つことができます。

特許6469758号(サマリア・分類作成機能)

サマリアは特許文書の読解、理解を支援するための強力な機能を実装していきます。サマリアは、知財に関わるすべての方が気軽に利用できる情報サービスの提供を目指しております。是非、皆様の日常業務にご活用ください。

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